酒と泪と女と女

社内恋愛と秘密を守れない女達

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ヘロヘロさんのブログを読みました。

婚活での反省:社内恋愛 – 5時からサラリーマンの生態はてなブックマーク - 婚活での反省:社内恋愛 - 5時からサラリーマンの生態

社内恋愛は、難しい。

恋を実らせることもそうだが、何よりも大変なのは周囲の目への対応。

 

社内恋愛は本当にリスクがいっぱいですね(笑)

 

私もOL時代、社内恋愛中の同僚女子から、彼氏(他部署のカッコいい先輩)の真実の姿をランチ中に聴かされ、よく「やーねー!」と言ったものです。

 

男性が付き合った相手の事を社内の人にしゃべってしまうのは、自慢から、もしくはのっぴきならない状態になって(別れ話をしたら相手がストーカー化してしまった、など)同僚に本気で相談、というケースが殆どでしょうか?

 

ところが、女性はそうではありません。

 

まるで息を吸うように、彼氏や夫の事は社内だろうと社外だろうと、「これは○○ちゃんにしか言えないけど、」と前置きしてしゃべり倒します。

 

英国の美容化粧品メーカー Simple が3000人の女性を対象に行なった調査によると女性は他人から「絶対秘密だけど・・」と教えられたことを、平均32分しか秘密を守れない結果が出たそうです。

 

たまに、疑獄事件の秘密をたった一人で握ったまま自死する人(政治家とか秘書とか、企業の番頭とか)がいますが、これも女性は皆無ですね。逆に暴露系は多し。

 

うちの娘(9歳)に至っては、「これはおばあちゃんに秘密ね。」と言い聞かせた5分後に、「おばーちゃーん、あのね、ママがね、」と密告。

 

女の口に戸は立てられないのです。

 

突然ですが、外科室という恋愛小説をご存知でしょうか?

 

ある貴族の女性(既婚)が、手術の際に麻酔を拒みます。

「私には秘密がございます。」

麻酔でその秘密を無意識に口走る訳にはいかないから、麻酔無しの手術を希望し、

手術中に死んでいくというお話で、私の中では勝手にホラー小説として分類しています。

 

で、その秘密というのがどんな洒落にならない話なのかと読み進めていくと、その執刀医への恋愛感情だというのだから、奥さん、意味わかります?

 

ま、当時(明治)の時代背景、伯爵夫人と一医者という立場やら何やらがあるにしろ、結果心中のようなものだったというロマンチシズムフィクションだとしてもびっくりなお話です。

 

ただ、死ぬ間際結局、

「あなたは私の事をおわかりになっていない!」

と、事実上の告白。(麻酔すればよかったのに!)

 

こんな不思議な根性を持つ夫人でも、「結局は秘められなかった。」という事実に、最後少しだけ共感して溜飲を下げた覚えがあります。

 

そして、時は平成。

 

現代に生きる生身の女たちは、

「私には秘密がございます。 それはね!」

と、無邪気に話し始めます。

 

何故、女たちは秘密が守れないのか?

 

何故、女たちは、秘め事を秘められないのか?

 

これには、それなりに訳があるのです。

 

① 秘密だと認識していないから

社内恋愛が、会社の人達に内緒であるという事は当然解っています。

 

ただ、職場の仲良しのA子さんとB子さんは、彼女の中では会社の人ではなく、「仲の良い女友達」というカテゴリーなのです。

 

仲の良い女友達同志には暗黙のルールがあって、プライベート(特に彼氏や夫の話)は、開示し合うというのが鉄則。

 

で、A子さんとB子さんにも、それぞれ会社にそんな飲み友達が居たりして、

「私の友達の話なんだけどね・・・。」

と、語ればネズミ算式に増えて行くのがお約束。

 

また、A子さんとB子さんに例え口止めをしても、それぞれの彼氏や夫には絶対にしゃべります。彼氏や夫が社内だった場合、直接口止めをされていない彼らは、

 

重要機密を扱っているという意識の無いまま、社内の飲み会でぺろっとしゃべってしまうことも。秘密はこうやって広まっていくものですね。

 

② ディフェンスを強化しているから

独身の女友達が集えば、

「彼氏が私の事、宇宙一愛してるっていうのよ!」

とのろけ話を聞かされ、全員でどっと笑う(失礼!)というシーンも珍しくありません。

 

