インターネットを巡る旅

「サードウェーブ系男子」が話題だけど、そもそも「サードウェーブ」って?

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こちらの記事を発端として、一部で「サードウェーブ系男子」が話題になっておりました。読んでみると「サードウェーブ系男子」とは、『週刊文春』のコラム中で漫画家の辛酸なめ子さんが用いた表現のようです。

 

ぶっちゃけてしまえば、もはや辟易するくらいに繰り返された「○○系男子」という表現の亜種でしかなく、ひとり歩きして終わってしまう単語であるような気もします。が、現時点で語られている「サードウェーブ系男子」とは、いったいどのような存在なのでしょう。

 

そもそも「サードウェーブ」って?

時折耳にする「サードウェーブ」という言葉。ですが、そもそもこれはどういった場面で使われている表現なのでしょうか。きっかけは、数年前からアメリカのコーヒー文化でトレンドとなっていたらしい「サードウェーブ・コーヒー」の存在です。

 

最近、ちまたでよく耳にするのが「サードウェーブ・コーヒー」という言葉。雑誌などで特集されているのをよく目にしますが、そのうち本格的なブームが来そうな予感です。  サードウェーブ・コーヒーとは、アメリカのコーヒー文化「第3次」ムーブメントのことです。アメリカのコーヒー文化の影響を受けやすい日本にとっては、この「第3の波」が日本にまで押し寄せてくるのは時間の問題ではないでしょうか。

豆の”質”に、とことんこだわりたい。「サードウェーブ・コーヒー」が珈琲好きにオススメな理由

 

大量生産&大量消費が基本の1970年代までをファーストウェーブ、質の良い多種多彩なコーヒーをスターバックスに代表されるチェーン店で提供するようになったのが、セカンドウェーブ。

 

そして、マニュアル化された大手チェーンへの対抗馬として2000年以降から広まっているのが、この「サードウェーブ・コーヒー」だそうです。上の記事では、“ハンドドリップで一杯ずつを丁寧に淹れていくスタイルで、地域密着型の店作り”であることを特徴として挙げていますね。

 

同じ格好でブルーボトルに飛びつく「サードウェーブ系男子」

そんな「サードウェーブ・コーヒー」のアメリカ代表として最近日本に上陸し話題となったのが、ブルーボトルコーヒー。「個人の香りがするコーヒーチェーン」をコンセプトに米国内で店舗を展開、話題となっており、2015年には清澄白河に日本1号店、青山に2号店をオープンしています。このブルーボトルコーヒーの開店時には数時間待ちという長蛇の列ができ、各メディアでも話題となりました。

 

で、ここで冒頭の記事に戻りますが、筆者曰く「そこの並んでいる男性が一様に似たような格好をしていた」「考えてみれば、こういう男子ってちょっとオシャレなカフェでよく見かけるよね」という感想を持ったそうです。

 

なんか男子がみな同じような印象なの。みんなリュック背負ってて。それと、ヒゲとメガネ。これ、『週刊文春』のコラムで辛酸なめ子が指摘していてヒザを打ったんだけど「サードウェーブ系男子」ってネーミングがまさに的を射てる。ちなみに、その定義はキャップにヒゲ、メガネにニューバランスだって。

【第61回】ネタ化される「上質な暮らし」と盲信する「サードウェーブ系男子」

 

その上で、次のようにも。

 

見た目ではなく思想にお金をかけるのは、やっぱり上流志向の人たちの考え方で。それが近年は服からライフスタイルにまで及ぶようになり、その一端としてサードウェーブコーヒーがある。

 

こうして見ると、単に「ファッション」という外見のトレンドに限らず、どこにお金をかけるか、何を消費するかという観点まで含めて一部で画一化している傾向を、「サードウェーブ系」と呼んでいる印象になります。

 

「コーヒー」を飲むにしても、見るべきポイントは味や金額ではない。その作り手が込めたコンセプトであり、あるいは店舗に息づくカルチャーといった付加価値をむしろ重視している、と。そのように表現することもできるのではないでしょうか。

 

「文化」や「思想」を重宝する、ということ

冒頭の記事を読むと、最近のトレンドとして示された「サードウェーブ系男子」の存在を興味深い対象として分析しつつ、その有り様をどこか皮肉っぽく話しているような印象も受けます。

 

しかし、たとえ彼らが似たような格好で同じような消費活動を行なっているとしても、そこに込められた「文化」や「思想」を少しでも意識し、重要視しているのならば、それは決して悪いものではないように思います。

 

実際のところは「話題になっているから」という理由も少なからずあるのでしょう。ですが、「有名人がオススメしていたから」というある種の権威に従属した形、あるいは「周りの人がみんなそうしているから」という思考停止的な便乗による形の消費よりかは有意義な、自らも納得・満足しやすい消費活動と言えるのではないでしょうか。

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けいろー

フリーライター。ネットカルチャーと共に育ってきたゆとり世代。執筆実績として『HATSUNE MIKU EXPO 2016 Japan Tour』公式パンフレット等。

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