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【著者インタビュー】天野暢子さん「”NO”と言われないために必要なのは、相手の立場に立つ想像力。秒速でYESを引き出すプレゼンの秘訣とは?」

書籍づくりの現場ではどのような作業が行われているのか。実際に本を出版した著者と、その担当編集者のインタビューを公開します。企画の経緯から執筆・編集・デザイン・売り方まで、生の声をお届けします。

 

書籍:『「プレゼン&資料作成」のプロが明かす! 3秒でOKがもらえる「伝え方」の基本』(大和出版)

 

著者:天野 暢子(あまの のぶこ)さん

イー・プレゼン代表。
広告代理店、スキー場コンサルティング会社、ゲームメーカー広報などを経て、2006年にプレゼンテーションを中心としたコンサルタント「プレゼン・コンシェルジュ」として独立。広島修道大学非常勤講師(プレゼンテーション論)。
「広告代理店」「メディア」「広告主」での、「提案する側」「選ぶ側」両方の豊富な体験から、プレゼン資料、企画書、プレスリリース、広告コピー、記事等、用途に応じた資料を作り分ける。テレビのニュース番組の校閲にも長年関わってきたため、テレビにおける一瞬での見せ方、伝え方等の演出手法をプレゼンに応用している。ひと言も説明せず資料だけで通した実績多数。
著書『図解 話さず決める!プレゼン』(ダイヤモンド社)は台湾、韓国、中国で翻訳。ほかに『プレゼンは資料作りで決まる! 』『プレゼンの勝つテクニック』(以上、実業之日本社)『テレビに学ぶ 中学生にもわかるように伝える技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

 

 

───本書は「伝え方の基本」ということですが、「プレゼン&資料作成のプロ」である天野さんがお考えになる、相手にOKをもらい、YESを引き出すためにもっとも大切なことはどのようなことでしょうか?

 

天野暢子さん(以下、敬称略):本書のタイトルにも入っていますが、「好き・嫌い」「いい・悪い」と人が直感するのに、実は3秒もかかりません。それは「第一印象」と呼ばれるものに近いのかもしれません。

その一瞬をプレゼンテーションだと認識していない方がたくさんいらっしゃいます。けれども、本人が伝えようとしていないときでさえ、相手には「3秒で伝わってしまっている」のです。

その3秒で「好き」とか「いい」と思ってもらうためには、相手のことを考えた事前準備が欠かせません。相手はどのような方で、何をしてもらうとうれしいのだろうか。まずはこれを調べて、知って、それを提供する。相手にとってうれしいことができたとき、相手は思わず「YES」を出してくれます。

 

───本書の中で「プレゼン力は一生役立つスキル」と表現されていました。

改めて、ビジネスパーソンがプレゼンスキルを習得することで得られるメリットを教えてください。

 

天野:「プレゼンテーション」という言葉を聞いたとき、ステージ上のスクリーンにスライドを映して、かっこよくスピーチする場面をイメージされる人がたくさんいます。

もちろん、それも「プレゼン」なのですが、すべての人はプレゼンをしながらビジネスを進めています。

私はプレゼンを「自分の目標のために、相手の心を動かし、行動に導くこと」と定義しました。

けれども、ここで言う目標とは、「億単位の新規顧客を獲得する」とか「100人の前で製品プロモーションを行う」といった大がかりなものだけではありません。

「報告があるので上司と5分だけ話がしたい」「来月の支店忘年会は福利厚生費から予算を出してもらいたい」といった身近で小さなことも目標になります。すべて、誰かに働きかけて相手を動かすからです。そのような場面でも、プレゼンや伝え方のスキルは大いに役立ちます。

 

───プレゼンに慣れていない人の中には、本番で緊張してしまう人も少なくないかと思います。

そのような人は、本書に書かれているどのようなことを意識すればよいのでしょうか?

 

天野:「人前であがらなくなる飲み薬」があれば、私も買って飲みたいくらいなのですが、残念ながら特効薬はありません。本番で緊張する人はたくさんいますが、その原因は練習(リハーサル)をしていないからです。緊張する人やあがる人に、「あなたは本番までにどれだけ練習しましたか?」と尋ねると、「全くしていない」と答える方がほとんどなのです。

プロのアナウンサーでさえ、本番前に必ず1回はリハーサルをしています。ましてやプロではない人が1度も練習しないとなれば、誰でも緊張します。本書で図解とともに紹介していますが、リハーサルの回数とプレゼンの成功率は完全に比例します。

普段人前で話す機会がない人は、リハーサルで本番に近い状況を作るとよいでしょう。本番の相手が1人なら1人、聞き手が10人なら10人の方に協力してもらうのです。協力者は同僚や友人、家族でも構いません。恥ずかしいかもしれませんが、本番で恥をかくよりもいいと思いませんか。

 

───本書には、主張をやみくもに伝えるのではなく、相手の気持ちを汲み取りながら重要ポイントを伝えるコツが網羅されています。

本書はとくに、どのような方に読んでほしいですか?