そして、次回同じメンバーで集まった時、同じ女友達から、

「この前、宇宙一って言った彼氏、浮気してたから別れたの。」

という話を聞き、そこにいる友人達は彼女を慰めながらも彼女の体験を心に保存します。「宇宙一愛してる!なんていう男は浮気男が多い。」というデータを、全員インプットするのです。

 

太古の昔から、女性達は男性よりコミュニケーションスキルを発達させ、敵から身を守り、メリットになる情報をシェアし続けてきたと言われています。

 

女性達に取って重要な情報を入手できる「恋愛話のシェア」の前に、付き合っている男性のプライバシーなど羽毛の如き軽さなのです。

 

③ 彼氏の問題解決をしてあげたいから

男性は会社の全体を把握して、自分が評価されるにはどうすればいいかを考えます。その為の規律は重んじるし、誰に忠誠を注ぎ、誰に意見を聞くべきか冷静に判断します。

 

しかし、多くの女性の関心毎は、身近な人の幸せ。

 

会社の売り上げが上がれば、同じ部署の同僚や自分の家族が幸せになると思えば力を発揮できる生き物なんです。

 

独身女性に至っては、当然彼氏の幸せが大切。

 

彼氏が薄毛で悩んでいれば、女同士の井戸端会議で「薄毛に効くのはどんな薬?」と議題に挙げてしまうのが女心。

 

彼氏の名前を隠していたとしても、先ずは彼氏の詳細を語らない時点で社内であると当たりをつけられ、そこに「若いのに薄毛」「最近悩んでる」などのキーワードで

 

「ああ、営業3課の○○さんね。」

 

などとプロファイリングされてしまうのです。恐ろしいですね。

 

④ 6千語に届かないから

男性に理解されない女性の特徴の一つで、「とりとめのない会話を女性同士で延々としゃべっている」という状態があります。

 

これは、女性が「ただのおしゃべり好き」という訳ではなく、1日に喋りたい事が脳裏に2万語浮かんでしまうという女性脳の特徴なのです。

 

そのうちの6千語は吐き出さないとストレスが溜まってしまうそうで、しゃべる相手を厳選していたら、一日6千語のノルマは果たせないのです。

 

会社にいる時間が長く、一人暮らしの場合、当然社内の人と軽口を叩きあうということになり、自然と彼氏の話が紛れ、露見してしまうのです。

 

「ストレスが溜まるよりずっと良い事、だって生理現象だから、」

 

みたいに彼氏の話は無情に消費されてゆくのです。

 

⑤ 過去は振り返らないから

男性に比べて女性の方が、別れた後は冷たいのが世の常です。

 

社内恋愛で別れた後に、あんまりな噂(事実)を流されてしまうのは、憎しみより解りやすく、その女性が彼を愛したことをすっぽり忘れるからです。

 

女性は常に、「今愛している人」が世界で一番大切で、過去の男性に未練やロマンを残したりしません。ですから、当然元彼の話をする時は一縷の愛も無く、辛辣になるわけです。

 

結果、男性が、

「そんなことまで言わなくたっていいのに・・・。」

というような事まで、さらーっとランチ時に暴露して、同僚と笑い合ったりしてしまうという訳。ご愁傷さまです。

 

社内恋愛を例にしてみましたが、女性が秘密を抱えるのが至難の業だという事がご理解いただけましたか?

 

当然ですが、男性脳の女性、プロ意識が高過ぎる女性、その会社で役職の高い女性、バレた後のリスクが高すぎる女性(不倫など)はこの限りではありません。

 

しかし、ほとんどの女性にとって「話すこと」は、

抗いがたい「生理であり、正義」なのです。

 

そして、「女の勘が当たる」というのは、偶然でもなんでもなく、膨大な女性達の体験談や観察日記のシェアによって裏付けられているという事がお分かりいただけましたか?

 

独身男性の皆様におかれましては、くれぐれも細心の注意を払った上で、社内恋愛という仁義なきリングに上がっていただきたく。

 

心より健闘をお祈り申し上げます。

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川崎貴子

リントス株式会社代表。経営者歴21年。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女のプロ」の異名を取る。プライベートではベンチャー経営者と結婚するも離婚。8歳年下のダンサーと2008年に再婚。12歳と5歳の娘を持つワーキングマザーでもある。著書に『私たちが仕事をやめてはいけない57の理由』(大和書房)、『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』(ベストセラーズ)、『結婚したい女子のための ハンティング・レッスン』(総合法令出版)、二村ヒトシとの共著に『モテと非モテの境界線 AV監督と女社長の恋愛相談』(講談社)等がある。

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