酒と泪と女と女

「顔と身体以外好き」彼女が見つけた理想のパートナー 婚活結社魔女のサバト卒業生座談会(前編)

更新 :

入会した女性が次々とパートナーを見つける婚活結社「魔女のサバト」は、独身女性向けの婚活勉強会。まもなく記念すべき開講10期目を迎えます。今回は過去のサバト卒業生をお迎えして、パートナーを得るための考え方、彼とのサスティナブルな関係の築き方についてお伺いします。

 

古越 幸太(以下執事):皆さま今晩は。ご無沙汰ですね。今日は卒業生にお集まりいただいて、サバトで得た知見などをお伺いしたく。最近は婚活サイト「キャリ婚」をはじめたこともあって、夜に会員さまからメールでご相談をいただくことも多くなりまして。

 

川崎 貴子(以下川崎):夜に相談。

 

執事:だいたい深夜ですね。僕が目にするのはうちの会員だけですが、多くの方が同じ悩みを抱えているんだろうなと。そこで、サバトでの学びを生かして彼氏やパートナーと良い関係を築いているみなさまにいろいろとアドバイスをお伺いしたくお集まりいただき……長いですね。乾杯!

 

一同:かんぱ〜い!

 

 

執事:これ、お隣の明治屋さんのチーズと生ハム美味しいのでつまみながら。

 

川崎 :この生ハム美味しいからみんな食べて。

 

執事:自己紹介から行きましょうか。ご入会されていた期と年齢、ご職業と、今のパートナーさんとのお付き合いの状況をお伺いできますか?

 

レイコ(仮名):4期のレイコです。年齢はいま37歳で、職業は看護士です。お付き合い状況ですがうれしいことに結婚1周年になりました。サバトにいたのは一年とすこし前になります。

 

アイ(仮名):5期のアイです。年齢は35です。Webデザイナーをやっています。お付き合いの状況ですが、結婚を前提とした同棲を今月から始めました。

 

ヒトミ(仮名):6期のヒトミと申します。31歳です。職業はWebデザイナーですが、いまエンジニア方面に寄っています。6つ年下の彼と1月の初めごろから結婚を前提に一緒に住み始めました。これから親へのあいさつへ行こうかという時期です。

 

サナエ(仮名):6期のサナエです。年齢は39歳で、職業は経理事務をしています。年末ごろに親にあいさつに行きました。いまは5月ぐらいに引っ越しを予定していて、転居とともに入籍ができればいいなと思っている状況です。

 

川崎:みんな順調に進展していてうれしいわ。みんな夜会から半年、一年で結果を出していて。次の夜会はいつだっけ執事?

 

執事:5月25日ですね。ところで夜会とかサバトとか一般名詞のように僕たち話してますけど、始めはみなさんご存知なかったわけですよね。なんでサバトに入ろうと思ったのか。きっかけとか、ご自身の中で変わったことを伺いたいなと。

 

川崎:ほんとうに。「魔女の夜会」「魔女のサバト」って、怖くなかった?

 

アイ:私はもともと二村監督と川崎さんの対談から知って。それから本を読んでイベントがあるというのを知って。まずは夜会に参加して、そのままサバトへ入会しました。やっぱり動かなきゃ変わらないっていう思いがありましたね。

 

川崎:聞いた執事?

 

執事:動かなきゃ変わらない。

 

アイ:夜会に参加して「コミュニケーションの魔女になろう」という言葉がしっくり来て。そういう方向にいきたいなって。人生がうまくいかないときって大体コミュニケーションがダメだったんです。仙人のような孤独を歩む気もないので、コミュニケーションスキルを伸ばそうと。

 

川崎:そうだったのね。

 

アイ:結構勇気いりました。

 

川崎:半年間だもんね。

 

アイ:i-color(※統計心理学を元にしたツール)がすごく説得力ありました。夜会では参加者のi-colorを元に席が3つに分かれていましたが、すごく周りとコミュニケーションが取りやすくてお話も分かりやすくて。

 

川崎:白魔女(※金沢 悦子・魔女のサバト講師)もよろこんでるわ、いま。

 

ヒトミ:私はさんざん婚活をしてきていて。夜会に参加したのは当時のパートナーに振られてシーズン3に入った時期でしたね。

 

執事:僕、そのドラマ見てないんでシーズン1〜2伺えますか?

