やさしいWeb集客の話

ことばで伝えられない価値を、ことばで伝えられる会社でありたい

新年明けましておめでとうございます。

今年最初のブログは「インターネットにおけることばの価値」についてです。

 

インターネットは皆さまご存知の通りことばの世界です。そして、検索エンジンは世界をつなぐひとつの大きな百科事典です。そう考えるとある疑問が浮かんできます。それはことばを通じて知らない人に見つけてもらうには、自身が持つノウハウをことばで綴るほかにないことです。

 

SNSや口コミを通じて集めれば良いという意見もあるかもしれません。しかし特別人付き合いが上手でもなく、内にこもりがちな人がそうして自身の存在を広げていけるものでしょうか。疑問が残ります。

 

 

ことばで探せないもの

インターネットには集客しやすい業種と集客しにくい業種があります。

そのひとつがことばでノウハウを語れるか否かです。

 

例えば写真家や画家などのクリエイターはポートフォリオと呼ばれる自身の作品を展示するサイトをつくります。これらは業界の慣例となっており、誰もが当然のものとして用意します。しかし、いくら写真や絵を並べても検索エンジンではそれらは検索されません。なぜなら”ことば”ではないからです。

 

人は美しい夕日の描き方を学ぼうと検索エンジンを使っても、美しい夕日の絵そのものをことばで探すことはありません。かくして優れた夕日をかける画家は自身の絵を広める手段が持てません。

 

消えた店主

僕が学生の頃、近所に美味しいラーメン屋がありました。

店主はたいそう頑固な人間で愛想はありませんが、出される一杯にはこだわりが詰まっていました。いかんせん店主のオペレーションが下手なので近所の人間は器を上げて、台を拭いてといった類のことを自主的に行っていました。それは僕たちにとって替えの効かない場所だったからです。

 

ラーメンブームの折にふれ、いつからか他の街からぞくぞく人が訪れるようになりました。不器用な店主が一見客の大群をさばけるはずもありません。近所の人間も一向に減らない行列に辟易して自然と足が遠のいていました。ネットを見れば店主が冷たく当たったことが容易に想像できるクレームが散見されました。

 

そうしたログが積み重なって何年か後、店主はずっと田舎の小さな街へ店を移しました。

 

2ヶ月も経たず居抜き店舗にチェーンのラーメン店が入りました。接客こそ感じが良いものの、肝心の味は例えようのない凡庸なものでした。

 

ことばの価値

優れたものをつくるひとが優れた言葉を語れるとは限りません。

同じように優れた言葉を綴れるとも限りません。

 

誰もが得意なことと苦手なことがあります。異なるのは得意なことに集中できる環境かどうかだけです。

 

ことばにできないノウハウや、ことばにならない想いは時にひとを強く惹きつけます。一方で私たちは自分が欲しいものをストレートにことばに表せているでしょうか。

 

どれだけ優れたものがあっても、それを見つけて正しく評価するひとがいなければ廃れていってしまいます。他者から承認を得られない仕事をひとは長くは続けられません。

 

ことばにできない価値

情報があふれる世の中で私たちはしばしば分かりやすいものに惹かれます。

しかし、それでは話し上手・ことば上手なひとだけしか生き残れません。分かりやすさだけを追求した先には金太郎飴のようなサービスしか残りません。

 

インターネットの魅力がまだ見ぬひと同士がつながれることにあるのなら、Web集客を語る私たちはどのようなスタンスで仕事にのぞむべきでしょうか。それは伝えられない想いを抱えたひとが、言葉にできない悩みをもったひとに出会うお手伝いであるように思います。

 

写真・絵画・音楽・踊り。これらは等しくことば以上の価値を持ちます。それをことばでしか評価されない環境でいかに伝えていくか。動画マーケティングとか、インフォグラフィックとかそうしたトレンドの用語ではなく、作り手の価値をいかに伝えられる企業であるか。そんなことを考えています。

 

今年もまた多くの出会いが生まれることを祈念して。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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古越 幸太

「もともと何されてたんですか?」→「公務員保育士です」で、初対面の方でも5分は話せるのですが、次に続く鉄板の雑談ネタがないのがここ10年来の悩みです。

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