PRライターという仕事

日々の観察から生まれる等身大のPR。共感がファンづくりにつながる〜株式会社心電 代表 郡司淳史さん〜

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※当記事は、コロナ禍のスキルアップ支援プロジェクトとして、ライター初心者の方々に成長機会を提供した記事です。 これまでの記事同様「PRライター」と記しておりますが、PR講座等で学んだPRライターさんではなく、今回1度限りのクレジット掲載となります。

当記事においては執筆の多くのサポートとクオリティ管理を、PR講座を修了した編集担当者が責任を持っておこないました。 クレジット掲載につきまして、is Closet(itty selection)およびninoyaが、「PRライター」としてのスキルを保証するものではございませんので、ご了承くださいませ。

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数多くのサービスの中から自社の製品やサービスを選んでもらうためには、どのようにPRすればよいのでしょうか。その基本は、相手の気持ちになりきって考えてみることです。

 

株式会社心電は、パッケージの中に約3杯分茶葉が封入されている「お茶のハガキ」を通して、「価値ある時間を大切に」というメッセージを発信している自社ブランド「VAISA」のほか、大手商業施設のイベント企画やスポーツ選手のWEBサイト制作など、幅広い事業を展開されています。

 

おしゃれな印象とともに、ユーモアや親しみやすさもあるアイディアを発信しつづける、代表の郡司淳史さんにPRライターの倉田鮎美がインタビューしました。

 

 

 

軸をぶらさずに発信し、共感を増やしていくことでファンが増える

───PRをする際、発信内容について意識されていることは何ですか。

 

郡司淳史(以下、郡司):「共感してもらう」ということを意識しています。PRというと格好いいことを言うというイメージがあるかもしれません。しかし、相手の目線や立場に立って発信し、伝えたいメッセージを理解してもらい、共有することが大切なんです。

 

具体的には「それ、わかる!」と納得してもらえる内容であるか?ということですね。たとえば、コンビニやスーパーに並んでいるペットボトルを取るときに、1番手前のものではなく、1個奥から取った経験はありませんか?そのような、普段のなにげない行動からの気づきを言葉にして伝えて、受け手の「それってよくあるよね」「これっていいよね」という共感を広げていくことが、PRにつながると考えています。

 

 

 

 

───商品やサービスのPRのために、具体的にはどのようなことをされていますか?

 

郡司:クライアントである企業がやりたいことやサービスのテーマに対して一貫したことを、言葉やデザイン、内容などに反映しています。また、一貫性を持たせるときは細部までこだわります。

 

私が代表をつとめる会社「心電」の社名も、日々感じる感情を言葉に落とし込み、人の心に電気を走らせるようなことをしたい、という想いを2文字に凝縮しました。

 

VAISAでは、商品名を「JAPANEASE-COMMUNI-TEA」としました。お茶の時間を通じてリアルな人と人とをつなぐコミュニケーションができるという想いを込めています。お茶のTEAとコミュニティーを掛け合わせたシャレにもなっていますが、プレゼントは「NOVEL-TEA」、ホテルで提供する「AMENI-TEA」など、ここにも一貫させた遊び心を盛り込んでいます。

 

 

 

 

日々の観察からわかりやすさと遊び心を表現し、興味を持ってもらう

───デザインや言葉などで人を惹きつけるために、どのような工夫をされていますか。

 

郡司:日々観察したことから、わかりやすさと、遊び心を持たせたストーリーを作っています。

 

VAISAは、忙しく生きる現代の人々がターゲットです。「価値値ある時間を大切に」がコンセプトで、江戸時代に当時高級品だったお茶を、日本各地をまわり庶民に広めた人物、売茶翁(ばいさおう)からインスピレーションを受けています。そこで、パッケージにもバイサくんというキャラクターを登場させ、売茶翁同様日本中を旅しているというストーリーを見せています。

 

彼は江戸時代っぽいビジュアルを残しながらも、電車で通勤したり美術館で自撮りをしたりと、私たちの生活に近いことをしている。現代に生きる私たちが、親近感を持って共感できる世界を表現し、「今、売茶翁がいたら次は何をするんだろう?」とワクワクさせる仕掛けを作っています。

 

 

 

 

───共感を生むPRのコツは?

