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【編集者インタビュー】浅井健太郎さん(講談社)「皆を驚かせるインパクトと内容の斬新さを重視している」

書籍づくりの現場ではどのような作業が行われているのか。実際に本を出版した著者と、その担当編集者のインタビューを公開します。企画の経緯から執筆・編集・デザイン・売り方まで、生の声をお届けします。

 

書籍:『偏差値35から公認会計士に受かる記憶術』(講談社+α新書)

偏差値35から公認会計士に受かる記憶術 (講談社+α新書)
碓井 孝介
講談社
売り上げランキング: 101,147

 

編集者:浅井健太郎さん(講談社)

 

 

 

───今回、初めて本書の企画をご覧になったときの感想を教えてください。

企画のテーマ、構成案、著者のプロフィールなど、どんなところにご興味をお持ちになりましたか?

 

浅井健太郎さん(以下、敬称略):偏差値35という成績と、公認会計士試験合格という実績の間のギャップに正直驚き、本当なのか?と疑う気持ちも抱きました。

私のなかでは、公認会計士は難関大学でも成績優秀な人がやっと受かる試験というイメージがありましたから。

 

───碓井さんは今回が初めての出版となり、執筆では章の構成(起承転結など)が難しかったとおっしゃっていました。

浅井さんからはどのようなアドバイスをされたのですか?

 

浅井:私には、アップルシード・エージェンシーから企画書をお預かりした時点で、構成案の完成度は高かった印象があります。

その構成案をもとに、高校1年生の全国模試で偏差値35の成績表を受け取ってから、偏差値60の関西学院大学法学部に現役で入り、公認会計試験合格までの、成績向上のストーリーを丁寧になぞる方向で加筆をお願いしました。

というのは、状況を丁寧に説明しないと、読者の印象でも偏差値35と公認会計士試験合格のギャップが埋まらない恐れがあったためです。

次に、手帳に書けば済むような日程など、メモで書き留められる事柄まで、無理に暗記しなくてもいいのでは、と思ったので、メモができない状況で記憶しなければいけない場合の方法論に重点を置くようお願いしました。

3点目は、同じ話が2つの章に分散したり、同じようなエピソードをくり返す傾向がややあったので、それらをまとめてくださいとお願いしました。

 

───タイトル、書店での売り方などは、どのような工夫をされましたか?

また、この本を告知していくにあたって、どのようなことを実施されていますか?その反響なども併せて教えて下さい。

 

浅井:偏差値35という事実と公認会計士試験合格という事実には大きなギャップがあるので、それをストレートにタイトルに反映させました。

広告は読売新聞などに掲載しました。

その他では、若手ビジネスマン向けの雑誌の書評で取り上げてくれるようお願いしました。

全体には売れ行きがよいため、いまだに大型書店では面陳(棚で表紙を見せて展示)されております。

万人に受けるテーマではないので爆発的というわけではありませんが、ジワジワとロングセラーになると思います。

 

───浅井さんは、普段企画を考える際、どんなことを大事にされていますか?

また、今後手がけてみたいテーマがあれば、教えてください。

 

浅井:これはどの編集者でも意識していることでしょうが、内容の斬新さは重視します。

コロンブスの卵のように皆を驚かせるコンセプト。

あとは世の中の役に立つことですね。

世の中とまで大きく構えなくても、読んだ人の役に立つ企画です。

そういう意味ではアップルシード・エージェンシーで手がけられた大津秀一さんの『死ぬときに後悔すること25』(致知出版社)の企画は理想であり、目標でもあります。

 

───最近読まれた本のなかで、参考になった、タイトルやつくりも含めて、影響を受けた本があれば教えてください。

 

浅井:孫崎享さんという元外交官が書かれた『日本の国境問題』(ちくま新書)は参考になりました。

尖閣諸島では、日本の領有は歴史的事実と政府は言っていますが、日清戦争以前の文献では、中国側に領有の認識があったことや、日本が台湾を植民地にしていた時代、尖閣諸島を沖縄県ではなく台湾州の管轄であることを日本の裁判所が認定しているなど、台湾の一部という中国側の主張にも一定の理はあることが書かれてあります。

なぜ、尖閣諸島の問題で中国人があんなに怒るのか、日本ももっと冷静に検証すべきだと思いました。

 

───「一緒に本をつくってみたい」と思う著者はどんな人物ですか?

また、逆に、「こんな著者とは一緒につくりたくない」と思うのは、どんな人物ですか?

 

浅井:オリジナリティのある方、本業の実績のある方と本を作りたいですね。

逆に、一緒につくりたくない著者は業績を誇張する人ですね。

以前、これまで2万人の指導に当たってきたという触れ込みで、あるコンサルタントから企画の持ち込みがあったのですが、会社所在地を検索すると1畳か2畳くらいのネットカフェの個室のようなレンタルオフィスでした。

そんなに指導実績があるのなら、なぜビルやマンションの1室も借りられないのかという疑問が生じて、頓挫したことがあります。

 

───本作りにエージェントが関わることのメリットにはどのようなことがあると思われますか?

 

浅井:著者にとっては、どの会社のどの編集者に企画を持ち込めば刊行のチャンスが増えるか、売ってくれるかについて最適な指導をしてくれ、なおかつ構成案を一緒に考えてくれることかと思います。

編集者にとっては、売れる企画を探すのは砂金を探すほど難しいので、エージェントの知恵とネットワークは本当に助かります。

 

───最後になりますが、ビジネス書作家を目指す読者のみなさまに、メッセージをお願いします。

 

浅井:テーマを決めたら、アイデアを具体的に書きためることでしょうね。

それで書店で似た分野の本を探して、自身のアイデアに競争力があるかどうか、自分の目、次に第三者の目でチェックしてもらうといいのではないでしょうか。

 

───浅井さん、どうもありがとうございました!

 

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くわしくは企画原稿検討の要項をご覧ください。検討させていただきます。

ご意見・ご感想は(info@appleseed.co.jp)までお願いいたします。

鬼塚忠

鬼塚忠

アップルシード・エージェンシー代表。大学在学中に英国留学し、卒業後は働きながら、4年間で世界40か国を巡る。帰国後、海外の本を日本に紹介する仕事を経て、独立。「作家のエージェント」として、多くの才能を発掘している。自身でも小説を執筆し、著書に『Little DJ』『カルテット!』『花いくさ』『風の色』等がある。

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