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※当記事は、コロナ禍のスキルアップ支援プロジェクトとして、ライター初心者の方々に成長機会を提供した記事です。 これまでの記事同様「PRライター」と記しておりますが、PR講座等で学んだPRライターさんではなく、今回1度限りのクレジット掲載となります。
当記事においては執筆の多くのサポートとクオリティ管理を、PR講座を修了した編集担当者が責任を持っておこないました。 クレジット掲載につきまして、is Closet(itty selection)およびninoyaが、「PRライター」としてのスキルを保証するものではございませんので、ご了承くださいませ。
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自社や自身をうまくPRするには、共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていくことが欠かせません。しかし、どんなツールを使えばいいのか、どんな発信をすればいいのかわからず困っている方も多いのではないでしょうか。
今回、国内外約50人とライターと連携して受託案件をになっている合同会社スゴモン代表や「自分の旗を立てる、働き方のサードプレイス」をコンセプトとしたメディア「SoloPro」の編集長もつとめ、自転車で旅をしながらライターとしても活躍されている松田然(まつだ もゆる)さんに、ファンを増やすためのSNS運用法やブランディングについてPRライターの岸滉大がおうかがいしました。
キーワードのかけ合わせで自分だけのキャラクターをつくる
───なぜ10年間も営業せずに仕事をつづけてこられたのでしょうか?
松田然(以下、松田):約10年前に独立した時に、営業しないってことを、そもそも意識してきました。パフォーマンスを発揮するには、弱みを克服するよりも1番の強みを活かすことが効果的だと考えています。私の強みというのがライター活動で培った、SNSやブログを使った情報発信力でした。
とくにSNSやブログを使って発信するときに大切にしてきたことは、一貫性のある自然体な発信です。軸がぶれないことで、自分のキャラクターが確立されていきます。
それによって、クライアントが思っているイメージと実際とのギャップが生じなくなり、信頼や信用につながる。そうしてファンは増えていくものです。
───実際、今までやってきた具体的なPR法やブランディング法はありますか?
松田:ブランディングのポイントは、自分だけのタグを見つけることです。私は「脳内SEO」と呼んでいて、SEOというと検索エンジン最適化のことですが、それをお客様やユーザーの脳内で思い浮かべる際に、自分が出てくるように最適化することです。つまり、「何々と言えば、誰々」ということがユーザーの中で明確になっている状態を目指します。
まず得意なことでも好きなことでもいいので、企業の特色や自分自身の中からキーワードを3つか4つ出してみましょう。それらをかけ合わせて、自分だけのキャラクターをつくるんです。
私の場合だと、自転車で旅をしながらライターをしているので、「ライター」「旅」「自転車」というキーワードがでてきます。私のことを知っている人がこれらキーワードを聞いたとき「松田さんだ」とすぐにでてくる状況を、普段のSNSの投稿やブログ記事などでつくりだせたからこそ、自然と途切れずに仕事をいただけるようになりました。企業単位でも同じことができます。
ツールの特徴を把握し、ターゲットの心をつかむ投稿をしよう
───PRやブランディングをしていく中でターゲットを設定するとき、まず何からはじめるとよいですか?
松田:まず、相手がどんな趣味をもっていて、どういうことに関心があるのかなど、具体的な人物を想定してプロフィールを考えてみましょう。それと同時に、設定したターゲットに合ったツールの特徴についてきちんと知っておく必要があります。発信するときに使うSNSやツール選びもPRやブランディングをするうえで大切です。
たとえば、Facebookは知り合いの方とつながることが多く、自身の活動に積極的な方やいろんな分野に興味・関心度が高い方が多いです。Twitterは上手に活用することで拡散力を持つので人の共感をよぶ投稿をすれば、知り合い以外のユーザーにも届きやすいという特徴もあります。このようにツールによって、ユーザー層や特性が異なるので、自分の目的によってツールの使い分けることをおすすめします。
私はクライアントとなりそうな方とイベントなどで出会い、Facebookでつながっていることが多いので、今はFacebookを中心に発信をおこなっていますが、起業当時はTwitterをおもに使ってました。Twitterは140字という文字数制限があるので、いかに短く簡潔に文章にするかという練習にも使ってましたね。
───ターゲットはなるべく狭く設定した方がよいのでしょうか?
松田:そうですね。マスメディアは広く伝えることを重要視しますが、SNSやWebメディアであるならターゲットは狭めた方が効果的です。
ターゲットを細かくすればするほど、ピンポイントに設定したターゲットの周りにいるユーザーにも広まり、口コミの場数が生まれやすくなります。中途半端にターゲット層を広く発信しても、結局誰にも振り向かれないということになってしまいます。もし、具体的な人(ペルソナ)が思いつかない場合は、過去の自分の困りごとを思い出して、それを解決した今の自分からその時の自分へ情報発信するつもりでターゲット設定してもいいかもしれません。
また、自社の商品やサービスについての投稿とユーザーの興味や関心のあることの投稿比率は2:8が効果的だと思います。商品やサービスなどの発信ばかりではユーザーも離れていくことが多いです。
ユーザーが興味関心をもつ話題を普段から投稿することで、少しずつファンも増え、熱も上がっていきます。
ユーザーを1番に考えた発信と中長期的な実験でベストなPR法を見つける
───PRをするうえで気をつけるとよいポイントはありますか?
松田:誰かの役に立つ投稿を心がけることです。独りよがりな投稿はユーザーにネガティブにとらえられてしまう可能性があるので気をつけましょう。利益を得ることができればいいという考えではなくて、ユーザーや社会にとって役に立つこと、必要なことを伝えましょう。
また発信の重要性が増している中で、情報の信用性もPRにおいて大事です。自分で考え体験をして得る情報、つまり一次情報の優先度を上げましょう。投稿の仕方によっては、会社のブランディングにも響きます。
今や数多くさまざまな商品がある中で、「この人がつくっている、PRしているから買ってみよう」となる人が増えています。だからこそ、ブランド力や自分への信用を普段から上げていくといいですね。
───これからPRを始める企業は、まず何から始めるとよいでしょうか?
松田:会社全体で導入を進める前に、会社の広報・PR担当者が、まず個人的に試してみることはおすすめです。無料で使えるメディアやツールはたくさんあるので、ターゲットに対して向き不向きを確かめるうえでも試験的運用をしてみましょう。
たとえば、noteなど流行りのツールがありますが、個人的に使用してどんな特徴があるのか、どんな人たちが見るのかなどを確認したうえで会社での運用に踏み切ってみるといいと思います。
試験運用は短期的ではなく、中長期的な視点をもってやるのが望ましいです。目安としてはまずは最低3か月からですね。PRは中長期的な効果をめざしているものなので、時間をおき様子を見て、会社として活用していくかどうかを決めましょう。
インタビューを終えて
今回のインタビューを担当させていただきました岸滉大です。キーワードをかけ合わせて自分のキャラクターを明確化するという、まさに松田さんが実践しているブランディング法は今から誰でもはじめられることだなと感じました。私もこれから取り組んでいきたいと思います。
インタビューを通して、改めて自分を知り、PRやブランディングの重要性を学びました。闇雲にトライするのではなく、成功している方のやり方をしっかり考え試していくと短期間でも上手くいくのかなと思います。
(取材・執筆:PRライター 岸滉大 / 編集:米田来美)