インターネットを巡る旅

地方で自由に働く!「旅するオフィス」を持つ企業と個人

新興のIT企業などの会社情報を見ると、思わぬところに本社や支社があって驚くことがあります。

 

一般的に名の通った企業であれば、本社所在地は「東京」あるいは「大阪」というイメージが強い昨今。特に渋谷近辺には数多くのスタートアップ、ベンチャー企業もひしめき合っているという話。――にも関わらず、あえて「地方」にオフィスを構えるのはなぜなのでしょう?

 

地方に本社所在地のある企業や、県内を旅しながら働く会社、あるいは個人など、都会の「外」で活躍する人たちをまとめてみました。

 

株式会社IREMONO

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株式会社IREMONO (イレモノ) – 好きを、大切に。

 

クリエイター向けの情報を発信するメディア「creive」や、本の一行目から本を探せるという一風変わったサービス「kakidashi」を運営している、株式会社IREMONO。

 

2015年4月に創業したばかりですが、その本社所在地は長野県。しかもなんと、八ヶ岳の麓。Googleマップで見ると「山ァ!」としかツッコめないような場所で、近くにはゴルフコースやスキー場、温泉もあるようです。

 

代表取締役・ぴょん ゆみょんさんに対する2013年のインタビューによれば、フィリピンへ語学留学に訪れた際に最北端のきれいな安宿でもWi-Fiが使えて仕事ができるという原体験があるそうな。

 

当時から持っていた、「好きなモノを、好きなヒトと、好きなバショで創る」という夢を叶えるべく創業したというIREMONO。今後の展望が気になります。

 

株式会社カヤック

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面白法人カヤック

 

“日本的面白コンテンツ事業”を多岐にわたって展開している、おなじみの面白法人カヤック。

 

その本社が鎌倉にあることを知っている方も多いかと思われますが、そのワークスタイル制度のひとつに「旅する支社」という試みがあります。「ネットがあれば仕事はどこでもできる!」ので、国内外を問わず一時的に事務所を借り、臨時オフィスとして複数人の社員で運営する制度です。

 

過去には、伊豆、京都、仙台、ベトナム、イタリアに「支社」を設立し、制作に励んでいた様子。「24時間遊び24時間働く」を体現するカヤックならではの取り組みとして、他の企業からも注目されている制度です。

 

株式会社トラパンツ

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株式会社トラパンツ

 

秋田県秋田市に本社、岩手市にも支社を構えるWeb制作プロダクション。ホームページのデザインやシステム管理にとどまらず、映像制作にイベント企画など多彩な事業を展開しています。

 

そんなトラパンツが東日本大震災に際して実行したのが、秋田県内のホテルに部屋を借りて、仮オフィスとしてそちらで仕事をするという企画「旅するオフィス」。震災によって打撃を受けた観光業を支援しつつ、勤務時間外には温泉やレジャーを楽しもうという一石二鳥計画ですね。

 

秋田県内のローカルワイドニュースなどでも取り上げられ、働きながら被災地を支援し、さらには社員のモチベーションともするこの活動は、一部で注目を浴びていたようです。

 

地方に移住したプロブロガーと、PC1台で旅を仕事にする旅行者

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まだ東京で消耗してるの?

 

ちょっと方向性は異なりますが、都心部を出て「個人」で稼ぎ生活しているお二人もご紹介。

 

まずはおなじみ(?)、イケダハヤトさん。主にブログの広告収入などで生計を立てる「プロブロガー」を名乗りネット上で活動していましたが、2014年に家族で高知県に移住。1年が経った現在、県内の山間部へと居住地を移し、このまま仙人になるんじゃないかという勢いです。

 

イケダさんはブログで月々の収入を記録していますが、それによれば、大きな割合を占めるのはアフィリエイトとオンラインサロン。他にも講演料や原稿料の項目もあり、「ブログ」を基幹として多岐に活動しているような格好となっています。

 

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阪口裕樹 – パワートラベラー

 

もう一人は、阪口裕樹さん。パソコン1台で旅をしながら資金を稼ぐ、「パワートラベラー」というライフスタイルを実践しています。収入源は主にウェブ制作。前述のカヤックの「旅する支社」ともどこか似ていますが、「個人」という身軽さゆえにどこへでも飛び回れているようです。

 

いわゆる「ノマド」と異なる点として、阪口さんは「まず旅があり、旅をしながら広がっていくような仕事」をして「パワートラベラー」と指しています。旅の中で人脈やアイデアを得て、それを別のビジネスにつなげていく、と。生活そのものが「旅」となっているため、文字どおり“パワー”なくしては取り組めないライフスタイルですね。

 

まとめ

ここでご紹介した企業・個人に共通するのは、言うまでもなく「基本的にはパソコンさえあれば仕事ができる」という点にあります。ウェブ制作はもちろんのこと、広い意味での「ネット」を「職場」としているような人も。現実の空間に制約を設けることなく、「自分の好きな場所で働ける」というメリットがあります。

 

とは言え、都会にオフィスを構えることのメリットも捨てがたい。営業や会議をするにも、都心であればすぐに人と会うことができますし、目ぼしいイベントがあるのはだいたいが都心部。ネット上でもやり取りはできると言っても、やはり「距離」は不便さを意識させられるものです。

 

しかし、そういった部分が気にならない人・問題のない事業内容であるならば、なにも「都会」に縛られる必要はないのかもしれません。大切なのは、効率的かつのびのびと働くことのできる仕事環境だと言えるのではないでしょうか。

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けいろー

フリーライター。ネットカルチャーと共に育ってきたゆとり世代。執筆実績として『HATSUNE MIKU EXPO 2016 Japan Tour』公式パンフレット等。

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