この記事を読んで、未だ産後クライシスの問題は解決の糸口が見えていないと再認識させられただけじゃなく、夫の家事育児スキルの低さや当事者意識の無さが、産後どころか、長年連れ添った夫婦にもクライシスを及ぼしそうで軽く震撼。
以前、私はこのブログ「産後クライシス」で妻達に、「察してもらいたい。」とか、「夫に当事者意識を持ってほしい。」などという当たり前の感情は取りあえず隠滅し、妻自らが「育児リーダー」としての名乗りを上げ、夫に的確な指示出しをしながらピンチを乗り越えて欲しいと書きました。
その後、たくさんのご質問およびご意見が来ました来ました働く既婚女性達から。
「ゴミを出しただけ、子供をお風呂に入れただけで、俺って家事メン育メンと言われ殺意を覚えた。そもそも家事メン、育メンという呼び名にもいらつく!」
とか、
「私が風邪で寝込んでいたら、「「俺に全部任せろ。」と言って子供と外食。私のケアは一切無し。」とか、
どれも、
「育児リーダー宣言したのだが、うちの新人(夫)が全く育たねぇ!」
という働く妻達のソウルフルな叫びでございました。
そして、「どうしたら夫(彼)の家事や育児レベルが上がるのか?やる気にさせられるのか?」というお問い合わせをあのブログ以来いただくようになりまして、(*この件は某女性誌でも特集取材を受けた程です。)働く女性達の、現代の夫婦関係の切実な問題であると再度真摯に受け止め、今回は「こんな方法はどうでっしゃろ?」という具体案を提示させていただきたいと思います。
先ずは心構えから。
「育児リーダーの心構え」
「産後クライシス」でも書きましたが、先ずは妻のあなたが、育児リーダーとしての確固たる自覚を持つことが一番の肝になります。パートナーである夫と大変な気持ちを解り合いたい、察してほしいという気持ちはよーく解ります。
しかしながらそれは危険な時期尚早。
敵(夫)は家事育児の新入社員なのです。
新入社員が会社全体を把握しながら、リーダーを慮って業務に当たることは先ず不可能で、先ず与えられた仕事を覚え、自分のノルマをこなすよう指導致しましょう。
その際の注意点としては、絶対に口うるさく指導しない事です。
折角業務を覚えようとした新人に、横からあれもこれもダメだと言うと、やつらはすぐに退職してしまいます。
一つ出来たら褒める。もう一つ出来たら更に褒める。「できていないことよりもできたことにフォーカスする。」が、モチベーションが脆弱なる者への指導の鉄板。
また、育児リーダーが築き上げてきた「私の仕事のやり方」に固執しない事。洗濯物の干し方とか、洗いものの手順とか、細かい事をちまちま言っていては絶対にダメです。
「洗濯物は乾けば良い、洗いものは洗えていれば良い。」
のです。
ここでくじけて、「結局私の手間が増えるだけだから夫にやらせるのはやめた。」などと、まるで仕事のできないお局様のようなことを言っている働く妻をあちこちでお見かけ致しますが、そこは「ご自身のマネージメント能力」及び「人の上に立つものとしての器」が著しく欠けていると猛省してください。
リーダーたる者、部下を信じて任せる。そして、常に大局を見て行動するべきです。
今は非効率な干し方をしていたとしても、より効率化を図るのはもっと先の話。
いいですか?ここでぐっとこらえる事で、洗濯しないで済む将来が待っているのですよ!「家事ハラスメント」などもってのほか。リーダーは常に会社(家庭)と己の利益を見越して行動するのです。
そして本題のファーストステップ1.2.3!
