人事担当者は、担当している業務によりますが社内外でも人との関わりが広い職種です。触れ合うひとも学生から経営陣まで、さらに説明会・面接・各種面談と1対1から1対多数まで、様々な立場のひとに会う人事担当者にとっての「お客様」について考えてみます。
お客様の種類は大きく分けて3種類
さて、人事担当者といえば会社の看板そのものを販売している営業マンに近いので、出会う人全てがお客様であるといっても過言ではありません。その中でも、大きくわけると3種類のお客様が存在します。
1.自社への就職・転職希望者
これは、いわずもがなですね。ましてや新卒採用で会う学生は、採用で縁がなくても将来的に自社のサービスを使ってくれるかもしれない見込み客になります。自社で採用の可能性がないからといって、無下な扱いは厳禁です。ただ、圧迫面接やサイレントお祈りという言葉が出てくるくらい、そういう意識のない企業や担当者がいることも事実です。
2.採用活動のための他社営業マン
これは、求人広告や人材紹介会社の営業マンのことを指します。本来はこちらがお支払いをしているのでお客様の立場ですが、求人広告には、自社の魅力をふんだんに書いてもらう必要がありますし、人材紹介会社に頼むときには、営業マンの優先順位順に紹介数が決まってきます。
なるべく自社を優先して紹介してもらうには、営業マンとこまめなコミュニケーションをとり、お互いに調整を図る必要があるでしょう。
お客様というより、パートナーといった方が近いでしょうか。どちらにしろ、彼らの協力なしでは満足な採用活動はできません。
3.自社内の従業員
これは、人事を含むバックオフィスが間接部門だから、ということではありません。人事は、社内のメンバーがお客様だという発想をもって仕事に取り組んだ方が、何倍もの成果がでます。その理由を次の項目で書いていきます。
人事の重要クライアントは社内にあり
なぜ、自社の従業員が人事担当者のクライアントになるのか、分かりやすく採用活動で考えてみます。採用活動は社内の協力がないと、圧倒的に不利な業務です。
例えば、会社説明会の助っ人・面接官の依頼・内定者懇親会のゲスト参加・入社時の導入研修の講師など、どれをとっても人事担当者だけで完結できる業務ではありません。
社内メンバーの業務時間を割いてもらい、時には自分より年齢や職位が高い人にも協力を仰ぐ機会は多々あります。
そこに感謝こそすれ、「全然協力してくれない!」と言っている場合ではありません。社内メンバーを気持ちよく巻き込んでこそ、人事担当としての腕の見せ所ではないでしょうか。
仕事の成果は誰かの役に立ててこそ表れるものです。まずは身近な社内から頼られ、信頼されることがその第一歩となります。
必要以上に気を遣う必要はまったくありませんが、社内で働く多くのメンバーがいてこそ、私たちが「人事」という仕事を任されていることを忘れないようにしたいものです。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!