今やPR手法としてSNSを使う経営者の方やPR・広報担当者の方がほとんどではないでしょうか。しかし、種類は多く、どう使い分けたらよいのか、悩まれている方も多いと思います。
「麹王子」として麹を販売されているmille fieldの阪田真臣さんは、インターネット販売(以下、EC)だからこそお客さまとのコミュニケーションが大切だと考え、SNSの活用に努められています。
常に、人とのご縁を大事にしつづけ、テレビ出演や注文数アップも果たしている阪田さんにPRライターの松尾このみがお話をお伺いしました。
SNS活用においても、人とのご縁を大切にすることで成果がでる
───PR専門家としてのノウハウをお持ちではないのに、テレビ出演やファンづくりに成功されています。その経緯をお聞かせください。
阪田真臣(以下、阪田):結論からいうと、人とのご縁を大事にしてきたからでしょうか。
人に恵まれながら生きてきたこともあり、インターネットですべてが完結する事業であっても、なるべくご縁を大切にしたいと考えて工夫してきました。
僕の商品はECでご購入いただくことが多いので、なかなかお客さまに直接お会いすることができません。それでも、なるべくお客さまと深いコミュニケーションを取るにはどうすればいいかと考えたときに、SNS活用を始めました。
それによって、たくさんの方がファンになってくださり、SNSを見ていてくださった方からのご縁でテレビ出演にもつながりました。
───テレビ出演後は、出演前とどのような変化がありましたか?
阪田:急激にInstagramのフォロワーも、注文も増えましたね。ひたすら携帯の通知が止まらなかったです。
Instagramは、約半年前に「麹王子」としてはじめたのですが、テレビ出演前はフォロワーが100人ほどでした。それがテレビ出演後すぐ、さらに400人のフォロワーが増えました。そこから増え、今は850人を越えています。
PRのプロでなくても、どうすればお客さまに喜んでもらえるのか、コミュニケーションが取れるのかと考えて実行することで、SNSもうまく活用できるし、テレビ出演が決まったり、ファンになってくださる方が増えて、注文も増えるという相乗効果が期待できるはずです。
お客さまと距離を縮めやすいLINE@活用が事業成長のカギ
───阪田さんはなぜLINE@で注文受付をされているのですか?
阪田:LINE@では、リアルな店舗でお買い物をするような疑似体験を大切にしています。一般的なECは、すべて機械で受注します。注文ボタンを押して注文完了のメールが自動配信されて注文完了という流れですよね。
でもLINE@では、こちらも注文を受けてお返事をすることができます。リピーターの方なら「いつもありがとうございます」や「今日は〇個ですか?」という会話ができます。
対面で話しながら販売することが本望なんです。店舗がないのでかわりにLINEで対面コミュニケーションを行い、信用を得られるよう心掛けています。それがLINE@で注文受付をしている理由です。
───LINE@活用のメリットや気をつけていることはありますか?
阪田:LINE@の特徴をたとえるなら、個別対応ができるので、直接家に持っていく回覧板に似ています。1対1で会話するので距離が縮まりやすいのがメリットです。注文時以外でも、常日頃からお客さまとのコミュニケーションを取ることもできます。
さらに、LINEって多くの人が日常使いしているので、InstagramやMessengerよりも、通知に気付いてもらいやすいんですよ。
とはいえ「また麹王子か」と思わせてしまわないように、一斉送信のお知らせなどは、頻度を調整しながら、ものすごく大事な話題のときだけ利用します。
目的に応じてSNSを使い分けることで、出版や取材につながる
───LINE@の他にも、SNSを使われていますか?
阪田:Twitter、Instagram、Facebook、ブログを使っています。SNSによっても特徴がありますよね。
たとえば、FacebookはInstagramなどに比べて利用者の年齢層が高いといったように。僕の商品の場合、40代のお客さまが多いので基本Facebookが1番相性がよいです。
セルフブランディング用と商品のブランディング用とで使い分けるのも大切です。Instagramは自分のアカウントと麹王子のアカウントを使っています。
麹王子のアカウントは、商品コンセプトや、商品の雰囲気、イベントのことを投稿しています。麹王子というブランドに少しずつファンがつき、商品の知名度も上がってきています。
自分のアカウントでは、自分を商品として考えてビジネスのことを投稿します。麹王子としてではなく、ビジネスの考えなどを発信することで、本の出版や取材にもつながっています。
───PRに取り組みたい個人事業主や企業の方へアドバイスをお願いします。
阪田:個人事業主の方なら、マニュアル本を真似するのではなく、基本をおさえつつも、自分で考えてやってみてほしいです。そうでないと魅力が生まれないのかなと思いますね。
周りの人からの「こんな風に見えるよ」や「これはちょっとやめておいた方がよいと思うよ」という意見を素直に聞いて改善していくことも大事ですね。
企業の方なら、まず社長がPRパーソンとの間で信頼関係を築くことが大事だと思います。PRパーソンは、社長の翻訳者。自社で上手く伝えることができない企業の魅力や考えをキレイに伝えるのがPRパーソンの役割です。
外部のPRプランナーさんであっても、内制の広報・PR担当者さんであっても、社長からもPR担当者からも、両者が歩みよって、会社のよさを世の中に伝えていくことが大事だと思います!
インタビューを終えて
こんにちは。今回インタビューを担当させていただいたPRライターの松尾このみです。
阪田さんのお話をお伺いして、PRを取り組む際に1番大事なことは、常日頃から人とのご縁を大切にし、信頼関係を築いていくことだと思いました。
また、「誰の真似もしない」という阪田さんご自身の考え方から、人と違う視点を持つことの大切さを学びました。SNSの時代だからこそ、人とのつながりを意識して効果的なPRをしていきたいですね。
(取材・執筆:PRライター 松尾このみ)
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mille field
another life 「イジメ、パワハラ、劣等感から逃げ、掴んだ今。どうしようもなかった自分が見つけた生きる道。」
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