フリーランスになることは目的ではなく、1つの選択肢だとしたら、好きなことを仕事にできる可能性が広がるかもしれません。
「舞台関係の仕事をしたい」という思いをもちつづけ、巡ってきたチャンスをつかめるようにとフリーランスを選んだ、森岡悠翔さん。現在は、フリーランスでも業務委託契約という働き方で舞台、音楽関係のWebメディアの編集・ライターとしてお仕事をされています。
昨年フリーランスとなり、 PRライターや地元でのコミュニティー活動にも積極的に参加している森岡さんに、お仕事での心がけと今からできる行動をPRライターのMisatoがおうかがいしました。
自分軸を持つことで、やりたいことの選択肢を広げられる
───会社員からフリーランスとなった今、どのような変化を感じますか?
森岡悠翔(以下、森岡):私の場合は、会社へ出勤するかたちで今メインのお仕事に関わっているので、時間の取り方などは正直変わりないです。でも、仕事に対する目的意識が強くなって、その意識が会社軸から自分軸へと変わりましたね。
会社員のときには、会社のビジョンが第一にあって、そこに一致する範囲内で自分のやりたいことを考えていました。でも今は、自分のやりたいことが軸になっていて、そこから仕事も選択するようになっています。
フリーランスになってから半年が経過した今、自分で意思決定をすることで、さまざまな角度から物事をみられるようになりました。多様な働き方をされている人との出会いも増えたので、「自分はどういう姿を選ぼうかな?」と、考え方の視野が広くなりました。
───お仕事をする中で、大切にされていることは何でしょうか?
森岡:いただいた仕事に、私ならではの価値をしっかりと出すことです。
ただ対応するのではなく、付加価値をつけてお返しできるように意識しています。私に依頼いただいたからこそできることを追求して、「また任せたい」と言ってもらえるようにしていきたいです。
そのためには、締め切りを厳守する、細かなミスをしないといった、基本的なことは徹底しておこなっています。また、執筆依頼であれば、納品前に「もっとよくできないか?」を自分自身に問うようにしていますね。
自分の価値は何だろうと悩む方もいると思いますし、私自身もまだ模索中です。人から言われて気づかされることが、自分の特徴、持ち味だったりすることも多いので、素直に受け入れて伸ばしていくようにしています。
自分自身の行動によってフリーランスの基礎は形成される
───フリーランスになる前、不安はなかったのでしょうか?
森岡:不安はありましたが、自分にとって不安要素となるものを明確にして、対応できるように取り除いていきました。
現実的なところでは、給料や税金などがそうですね。税金は本や税務署で調べて、収入については、このくらいあれば大丈夫という自分の基準を知り、定めておくようにしました。
また、年齢的な焦りと不安もありましたね。30歳になるまでにやりたいことを1つに絞って、徹底的にやらなければいけないと思い込んでいたんです。そのことを年上の方に相談したとき、「私が新しいことできないようにみえる?」と言われたことがありました。私にはまったくみえなくて、年齢は関係なく新しいことはできると思えたことで、落ち着くことができました。
1つの目標に向かっていくことも大事なことですが、軌道修正のために違うことをしてもいいと思うんです。縛られすぎずに、まずやってみることで、不安は和らいでいきます。
───フリーランスになる前に準備できていたと感じることはありますか?
森岡:自分のやりたいことを見極めていましたね。
会社員時代の仕事では、一貫して「誰かに何かを伝える」ということをしてきたのですが、「もっと自分から発信できるようにしたい」「これまでの経験を、好きな舞台関係の仕事で発揮していきたい」と思ったんです。
そこで、PRやライティングの勉強ができるitty selection主催の広報・PRプランナーPRライター養成講座を受講し始めました。一緒に受講している方々は、フリーランスになりたい人や、今後のためのステップアップを目指している人たちが多く、刺激を受けていましたね。
そんななかで「誰かに何かを伝える」というスキルを、舞台関係の仕事に活かしたいと、やりたいことがはっきりしていきました。講座でスキルを培っていくなかで具体的な行動におこせるようになりました。それが今のフリーランスとしての仕事の基礎につながっていると言えると思います。
さきほどお話した締め切りの順守や細かなミスの徹底も、講座を通してご指導いただき、より強く意識するようになったことでした。
日々自分のベストを突き詰めれば、可能性は広がっていく
───今後の目標やチャレンジしていきたいことはありますか?
森岡:今後はまず、自分のクレジットで仕事の依頼をいただけるようにしたいですね。
現在は、フリーランスでも業務委託という働き方で、会社から仕事をもらっているんです。なので、少しずつ力をつけ、自分で仕事を生み出せるようになっていきたいと考えています。
そのためにも、1つひとつの案件に対して真摯に向き合い、不安要素があればそれに対応できるようにしています。たとえば、不安を素直に伝える、フィードバックをもらうなど自らアクションをとるようにしています。日々自分の出しうるベストを突き詰め、信頼と実績を積み重ねていきたいですね。
また、ビジネス面とはべつに、地元で空き家になった祖父母の家を活用してイベントスペースを運営しているので、そこで実現したいことも多々あります。直近では、アートイベントの開催を考えています。
───最後に、フリーランスを目指す方に、アドバイスをお願いします。
森岡:まずは今できる準備を整えること。そのうえで、1度チャレンジしてみてください。
本当にやっていけるのかという不安もあるかとは思いますが、フリーランスになったら、もう戻れないという考えにはならなくて大丈夫です。
とりあえず1年でもやってみて、新たにやりたい職業がみつかれば、また会社員に戻ることもできます。また、足りないなと思う部分がみつかれば、そこを身に付けてから、もう1回フリーランスなろうという考えでもいいと思います。
自ら動けば、いくらでも選択肢はあると思いますし、やってみなければわからないこともたくさんあると思います。自分の想像だけで不安になりすぎなくていいと思いますよ。そういう意味でも、気軽にトライしてみてはいかがでしょうか。
インタビューを終えて
こんにちは。今回インタビューを担当させていただいたPRライターのMisatoです。
フリーランスは難しい世界だと勝手に思っていましたが、森岡さんのお言葉から、自分の想像だけでなにごとも決めつけてはいけないな、と考えさせられました。難しいかどうかは、自分自身の行動量によっていくらでも変えられると思えました。
自らの行動によって、まずはやりたいことを見極め、自分軸を持ち、あらゆる選択肢を持ちうる女性を目指したいと思います。
(取材・執筆:PRライター Misato / 編集:PRライター Yuri Takebayashi)
関連情報
NPO法人湘南スタイル
https://shonan100.org/