三味線ガールは海を渡る

海を渡って寿司職人になった三味線ガール

こんにちは!鬼龍院花枝です。

前回は私の大切な経歴である「アメリカのディズニーでの就労体験」(CRプログラム)にたどり着くまでのお話でした。

今回はCRプログラムの中にはどのような職種があり、配属分けが決まっていくのか…?をお話しします。

 

 

英語が喋れないとアメリカのディズニーで働けない?

アメリカのディズニーで働いていた…と言うと、必ず受ける質問がこちら。

「アメリカ?ディズニーで働く?!英語が喋れないと働けませんよね?」

それは当たらずも遠からず!確かに簡単な意思疎通ができる程度の英語が喋れないと、このディズニー就労プログラムには合格できません。

ですが…これは以外と知られていない事実ですが、実はディズニーの中でも職種によって使う英語のレベルは変わってきます。

 

エプコットのラグーン側から見た日本館。施設内はかなり広く、日本館だけでも数多くの日本人キャストが働いています。

 

英語の不安がMAXだった社員研修

渡米したのち、一週間ほどの社員研修がありましたが、その内容も半分は英語。もちろん日本語での研修もありましたが、英語の研修となると途端に頭がチンプンカンプン…。研修後、同期に

「さっき何て言ってたの?こういう意味だったよね?」

と確認せねば先に進めない状態でした。(しかも大抵間違っていました。)

そんな状態でしたが、いよいよ仕事の配属先の希望を出す段階で、私は「これはやってみたい仕事だな!」と思う配属先を見つけました。それは「寿司シェフ」という仕事でした。

 

接客業を軸に分けられる3つの仕事

CRプログラムに合格した段階で、どこで働くかの大まかな配属先は決まっています。

  1. マーチャンダイズ(日本のお土産物の販売・接客)
  2. ダイニング(日本食レストランでの接客・調理)
  3. クイックサービス(日本食の軽食の販売・接客)

以上の3つに分かれています。

私はレストランで働くダイニングで合格を頂いていましたので、ダイニングの中からさらに配属先を選ぶことになります。

  1. サーバー(ゲスト※の注文を聞いたり、料理を提供する仕事)
  2. ゲストサービス(予約を確認したり、ゲストを席まで案内する仕事)
  3. シェフ(ゲストの目の前で調理を担当する仕事)

※…ディズニーではお客様のことをゲストとお呼びします。
この仕事の中で私が興味がわいたのが「寿司シェフ」。ゲストに寿司を振る舞う仕事でした。

 

面接で聞かれた「繰り返し作業に耐えられますか?」

配属希望を提出した後は、配属先の上司と面接をします。この時も英語と日本語の両方の面接がありました。

面接中に聞かれた質問で、今でも忘れられない質問があります。

「すぐに出来るようにはなりませんし、繰り返しの作業が多い職種です。それに耐えられますか?」

私が今まで三味線の中で取り組んできたことは、まさしく目に見えてすぐには上手にならない、ひたすらに繰り返しの稽古ばかりだったのです。それも先が見えない、何年間も続けていたことです。現在進行形で続けていると言ってもよいでしょう。私は迷わず「はい。」と答えました。

結果は…合格でした。名前を呼ばれた時の嬉しさは今でも覚えています。

 

ディズニーから配布されるネームタグ。ファーストネーム(もちろん加工でP.Nに変えていますが…)と出身県、出身国が明記され、英語以外に使える言語が表記されています。赤いタグは「トレーニング中」という意味です。

 

”まきす”と”包丁”を装備しました

望んだ職種につけなかった同期もいたと思います。採用を決めるのは上司であり、本人の希望が100%通るわけではないからです。そんな中、希望した部署に配属された私は恵まれていたと思います。

1年後の結末を先にお話ししますと…この寿司シェフという仕事は私にとって最高の職でした。素晴らしい上司とかけがえのない大切な同期、優しい先輩・後輩と仕事ができました。日本食の代名詞でもある「SUSHI」を提供し、喜んでくれたゲストの数は数え切れません。

ゲストの前で行った寿司のデモンストレーション。インカムで説明しながら、手元を頭上のカメラで写します。映像は客席の大型スクリーンに映し出される仕組みになっています。

…失敗もたくさんしましたし、苦い思い出もたくさんあります!ですが、かけがえのない学びを得られたのも、今まで積み重ねてきた三味線の経験が大きく後押ししてくれた…そのように今でも感じています。

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鬼龍院 花枝

三味線指導、演奏家。気づけば20代の9割を三味線の指導と演奏に費やし、「三味線を教えている」と自己紹介すれば二度見されることにも慣れてきました。堅苦しさ皆無で三味線の魅力を知ってもらえればと思い、執筆活動もしています。

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