 

ヒトミ:シーズン1はまだ若かったので婚活サイトで数人会って。でも挫折。まずメールが面倒くさい! そういうやり取りが私は好きじゃなかったので。シーズン2は合コンとお見合いパーティーに行ってましたね。そんなときに六本木のシングルスバーで出会った人とお付き合いして。

 

川崎:行動を変えたのね。

 

ヒトミ:それが、そのお別れした男性なんです。長く付き合ってたんですけど結婚できなくて。そのときにたまたま手に取ったハウツー本じゃないですけど恋愛本を読んでいたときに、「あなたのここがダメだから結婚できない」的なことが書いてあったんです。もう自分否定モードに入っちゃって。

 

執事:ああ、そちらに。

 

ヒトミ:行っちゃって。「モテるためには」とか「ウケるためには」をすごい磨いて、そうすると食い付きはよくなって……。

 

執事:食い付きは上がりますよね。上がるけど……っていう。

 

一同:(笑)。

 

ヒトミ:お付き合いできたんですけど、やっぱり自分を出せないんですね。いい子でずっといて。一年経ったころにあんまり会えていない不安を言ったらフラれてしまって。それでまた合コンとお見合いパーティーとあと紹介と。

 

執事:たくさん努力されたんですね。

 

ヒトミ:いろんな方とお会いしたんですけど、うまくいかなくて。そのときに黒魔女が書いているninoyaブログ「酒と泪と女と女」を読んでたんです。世間で言われるモテるテクニックとかじゃなくて、何よりコミュニケーションだよという視点。深く、表面じゃないところをいっぱい書いてあって。ずっと読んでいました。

 

川崎:ありがとう。

 

ヒトミ:サバトという婚活勉強会があるのも昔から知っていて。いろいろダメなことが重なったときに「これかもしれない」と思って。自分が受け身だったのもあって、自分マターで生きていくっていうフレーズに惹かれて。行動しないと変わんないよというメッセージも響いて。酔っぱらっていた夜に勢いで申し込みました(笑)。

 

川崎:うれしいわ。自分から動いたからこそだね。

 

レイコ:私はサバトに入る前に一年間本気で婚活をして。2回付き合えたんですけど、2回とも割と短期間でフラれちゃって。私も本音が出せない悩みがあったので、自分を変えなきゃいけないと思って。あとは単純に面白そうだったので入りました。

 

サナエ:私がサバトに入ろうと思ったのは、二村さんの本がきっかけで。

 

川崎:おお!二村さんありがとう!

 

サナエ:婚活中に付き合った人がいて、サバトに入る一年くらい前だったんですけど。すごく依存的で束縛気質な人だったんです。何回も話し合っても分かり合えなくて、ぼろぼろになって別れて。そのとき二村さんの本(なぜ愛)を読んだら「私のことだ」と思ったんです。読んでいたらすごい涙が出てきて、まさにだなと思って。

 

執事:引き付けてしまう。

 

サナエ:あまり考えたことなかったんですけど、自分がそういう人を引き付けているというのが分かって。彼に好きって言われると気持ち悪いと思っちゃうというか、こんな私を好きになるなんて……って思いがちだったので。そういう思考を違うってかき消せるようになりましたね。自分の変な癖が出てきたときに気付けるようになりました。

 

川崎:思考の癖を知るってコミュニケーションにおいて本当に大切だし、人を好きになるきっかけにおいても大事だよね。

 

執事:それはサバトに入って気付けたことですか?

 

サナエ:そうですね、やっぱりi-colorの勉強をしたので。自分がどういう考え方をするタイプなのかよく分かって。彼とケンカしたときも「こういうところで考え方が違うのかな」って冷静になれますね。分かり合えないことに対して、あんまり気にしなくていいかなと思えるようになりました。

 

川崎:魔女が「人はそれぞれ違うということを知るというのがi-colorだよ」と言っていて、本当にそうだなとi-colorを学んで成長する生徒達を見てると思うよ。サバトに入ったばかりの頃は「彼氏彼女の関係ならこれはやってくれるはず」とか、「私のことを好きなんだったらこんな態度は取らないはず」っていう悩みがよく挙がるんだけど。その考え方が軋轢を生んでるんだと途中から自分で気づくようになるんだよね。

 

執事:考え方とは別に、スキルの面で変わったとこともありますか?

