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酒と泪と女と女

産後クライシス

Writter: 川崎貴子
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酒と泪と女と女

女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女のプロ」の異名を取るninoya取締役の川崎貴子が、昼の人材コンサルティングから、夜の酒と泪の現場まで。若いお嬢さん方へ、いまを生き抜く術をお伝えするブログです。

スズコさんのブログを読みながら、「子供4人?」「働いている?」「年子だった?」と、3回叫びました。

育児のストレス、の一番て結局これじゃないか?と思ったこと。 – スズコ、考える。

少し前にTwitterで「育児の一番のストレスは自分の思うように時間が使えないこと、だれかの時間軸に合わせて動くこと」というのが回ってきたのを見て、そうだなぁ、…

睡眠不足上等、自由時間皆無、大量の家事当たり前の世界。

それなのに夫の協力を認め、夫の仕事状況を考えた上で、「育児をしていくのは私が主としてやっていく。色々と不満はあるが、私が考え方を変えるのがベスト」と締めくくっています。

一度目の結婚&出産の時ですが、産後1か月復帰とはいえ、私には5人のサポーター(ベビーシッター2名、母、妹、夫)がいました。

それでも、仕事から帰って赤子を受け取り、深夜2時間起きの授乳で寝不足&へとへとになったものです。

そして、やっと眠れると安堵した明け方、酔って帰って来て赤子を起こす前夫に対し、喧嘩だ、離婚だなどの選択肢を飛び越え、当時「明確な殺意」を抱いていました。

そんな私からみると、スズコさんの理性的な対応、分析力は賢母そのもの。己の失敗(離婚)の理由がグサグサとよく解るのでした。

さて、「産後クライシス」という言葉をご存知でしょうか?

何故か産後に夫婦関係が崩れ、離婚に至るという説なのですが、ベネッセの調査で「出産後2年の間に、妻の夫への愛情は40%下落する」という結果が出て更に裏付けられました。

女性にとって、幸せの象徴であり、人生最大のイベント「出産」。

つわりから始まり、体型の変化にとまどい、重い身体で不安と戦い、例えようも無い痛みを乗り越え我が子をこの世に送り出す。

そして、幸せいっぱいに我が子を抱き、新生活を始めます。

すると、そこに何故か、

「夫という名の使えない大人がいる」

のです。

「あなたは父親なのに、どうして私と同じように我が子の世話をしないの?私は産後で体がぼろぼろなのにどうしていたわってくれないの?セックス?何言っているの?私はこんなに寝不足なのに。私の大変さをどうして察してくれないの?」

産後の妻の不満はこれらに集約されます。

これは、ホルモンの仕業(女性らしさを高めるより母親らしさを高めるホルモンが増え、夫への意識より子供への意識が強くなるように身体が変化する)と言われています。

また、寝不足や肉体的な疲労、子供に全て拘束される精神的ストレスに加え、近年では経済的不安(稼げない夫の急増)や、マザコン夫の急増。

SNSやブログで他の家庭の夫と自分の夫を比べてしまうなど、様々な原因が推測されています。

そして、大変残念なことに、夫という生き物は、子育て中の妻を「察する」ということができません。

先ほどのデータで産後2年では40%妻の愛情が減り、1年では30%と出ているのですが、夫の妻への愛情は1年で10%の減少にとどまっています。

普通、自分に愛情が減っている相手に愛情を抱き続けるなんて難しいじゃないですか?要は、夫は気づいていないのです。

「この使えない男はだれだっけ?」

と妻から思われているという事に。

そんな鈍感力の強い生き物が、仕事で疲れて帰って来て「妻を察する」なんて難易度が高過ぎるのです。

また、母親に背負わされる「母性神話」も産後クライシスに拍車をかけます。

出産や育児程、わけのわからない「通説」が幅を利かせている世界を私は他に知りません。

出産は痛みを伴ってこそ、とか、母乳で育てないと病気になるとか、3歳までは母親と密着育児をしなければ悪い子になる、など。

働くお母さんは、このような「通説」を浴びせられ世間と戦っているのに対し、夫は無傷な上、本人もうすらぼんやり思っているのです。

「母性があるから、大変そうだけど乗り越えているんだろうな(*だから静観しよっと)」

この都合の良い誤解っぷり。

クライシスどころか、全面戦争突入サイレンが聴こえます。

もう、働きながらも育児を主としてやっている人に関しては、「ママ」とか「お母さん」じゃなく、「育児リーダー」ということにしませんか?

リーダーは「察してほしい」などと部下に対して思いません。

業務の全体像を捉え、部下の業務量(外の仕事など)を把握した上で、育児の割り当てを的確に指示出し。

上手くできたら褒め、感謝する。

そうやって新卒を育てるがごとく、夫の育児キャリアアップを謀ります。

少しずつ業務を覚えたら、もう少し任せてみる。

任せてできたリーダーの時間で、何ができたかを具体的に褒め、感謝する(役立っているということを認知させる)。

そこまでいけば、子供は夫を頼りにし出すので(報償)、夫も子育ての楽しさや充実感を味わう事ができます(考えて行動するように変化する)。

そして、親族は全て頼る。尚且つ、アウトソースを有効利用する。

今、例え給料の全額を持っていかれたとしてもそれは一時期。

味方であるはずの夫を嫌いになるより、仕事を辞めて育てあがるのを待つより(ブランク後の女性の生涯年収は1億ほど差が出ると言われています)、プロや親しい人に一部を担ってもらえた方がずっと合理的なのです。

現に、私の先輩友人キャリア女性達は、図々しい程この技を駆使して、子供の幼少期を乗り越えてきました。

面倒だし、自由はなくなるし、お金も手間もかかるけど、子供の成長は夫婦の最大の喜びです。

いつか夫婦で「あの時は大変だったね」と戦友同士讃えあえるのが、「夫婦のあがり」なのではないでしょうか?

そんな豊かな老後の為に、育児リーダーは長期ビジョンで、家庭という名の大本営を守ってください。

例え今は戦力じゃなくても、これだけは断言できます。

戦う相手、敵は、絶対に夫じゃない。

長々と書きましたが、現在第二子である1歳児を育児中の、働く母である私が言いたいことはただ一つ。

「頑張れ、全国の育児リーダー。負けるな、働く育児リーダー。」

川崎貴子

川崎貴子

ninoya取締役

1997年に人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。経営者歴18年。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女のプロ」の異名を取る。プライベートではベンチャー経営者と結婚するも離婚。8歳年下のダンサーと2008年に再婚。9歳と2歳の娘を持つワーキングマザーでもある。

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