 

天野:“いくら営業しても商談が決まらない、時間を費やしたプレゼンが通らない…なぜ?”と悔しい思いをしているような方です。

我流で動き回ったとしても、それが相手の気分を害していたり、そもそも条件をクリアしていなかったりすることもあります。

本書では、”我流のどこかダメだったのか”に気づくヒントも紹介しています。おそらく、”自分の伝えたいことばかり考えて、相手のことをまったく考えていなかったこと”に気づかれるのではないでしょうか。その視点を持てれば、今後の伝え方が根本から変わっていくはずです。

 

───今回のご執筆にあたって、苦労された点や難しかったことはどのようなことですか?

 

天野:時代とともに変わる部分と変わらない部分を見つけること、また「伝えることの本質」を表現することに苦労しました。

書き始めた当初のテーマは「一生使えるプレゼンの基本」です。まずは、自分が10代の大学生の頃から現在の50代に至るまでを振り返り、変遷した部分と変わらない部分を洗い出しました。「変わらない部分こそが、新入社員でも経営層でも一生使えるポイントだ」と考えて紹介しています。

変わった部分は「ツール」の部分でしょう。わずか20年前までは、パソコンなどのツールは一般的ではなく、PowerPointのようなプレゼン専門ソフトもありません。ITツールが出現して私自身も便利になりましたし、かっこよい見せ方も実現できるようになりました。けれども、これらはツールの一つですから、「伝える」「相手を行動に導く」ための本質ではありません。

 

───本書の発売後、周囲やネット上などで、どのような反響がありましたか? 印象に残った感想や意見などがあれば教えてください。

 

天野:何人かの読者の方からは「3秒でOKがもらえるって本当なの?」と聞かれました。「ええ、OKをもらえますよ」と私は即答するのですが、厳密に言えば少し違うかもしれません。プレゼンターが登壇後、「1・2・3」と数えたら相手が「OK」と声をかけてくださるわけではなく、その時間の間に「YESか、NOか」は相手の心の中で決まってしまっていることを意味します。

YESの判断は、もう少し時間がかかるかもしれませんが、NOであれば秒速で決まります。「YESをもらうことはNOではないこと」でもあるので、NOを退ける戦略を考えることがとても大切なのです。

 

───天野さんは、プレゼンに関する書籍をすでに何冊もご執筆されています。それらのご著書と本書との違いについて、コンセプトや読書ターゲットなどの点から教えてください。

 

天野:これまでは、上級テクニックを中心として書いてきました。「そういえば、基本スキルの本をまだ書いていないな」と思い至り、本書では基本を伝えることに徹しています。

タイトルに「プレゼン」の言葉が入ると「PowerPointのスライドを使う」といったイメージを持たれやすいため、「プレゼン」ではなく「伝え方」という言葉を選んでいます。

 

───最後になりますが、ビジネス書作家を目指すメルマガ読者のみなさまに、メッセージをお願いします。

 

天野:知人にも「本を出したい」と言う方がたくさんいて、よく相談を受けています。私なりに助言はするのですが、しばらくして「執筆は進んでいますか?」と水を向けると、「書くのをやめた」などの言葉が返ってくることもあります。「え、あなたの思いって、その程度だったの?」と残念でなりません。

出版社に企画を出しても、ボツになることが何十回と続くかもしれません。けれども、最後まで諦めない人が本を出せるのだと思います。決して片手間でできる仕事ではないので、それなりの覚悟が必要です。頑張って書き続けてください。私も応援しています。

そして、ぜひアップルシード・エージェンシーの仲間に加わってくださいね。

 

───天野さん、お忙しいところありがとうございました!

 

ブログをお読みの皆さんで、本にしたら絶対売れる!!という企画・原稿をお持ちでしたら、弊社あてにご応募ください。

くわしくは企画原稿検討の要項をご覧ください。検討させていただきます。

ご意見・ご感想は(info@appleseed.co.jp)までお願いいたします。

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鬼塚忠

アップルシード・エージェンシー代表。大学在学中に英国留学し、卒業後は働きながら、4年間で世界40か国を巡る。帰国後、海外の本を日本に紹介する仕事を経て、独立。「作家のエージェント」として、多くの才能を発掘している。自身でも小説を執筆し、著書に『Little DJ』『カルテット!』『花いくさ』『風の色』等がある。

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