「学級目標を決めましょう」「一学期の目標は?」
私たちは、小さい頃から、当たり前のように目標を立てることを求められてきました。
でも、目標は、果たして私たちを正しい目的地へと連れて行ってくれるのでしょうか。
目標を達成できたがゆえに、本来の目的から遠のいてしまう……。
そんな事例をたびたび目にします。
求人広告の応募者数は多いほど良いのか
例えば、採用。
企業の正社員の採用でも、クラウドソーシングでの仕事の募集でも「たくさんのご応募お待ちしています」的な感じで〆られているのを見かけます。応募がないよりも、たくさんの応募があったほうが、単純に嬉しいですよね。そして、多くの応募者の中から選ぶ方が、いい人を選べるような気がします。
でも、現実は、多くの応募があったからといって、希望しているような人材に出会えるとは限らないわけです。それどころか、応募がたくさん届くほど、応募書類を読んだり、やり取りをしたりといったコストがかかります。その結果、採用できる人材がゼロであれば、採用活動の目的は果たせないままです。
逆に1人からしか応募がなかったとしても、求めているような人材であれば、採用活動は成功したと言えます。
ある会社のウェブサイトでは採用に関するページが目立たない場所にあります。その理由は、サイト全体をよく読んで、会社のことをよく理解した上で応募してほしいと考えているからなのだそうです。しっかりとした志望動機を書かなくてはいけないなど、必要な書類を揃えるのも、けっこうな労力がかかります。こういったハードルを課すことで、ある種のフィルターをかけているのでしょう。
検索結果で1位に表示させたいという目標の道筋は?
サイトの運営をしている方だと、「今、○○のキーワードで検索結果で1位を取れるように頑張ってるんです」という声を聞きます。
目に見える結果というのは、達成感があり、中毒性があります。だから、一度経験すると、「次は別のキーワードで」となりがちです。
大半はよく考えられた上での目標なのでしょうが、たまにこの検索結果1位ということだけが目標になっているような気がして、ちょっと心配になります。検索結果1位というのは、何か他の目的を達成するための手段だと思うのです。
これをきちんと意識していないと、あれれ…という結果になってしまいます。
「このページのCVRがどの程度だから、アクセスをこれぐらいに増やせたら、目標とするCV数に届きそうだ。そのためには、○○というキーワードでの流入を増やしたい。だから検索結果でより上位に表示させることが必要だよね。これだけ売り上げが伸びるなら、予算はいくらだね」といった道筋が本当はあったはずです。でも、いつの間にか、道筋が忘れ去られているケースを見かけます。
目的を見失わないために!
もっと言えば、個人の収入も似ているかもしれませんね。多ければ多い方がいいのか……!?増えたら嬉しいですが、だからといって幸福度が上がるとも限りません。
働き過ぎて体調を崩したら、幸福度は下がりますね。
私はどちらかと言うと、仕事でもプライベートでも、数値目標を立てると、そこに向かってまっしぐらに進んでしまうタイプです。頑張っているうちに、本当の目的を忘れてしまいそうになることも。だからこそ、本当の目的を見失っていないか振り返る時間が、とても大切だと考えています。
本当の目的をしっかりと認識できていれば、叶える方法は、1つではなく複数あることにも気付けるでしょう。一つの方法がうまくいかなくても、別のアプローチで挑戦すればいいだけです!
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