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【編集者インタビュー】亀井史夫さん(KADOKAWA)「誠実な努力と工夫の積み重ねで日本一になった、いち営業マンの等身大ストーリー」

書籍づくりの現場ではどのような作業が行われているのか。実際に本を出版した著者と、その担当編集者のインタビューを公開します。企画の経緯から執筆・編集・デザイン・売り方まで、生の声をお届けします。

 

書籍:農業大卒の僕が29歳で年間170戸のマンションを売って日本一の営業マンになった秘密の方法

営業の世界は数字がすべて。学生時代にエリートではなかった僕にも大逆転のチャンスがある。入社1、2年目は1戸も売れなかった月もある。でも僕は試行錯誤しながら、ついに年間170戸の販売を達成!やり方とやる気しだいで日本一になれるのです。
電話営業も飛び込み営業も一切なし。その秘密は「売れる仕組み」!?全国1,100名以上の投資用中古マンション営業マンの中でトップの成績をとった著者が明かす、結果を出すための営業バイブルです。

編集者:亀井史夫さん(KADOKAWA)

 

 

 

───本書は著者・天田浩平さんの初めての著作です。あらためて、天田さんのビジネス書作家としての魅力を教えてください。

 

亀井史夫さん(以下、敬称略):やはり、なんといっても圧倒的な実績ですね。マンションを年間170戸も売るなんて常識では考えられません。車だって、2日に1台売ろうと思ったら大変だと思います。

「いったいどうやったらそんなにたくさん売れるんだろう?」「秘密の仕組みがあるなら教えて欲しい!」。そう思わせるような圧倒的な数字の持ち主は、ビジネス書作家になる資格があると思います。

 

───「営業」に関する本はたくさん出版されていますが、本書は類書とどのような点で違いがあると思われますか?

 

亀井:いっぱい出ていて競争が激しいジャンルですよね。

本書は、決してエリートとは言えない学生だった天田さんが、誠実な努力と工夫を積み重ねることによって成功できたという、等身大のストーリーであることに魅力があると思います。

 

───また、タイトルや構成、表紙のデザインなど、類書と差別化するために工夫された点を教えてください。

 

亀井:あえて天田さんの実績を示す言葉をすべて使い、長いタイトルにしてみました。

農業大という、金融には縁の薄そうな天田さんの出自もギャップがあっていいと思います。打ち合わせのときに「電話営業も飛び込み営業もしていない」ということを聞いて、余計に「じゃあどんな方法で?」と知りたくなったので、そのフレーズをそのまま帯に使っています。

 

───本書では、天田さんの電話営業、飛び込み営業一切なしで日本一の営業実績をあげる、秘密の方法を多数紹介されています。

亀井さんは編集職でいらっしゃいますが、天田さんの営業ノウハウで「これは使える!」と思われたものを1つ挙げていただけますか?

 

亀井:自分の過去の顧客をずらっと紙に書き出してみて、最重点顧客リストをアップデートする時間を定期的に設ける。いわゆる自分の人脈の棚卸しみたいな作業ですが、これは意外とできていない人が多いと思います。

僕の場合は、著者や企画の棚卸し作業になりますが、やってみると即効性があるのでおすすめです。

日常業務に追われて見落としていることって意外に多い。自分の頭を整理する時間は重要です。

 

───本書はどのような方に読んでもらいたいと思われますか?

 

亀井:特に読んでもらいたいのは、若いビジネスマンですね。

天田さんの仕事に対する姿勢や考え方は尊敬できる部分がたくさんあります。

本書の肝は、「お客さんがお客さんを連れてくる仕組みを作る」ということですが、これは日々の人との接し方がすごく大切で、簡単にできることではありません。

天田さんは最初からそれを目論んでいたわけではなくて、誠実にお客さまのためを思って行動していたら、いつしかそういう仕組みができていた。損得勘定ではなく、生き方の問題なんです。

 

───前回、天田さんにインタビューした際、読者の方から投資用マンションについての問い合わせがあり、成約に至ったと伺って驚きました。

天田さんのように、会社員として働く方がビジネス書を出版されるメリットについて、亀井さんはどのようにお考えになりますか?

 

亀井:自分の実績や考え方を知ってもらう“立派な名刺”になりますよね。それによって間違いなく信用は高くなるし、新しい人脈やビジネスにつながる可能性は高い。

将来的に独立も視野に入れている人なら、ぜひ本を出すべきでしょう。

 

───本書の制作にあたって、何か苦労されたことはありますか?

 

亀井:あとで知ったことですが、天田さんのお父様が翻訳のプロということで、文章にはこだわりがあり、「日本語としておかしいところがある」と第1稿を見てダメ出しをされたとか。たしかに第1稿は粗削りなものだったのですが、丁寧につくらなきゃいけないなという気持ちになりました。

 

───普段企画を考える際、どんなことを大事にされていますか?

また、今後手がけてみたいテーマがあれば、教えてください。

 

亀井:「おもしろそう」というファーストインプレッションがあって、これは「きっと売れる」と客観的に分析できたときに着手します。まあ、外すことも多いんですが……(苦笑)。

今後やってみたいのは、ビジネス書ではないのですが、誰が読んでも号泣してしまうような運命の実話! そんな話は年中募集中です。

 

───「一緒に本をつくってみたい」と思う著者はどんな人物ですか?

逆に「こんな著者とは一緒につくりたくない」と思うのは、どんな人物ですか?

 

亀井:やはり、「この人すげえ!」と心から尊敬できる部分のある人の本は作ってみたい。でもこだわりが強すぎて、聞く耳を持たず、どんどん売れない方向に行ってしまう人は遠慮したいですね。

 

───本作りにエージェントが関わることのメリットにはどのようなことがあると思われますか?

 

亀井:ネタ探しはいつもしていますが、一人の編集者の人脈なんてたかだか知れています。

エージェントは埋もれているダイヤの原石を探し出して紹介してくれる貴重な存在です。

 

───最後に、ビジネス書作家を目指すメルマガ読者のみなさまにメッセージをお願いします。

 

亀井:ビジネス書作家になりたいなら、どんな分野にせよ、圧倒的なナンバー1になることです。

圧倒的なナンバー1になるには、いろいろ無茶もやらなきゃならないだろうし、するとそれが伝説となって業界に広がり、必ずどこかで編集者の耳に入ります。そうなると、嫌でも本を出してくれというオファーがきます。

ナンバー1が無理なら、オンリー1でもいい。

「こんな経験誰もしたことがないだろう」というネタは、いい話にせよ、悪い話にせよ、興味を引くものですから。

 

───亀井さん、ありがとうございました!

 

ブログをお読みの皆さんで、本にしたら絶対売れる!!という企画・原稿をお持ちでしたら、弊社あてにご応募ください。

くわしくは企画原稿検討の要項をご覧ください。検討させていただきます。

ご意見・ご感想は(info@appleseed.co.jp)までお願いいたします。

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鬼塚忠

アップルシード・エージェンシー代表。大学在学中に英国留学し、卒業後は働きながら、4年間で世界40か国を巡る。帰国後、海外の本を日本に紹介する仕事を経て、独立。「作家のエージェント」として、多くの才能を発掘している。自身でも小説を執筆し、著書に『Little DJ』『カルテット!』『花いくさ』『風の色』等がある。

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