人事として仕事をしている方も人事ではない方も、1回でも面接をしたことがあるなら、転職希望者が言う転職理由に、「それって本当?」と思ったことがあるのはないでしょうか。今回は人事の方はもちろん、面接に携わる方まで広く参考にしていただける話にしたいと思います。
応募者自身も自分の転職理由はわからない!?
今やインターネットで見ない日はない転職サイトの広告や、ちまたにあふれる転職アドバイスによると、転職理由はネガティブ面と同時に、それ以上に転職によって解決できるというポジティブな理由とともにアピールするようにと言われています。
確かに、ネガティブな面だけ話をされても困りますが、必要以上に作りこまれた転職理由は候補者の真意が見えづらく、目の前の候補者がなぜ転職したいのかが分かりづらい場面に遭遇します。
また、社会人経験を積んだ候補者ならともかく、第二新卒~20代後半ぐらいだと、転職理由が自分で腹落ちしていないがために面接でボロが出てくるケースや、「本当にそう思っている?」と思わず聞いてしまいたくなるようなこともあります。
これまでに遭遇した珍転職理由
さて、わたしもこれまでいくつか面接官を経験してきて、いくつかの不思議な転職理由に遭遇したことがあります。
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コミュニケーション能力を高めたい。
若い転職希望者に多い、よくある転職理由です。ちなみに、この質問への深堀りでコミュニケーション能力を高めて、何をしたいのですか?と質問しても、的を射た答えを返してくれる方はほぼいないと思います。
こういう方には、こちらからいくつか聞き方を変えた同じような質問をしてみて、「こういうことを希望しているのでは?」仮説を立てながら話を進めていき、人物面への理解を深めていく方法を取っています。
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転職エージェントに進められたので。
このままストレートに答える方はさすがにいないですが、同じような理由で転職サイトのスカウトメールを貰ったので、という理由はちらほら聞きます。
もちろん、中には今困っていることを転職することで、どう改善できるかをきちんと説明頂ける方もいらっしゃいますが、全体的に転職理由を面接側が納得できように話せる方は少ない印象です。
転職理由を聞くより大切なこととは?
では、面接の1時間という短い時間でどうやって応募者のことを理解していけばいいのでしょうか。
私自身が面接官として心掛けていることはただひとつ、応募者に『共感』することです。
応募者にとって話しやすい状況つくり、本心を話してもらえることを常に意識しています。
例えば、緊張している応募者には、
「面接って緊張しますよね。実は私も緊張しています」と場を和ませたり、
出身地が近ければ地元トークをはさんだり、自分の入社とこれまでの経緯を話したりと応募者に合わせてテーマを変え、共感を得るポイント探します。
面接で何を聞いたら良いか分からないと思っている方には、応募者に「共感」してみてください。これまで聞けなかった話が聞けるかもしれません。
面接といっても、人と人とのコミュニケーションには変わりありません。ぜひ、いろいろと試して良い採用につなげてくださいね。
それではまた、次の記事でお会いしましょう!