① 「物を与える」
話し合いの結果夫から、「俺、料理なら少しやってみようかな~。」などという言質を取ったら、妻は即買い物へ。早速、名刀っぽい包丁やメンズライクなエプロンなどを購入いたしましょう。
彼らのテンションは新調した道具で相当上がります。
その名刀っぽい包丁になにがしかの物語があれば尚可、シリーズで買い揃えられるものだと尚可です。使い古しの包丁や妻の花柄エプロンなど渡したら逆にヤル気が失せるので要注意です。
また、レシピ本やサイトは、妻が普段見ているものをお奨めしてはいけません。通常料理している人向けのレシピは「適量」とか「○○切り」など、料理初心者の心をくじけさせる言葉が頻繁に使用されています。「初めての和食」とか「ABCクッキングスクールの基礎編」など、日本語読めれば作れるレシピ本を紹介致しましょう。
② 「家電量販店に連れて行く」
何故か家電好きな男性は多く、量販店では料理コーナーにも男性を多く見かけます。料理、掃除をするしないにかかわらず、あのマシンが並んでる感、新製品などのスペックチェックなど、男心をくすぐる何かがあるのでしょう。知らないけど。
そこでもういっちょ、男心を見えないようにくすぐってみましょう。
家電購入の決定権は妻が握りがちですが、夫にその権限を与えるのです。それも、「掃除」と「洗濯」「料理」家電限定で。
そして、多くの妻が苦手としがちな「取説」を例え苦手じゃなくても夫に託すのです。
「この炊飯器、パンも焼けるし、肉じゃがも、パエリアもできるってさ!」と、夫が自慢げに話しだしたらしめたもの。
妻は、「凄いね!手作りパンもパエリアも家で食べてみたいわー。」と、まるでそれを見つけた夫の手柄を讃えるように、「でも、私は取説読めないし~」的に購入を促しましょう。
その調子で、2か月目にはルンバ、ボーナス時には洗濯機などなど、新規マシン購入時が担当引継ぎの好機と捉え、マメに家電量販店に二人で通う事をお奨めします。
③ 「中長期計画を伝える」
妊娠してから育児書を熟読し、ママ友や先輩から情報収集してきた妻と違い、夫は先の見えない育児(特に乳児から幼少期)に対して「よくわからないから、ママが担当した方がいい。」と逃げがちに。
その引けた腰をぐっと引き寄せ、育児の中長期計画を夫にトップダウンで伝えましょう。
事前にそのような事態を避ける為にも、未だ妊娠前のお嬢さん方は、育児書は勿論の事、検診や母親学級なども夫と参加し、一緒に知識をつけながら出産に臨んでください。
既に出産されている方に関しましては、是非とも母の知識を夫とシェアしていってほしいと思います。
男性は特に、ゴールが見えない、ポジションが解らない、責任の所在がはっきりしない事を極端に避けようとします。「夜泣きは2歳まで」とか、「あと1年で自分で服の脱ぎ着がだいたいできるようになるらしいよ。」など、今現在の手間がいつ終わり、次に何が来るのかを把握できると俄然前向きに取り組むことができます。
また、保育園やシッター、じーじやばーばに育児を手伝ってもらっているとしても、
「子育ての責任とハンドリングは、私達夫婦、二人にある。」という事を再度徹底し、互いの子育て観を摺合せして、「こういう風に育てたいね。」という「夫婦の子育て理念」をなんとなく作っておくと、夫も育児に対して臨機応変に対応することができます。
また長々と書いてしまいましたが、実際に私の周囲には、夫も妻もハードワークで子供複数(両実家遠方)という夫婦がたくさんいて、夫は当然に何かしらの家事、程度の差こそあれ育児を担当している訳ですが、どの夫婦も妻が見事に「育児リーダー」です。
夫達は「僕、自発的にやっているよ!」と、何故か私に申告してきてくださいますが(笑)、妻の裏話を聞けば、夫の生活パターンや得手不得手を検証把握し、実に見事な同線を引き、習慣化へといざなっておるのです。
若いお嬢さん方におかれましては、新婚中にラリッて何もかもやってしまい、夫をでくの坊ちゃんにしないようにくれぐれもお気を付け下さいませ。
今回お伝えしたファーストステップが一番効くのは、夫婦が互いに愛情が深い時です。
「鉄は熱いうちに打つべし」と、己のこめかみ辺りにしっかりと刻み、素敵な「育児・家事リーダー」に成長していただきたいと心より願っております。
<執事よりお知らせ>
執事の古越です。前回は一週間経たずチケット完売した魔女の夜会ですが、いよいよ第二夜を行います。3月12日(木)19時より表参道で開催します。小さな女の子を内包している、お嬢様方のご参加をお待ちしております。
※小さな女の子(from こじらせ女子の末路)