 

アイ:人の話を聞いたり、理解するのが速くなった気がします。といいますか私、昔からメンヘラ暴れ牛がいたんですけど……。

 

 

執事:なるほど。牛飼いでいらして。

 

アイ:はい。すっごい暴れるんですけど、今はそいつをちゃんと押さえられる。

 

執事:御せるようになった。

 

アイ:はい。「私はいま不安に思ってる」→「その不安は、これを疑問に思うから」→「じゃあ、これを相手に聞こう」って。この訓練ができてずいぶんと思い悩む機会が減りました。

 

川崎:それまでは悶々と、悪いほう悪いほうに思っちゃってたんだよね。

 

アイ:はい。私、人より考えすぎるというか、自分の持っているエネルギーが多めなほうだっていうことも気が付いて。だから暴れ牛が強いんですよ。それをだいぶコントロールできるようになったなと。それこそ川崎さんの仰る、アサーティブなコミュニケーションが取れるようになりました。

 

川崎:アイちゃんは勉強会も積極的に参加していたから、習得が早かったよね。

 

アイ:あと、これも技術かな。自分のことを大事にしてくれる人だけ、大切にしようと思えるようになりました。

 

川崎:大事な事ですよ。

 

アイ:恋をするとその人を追いかけたくなっちゃって。その人がつれなかったり、約束をすっぽかすとか連絡してこないとかも我慢しちゃいがちで。でも冷静に考えると、こいつ全然私のこと大事にしてないなって。翻って(恋愛関係に限らず)私を大事に想ってくれる人っていっぱいいるなって。じゃあ、そんな私を大事にしない人を追いかける労力って、私を大事にくれる人に対してすごく失礼なんじゃないかなと。

 

執事:いま読者の気持ちで刺さりました……。

 

アイ:あと、自分はなんですけど、恋をするのって相手に対して憎しみを感じるんですね。その人に対して憧れというか羨ましさというか。

 

執事:コンプレックスが投影される?

 

アイ:そうですね。執事さんに言うのもなんですけど、社会にはまだ男尊女卑が残っている側面があって。例えば、彼はやすやすと私の望むものを手に入れている。別に、大して能力に差はないのに。そういうこと一切考えず、のうのうと生きてこられてる事実に対してすごい羨ましさと憎しみがあって。

 

執事:ええ。

 

アイ:そういう思いが、私の恋の原動力だったんだなって気が付きました。サバトでそれが分かって、もう恋をする相手をパートナーに選ぶことを止めました。そうして出会ったのがいまの彼で。

 

川崎:勉強会で彼女がその話題でプレゼンテーターをやってくれてね。まだ2ヶ月目だったから、ぶっちゃけづらい時期だったのだけど、20人近い人数に対して正直に。「実は、私が恋する人はこういう人だった。だからいまこんな彼をパートナーに選んだ」っていう話。充実したシェアになって、話題はそのあとも続いたよね。忘れられない。

 

アイ:そう考えると、最初は惹かれる要素の薄かった今のパートナーに対して、なんだかいいところしか見えてこなくなっちゃって。顔と体以外は全部好き♡

 

川崎:っていうプレゼン。

 

執事:あ、オフィスに銃ない。

 

レイコ:顔と体以外は好き。でも、性的欲求が湧かない。そういうケースで悩む女性って多分いっぱいいますよね? 俗に言う「いい人なんだけど……」みたいな相手。自分のことを大事に想ってくれているのも分かる。でも、なんかちょっと付き合えないみたいな。

 

アイ:そのときの意見も真っ二つだったんですよ、皆さん。「私は無理」「私はOKでした」「私はやっぱりダメでした」みたいな回答が交互に出て。

 

川崎:すごい割れ方だったよね。

 

アイ:最後はもう人によるとしか言えないなって。ただ、サバトに入って具体的にどう変わったかと言われたら、そうやってお互いの違いを理解できたことですね。「あなたはそう思うのね」って考えられることが、揺らがない私につながりました。

 

執事:あなたと私の切り分けですね。

 

アイ:そうして自分に自信を持てると、自然と余裕ができて相手にも優しくなれる。その訓練ができるのがサバトですね。

 

川崎:心に余裕があるのが表情にも表れると魅力的になるから、自然にモテるようになるしね。

 

後編へつづく)

 

>>恋に悩むお嬢さまへ。川崎貴子・金沢悦子・サバト卒業生と語りませんか?

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川崎貴子

リントス株式会社代表。経営者歴21年。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女のプロ」の異名を取る。プライベートではベンチャー経営者と結婚するも離婚。8歳年下のダンサーと2008年に再婚。12歳と5歳の娘を持つワーキングマザーでもある。著書に『私たちが仕事をやめてはいけない57の理由』(大和書房)、『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』(ベストセラーズ)、『結婚したい女子のための ハンティング・レッスン』(総合法令出版)、二村ヒトシとの共著に『モテと非モテの境界線 AV監督と女社長の恋愛相談』(講談社)等がある。

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