自分の好きなことを仕事にして、フリーランスとして活躍したい。けれど新しいチャレンジをするとなると、不安になる方も多いのではないでしょうか。
「いいと思ったことはまよわず取り入れます!」とチャーミングな笑顔で語るのは画家の牧弘子さん。
感性と情熱にすなおに耳を傾ける。そして独自の画法をつねに進化させることで、大好きな絵を描くことを仕事にしている牧さんに、PRライターの斉藤里菜が取材してきました。
働き方を工夫して好きなことを続けて、成長していく
───フリーランスのお仕事をはじめられたきっかけを教えてください。
牧弘子(以下、牧):実は最初は漫画家を夢見ていて、フリーランスがいいという強い意志はありませんでした。小さいころから絵を描くことが大好きで、絵を描きつづけるために、美術教育学部に進学しました。
卒業後は美術教師になるのが当たり前という環境で、自分もそうなると思っていました。しかし画家としても活躍されている先生に出会い、「そんな働き方もあるんだ!」と知り、私も描くことに比重をおいた働き方を目指し始めました。これが、フリーランスを目指すきっかけになりました。
東京へ出てきてからは、作品を取り扱ってくれる画廊で、数年に1度のペースで個展を開催し、絵をご覧いただき、ご購入いただける機会をつくっています。
それだけでなく、絵を教える仕事などもしているので、ほかの仕事と平行しながら制作をしています。好きなことを続けるために働き方の工夫ができるのは、フリーランスだからこそですよね。
───ご自身をつき動かすモチベーションはなんでしょう?
牧:昔から、悔しかった言葉が糧になっていますね。学生時代には講師から「みんなはプロ野球で戦っているけど牧さんは草野球だよ」と、私の絵はまだまだしろうとのようだと厳しいお言葉をいただいたり、最近も同級生に比べて作品の値段が安い私に「牧さん以外は値段上がっているからね」と画廊の方に言われたりしました。
しかし、うまくなってみせる!と思わせてくれる言葉こそが、つらいときにはエネルギーになり、自分の成長につながっています。
制作中どんなにモチベーションが高まっていても、何時間も集中力をキープするのは大変な日もあります。そんなときは好きな音楽や映画を再生しながら制作をして、モチベーションを保てるようにしています。
自分をつき動かすモチベーションを見つけて維持することで、成長につながっていくと思いますよ。
変化しつづけ工夫することで、「自分らしさ」ができていく
───仕事をするうえで、大切にしていることはなんでしょうか?
牧:直感を大切にしていますね。変化をおそれず、いいなと思ったことはすぐに取り入れるようにしています。
画法も1つにとらわれずに、個展ごとにタッチを少しずつ工夫して変化させたりして、絵を描くことそのものを楽しむことも大切にしています。
あとは次の世代へ伝えるべきものを見極める習慣を持つようにしています。世の中にはまだまだ知らないことがたくさんあるなと感じているので、自分の足で動いて積極的にものごとを知るように心がけています。
たとえば美術品などで本物を見るために旅に出たり、ニュースで知ったことを深く調べてみたり。あたえられた情報だけでなく多面的にものごとをみようとする姿勢が、画法の変化につながったりして仕事に活かせています。
普段からまわりにアンテナを張り、気になったことは自らアプローチしてみると、新しい可能性がひろがりますよ!
───フリーランスとしての成長に大事なことはなんでしょうか。
牧:定期的なインプットをすることです。私の場合は、個展ですべてを出し切るので空っぽになるんです。
そんなときは、次のアウトプットにつなげるために旅行したり、いろんなところへ出向きます。実際に足を運んで目で見て感じるものは、受ける刺激が違います。うまくいかない時はインプットを意識するといいんじゃないでしょうか。
またセルフプロモーションも大事ですね。私は作品の途中経過を見せるのが恥ずかしいのと、SNSを活用するのが得意ではないので、いまの課題でもあります。
でも、画廊まで足をはこんでくださるお客さまのために過去の作品をアルバムにまとめたポートフォリオを用意し、絵のコンセプトを書いて作品の解説を直接お客さまにできるように工夫しています。
自分の不得意なところを把握すれば、そこをおぎなうためにできることがみえて、いろんな工夫ができます。
くらべなくていい。好きという情熱がフリーランスとしての成長につながる
───今後の夢や挑戦してみたいことはありますか?
牧:絵を描きつづけたいという想いが1番強いので、それを維持するためのインプットを絶やさず、画家としての引き出しを増やしていきたいです。まずは年1回の個展開催を目指したいですね。
また挑戦という意味では、制作活動の拠点を変えてみることも視野に入れています。いい意味で活動拠点にこだわりを持っていないので、海外に移住して描くことで画家としての経験値を高めたいという気持ちもあります。
夢や目標は、みんなと同じである必要はないと思います。むしろ自分に合うかわからない夢や目標を、気づかないうちにもってしまわないように気を付けたほうがいいなと感じます。
自分に本当に見合ったものをみつけると、それがフリーランスとしてのやりがいや幸せにつながりますよ。
───最後に、フリーランスを志しているかたへエールをお願います。
牧:正解はこれ!というものはないと思います。ある方法を試して思いどおりにいかなかったとしても、それは無駄な経験ではなく1つの側面であって、ほかにも可能性はきっとあるはずですし、成長にもつながります。
そして、つねに自分自身の感性は、自由に豊かにもっていていいと思います。いつはじめても遅いことはないですし、気負わずに進んでほしいです。
自分の足で動くことで、さまざまなことが見えてきますし、つぎにつながる希望がもてるようになります。
なんといっても、好きなことは誰になにを言われてもつづけられます!私も生活が厳しいなと感じることがあっても、周りに止められても、好きだから継続できています。
つづけていれば見てくれている人もいますし、「好きなことをする」と決めた自分自身に自信をもって歩んでいきましょう!
インタビューを終えて
こんにちは。今回インタビューを担当したPRライターの斉藤里菜です。
絵を描くことへの牧さんのあふれるパッションと、それを仕事としてつづけるための努力や工夫をうかがい、私も胸があつくなりました!
目標や夢をかかげるときに、もし挫折したらどうしようと漠然と不安になることもありますが、牧さんの変化を楽しむ姿勢に勇気をもらい、自分の「好き」を見つめながら進んでいこうとつよく思いました。
(取材・執筆:PRライター 斉藤里菜 / 編集:PRライター 吉川実久 ・ PRライター 井澤久美子)