経営者の親は、しばしば経営者であるらしい。
世の中には経営者の遺伝子なるものがあるのだろうか。
父は経営者だ。
農家を束ねる団体を束ねる悪の枢軸みたいに言われる組織の。
叔父も経営者だ。
年に一度超な会議を開く動画の会社の役員をしている。
曽祖父も経営者だ。
土地とか、金物を集めて、よろず稼業をしていたそうだ。
でも、不思議なことにみんな苦手だった。周りにいる母親やおばあちゃんがよく泣いていたから。
借りたお金を返すとか返さないとか、風が吹いたから桶屋が儲かるだとかそんな話。だから、僕は保育士になった。そんなあれこれの向こう側に行きたくて。
曰く、経営者が身近にいるとチャレンジへの躊躇いが減るらしい。いわんや起業へのハードルも。
どうなんだろう。父はサラリーマン経営者だし、叔父や曽祖父が商いを起こす姿を僕が目にしたわけでもない。
ただ、僕がこの道を進むことで、彼らが僕を誇りに思うなら。
「そうそう経営者の遺伝子ってやつじゃん?」って、酒の肴にでもなろう。