 

郡司:普段から周囲を観察し、何が世の中で起きているかを把握するようにしています。それを、ターゲットとしたい方が喜ぶことへどうしたらつながるのか、伝え方を考えて組み合わせることで、今現在の状況に合うPRを行なっています。

 

VAISAの立ち上げ当初には、いくつかの有名アパレルブランドとのコラボを行いました。服が売れにくい時代、いかにライフスタイルに入り込むかを考えるブランドが増え、そこでVAISAとの親和性があったと感じます。

 

「THE NORTH FACE STANDARD」とのコラボイベントでは、登山ですぐ飲めるティーパックタイプの製品を作り、店舗前で商品購入者へプレゼントしました。一般的に、山で飲むのはコーヒーというイメージがあるのですが「お茶もいいよ」というメッセージを伝えることができ、好意的に受け止められました。

 

 

 

 

軸をぶらさず、「なぜ」に向き合い言葉で伝える力を磨くことが大切

───PR担当は、自社のファン作りのためにどのような姿勢で情報を発信すればよいでしょうか。

 

郡司:等身大の姿を発信することが、ファン作りにつながります。

 

とくに外部に対してはかっこいい、キラキラしている部分だけを見せたいかもしれませんが、泥臭いこと、嬉しいことや大変なことなど、私たちもお客さまも、日々さまざまな経験をしています。そういった姿が見えると相手が身近に感じてくれて、共感が生まれます。

 

また、常に伝えていきたい事をぶらさない、ということも大切にしています。現在はさまざまなSNSがありますし、メインのユーザー層や特徴がそれぞれ違っていますよね。その違いに合わせて発信内容を変えるのではなく「私たちがやりたいことはこうなんです」ということは同一のメッセージで継続して発信し、ぶれない姿を見せつづけることで、支持してくれる方がだんだんと増えていくと考えています。

 

 

 

 

───等身大の内容も、発信するときには表現の工夫があると思います。表現力を磨く方法はありますか。

 

郡司:言葉の解像度をあげることが大切です。「なぜか」「どういうことなのか」に向き合うということです。

 

たとえば、道に咲いている花を見て綺麗だと思ったとき、なぜ綺麗だと思ったのか。花が持つ生命力がなのか、形なのか、周囲の風景とのコントラストなのか、さまざまな要素が挙げられます。このように、日常で「なんで?」を繰り返すことで、会社のことやサービスについて伝えたいとき、よい言葉が出てくるようになりますし、自社の軸も見えてきます。

 

これは私の個人的なことですが、言葉の解像度を意識するうちに「伝え方がわかりやすい」「もっと教えてほしい」という声を周りからいただくことが増え、「郡司塾」という講座をはじめるようになりました。発信し、伝えつづけることで人が集まったり、できることが増えていくと感じています。

 

 

 

 

インタビューを終えて

インタビューを担当させていただいた倉田鮎美です。インタビューを通じて、郡司さんは、日々の中で見過ごしてしまいがちな小さなところにも着目し、しっかりと向き合ってアイディアを生み出すことで、PRへつなげているんだなと実感いたしました。

 

また、お話を通して、等身大のPRを行う共感を増やすことで、ファンが自然と集まってくるということを学びました。私も日々何ごとも勉強ということを忘れずに、観察力を身につけていきたいと思います。

(取材・執筆:PRライター 倉田鮎美 / 編集: 神田祐佳)

 

関連情報

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「PRを活かしたキャリアアップ」や「PRを活かした働き方」を目指すPR人材が所属し、プロジェクトごとのチーム体制でお客さまのPRをサポートするPRプランナー・PRライターのプロダクションです。

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