弊社はなるべく広告費をかけずに、検索エンジンやSNSから集客することを得意とする会社です。そのため、以前にも増してWordPress関連のご相談が増えています。
このWordPressですが、知っている人は知っている、知らない人はまったく知らないツールでもあります。
噂に聞くWordPressとは何がそんなに優れているのか?
どのようなケースでWordPressの導入に踏み切るべきなのか?
今回はそうした疑問を持つ方へ向けて、WordPressというツールの要点をお話したいと思います。
そもそもWordPressとは?
WordPressとは米国のマット・マレンウェッグ氏が開発した、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)と呼ばれる動的なブログ作成ツールです。といった説明だと、「え、HPを作るソフトじゃないの?」「動的ってなに??」とはてなマークが沢山浮かんでしまいますよね。もう少し噛み砕いてご説明します。
CMSとは
昔はHPというと、制作会社や社内のweb担当者を通さないと更新できないのが一般的でした。しかし、ちょっとしたニュースリリースや情報発信をしたいだけなのに、そうしたプロセスを経ないと更新できないのは不都合ですよね。
そこでキーボードさえ打てれば、最低限の更新は誰でもできるようなツールが望まれました。それを実現したのがCMSです。CMSをHPに組み込むことで、HPでの情報発信の裾野は大きく広がりました。
動的なHPとは
マット氏曰く、WordPressを開発した当時は「静的なHPばかりだった」とのこと。静的とは詰まるところポスターと同じです。何も機能性を持っていないHPですね。
一方で動的なHPとは、利用者の目的に応じてHP側の表示が変化するものです。予約システムなどはその代表ですね。そうした動的な機能のニーズも、WordPressでは大いに汲み取られています。
ブログなの?HPなの?
WordPressに求められたのは以下の2点です。
・誰でも容易に更新ができること
・動的な機能を気軽に追加できること
前者はベースの機能をCMSにすることで、後者はプラグインと呼ばれる拡張機能を導入することによって対応しました。プラグインはWordPressの管理画面から簡単にインストールできるようにすることで、多くのユーザーが動的なコンテンツを自身で設置できるようになりました。
つまりWordPressはそのまま使えばブログツールですし、拡張機能を取り入れることでECショップや予約システム、あるいはHPそのものへの代替も可能です。出自はブログツールであり、使う側によっていかようにでもカスタマイズできる。それがWordPressです。
WordPressのメリットとデメリット
そんなCMSにおいて世界最大のシェアを持つWordPressですが、もちろん何でもできる夢のツールという訳ではありません。特徴的なメリットとデメリットがあります。
WordPressのメリット
・HPを自分で更新できる
新しい商品やキャンペーン展開などを、制作会社を通さずリアルタイムにHPで告知できるメリットは非常に大きいものです。
・広告費をかけずに集客できる
自社で定期的にコンテンツを制作することで、広告だけに頼らない集客の土壌も作れます。
WordPressのデメリット
・独自ドメインとサーバーがいる
WordPressを導入するためには、自社固有のドメインとサーバーが必要です。法人であれば通常は所有していると思いますが、個人事業主の場合はこの点で検討が必要です。最低でも年間7,000円程度のコストが掛かります。
・HTMLとCSSの基礎知識がいる
WordPressの魅力はその機能性ですが、カスタマイズやプラグインを頻繁に導入することで、しばしば表示崩れが起きます。これらを修正するには、基本的なHTMLやCSS、PHPといった知識が必要です。
WordPressと無料ブログの違い
よく「WordPressと無料ブログのどちらでコンテンツを作って集客するべきか?」という質問を受けます。ここでは2つの観点から考えてみましょう。
ドメインパワーの違い
ドメインパワーという考え方があります。主に以下2つの要素からなります。
・ドメインの保有年数(基本的には長いほど有利)
・ドメインに紐づく外部リンク数(良質な外部リンクが多いほど有利)
同じコンテンツを作った場合、ドメインパワーの強いサイトの方が、作ったばかりの記事でも上位表示されやすい傾向にあります。一般的に「アメブロ(ameblo.jp)」や「はてなブログ(hateblo.jp)」といったドメインは保有年数が長く、紐づく外部リンクも大量にあります。
結果、WordPress(独自ドメイン)でコンテンツを作るよりも、無料ブログでコンテンツを作ったほうが検索上位に上がるスピードは早いです。詳細は以下でもまとめています。
離脱率の違い
無料ブログの方が集客の速度は早いですが、一方で大きなデメリットもあります。それは、いざ商材を紹介するページに誘導しようとすると、離脱率が高い点です。単純に無料ブログで集めた見込み客を、記事の下に置いたバナーから自社のHPに誘導しようとした場合、それだけで沢山の離脱者が出ます。
一方、はじめから自社ドメインのブログに集めていれば、無料ブログほどの離脱者は出ない傾向にあります。そもそも商用のブログという前提で記事を読まれる点でが大きいと考えられます。
カスタマイズ性の違い
無料ブログの場合、記事の下にカートや問合せフォームを埋め込むのに一定の技術が必要です。また、それらは利用規約に違反していないか。会員登録や決済のプロセスはどうするか。予約であれば日程調整はどうするか。そうした細かい対応が必要になります。
一方でWordPressの場合は、それらの機能が予めプラグインで用意されています。自社のHPであれば、プラグインを選んで貼るだけで済むのは大きなメリットです。利用規約を確認する必要がないのも利点ですね。
WordPress導入の手順
最後にWordPress導入の手順をご紹介します。ここではまず試してみたいという方に向けて、もっとも低額で利用できる方法をお伝えします。同じGMOグループが運営するドメイン取得代行会社とレンタルサーバー会社を使うことで、スムーズにWordPressの導入を進められます。
1)ドメインを取得する・・・約500円/年
ムームードメインでドメインを取得します。お試しで作成する場合は、金額が安いドメインで構いません。
2)レンタルサーバーを用意する・・・約250円/月
続けてロリポップでレンタルサーバーの契約を行います。WordPressが利用できて、もっとも安いプランは「ロリポプラン」です。
3)WordPressをインストールする
ロリポップの管理画面からWordPressをインストールします。「WordPress簡単インストール」 というメニューが用意されているため、画面にしたがってクリックしていけば完了します。
まとめ
WordPressは便利な反面、個人的には初期の思想である「簡便性」からは少し離れたようにも感じています。HTMLやCSSの基礎知識がない場合、思い通りに使うためには学習が必要になるケースも多いです。
そのため、安易にWordPressでのHP制作やテーマ購入に予算を掛けず、まずは自身でインストールして使ってみることをお勧めします。また、そうした作業自体を苦に感じる場合は、WordPressが不向きな可能性があります。
他方でWordPressをよく理解している制作会社に、保守契約を含めて発注するという使い方も便利です。ただ、その際も「この制作会社はWordPressをよく理解している」と自身で確認ができないと、思わぬトラブルが起きるケースもありますのでご注意ください。
ちなみに、弊社のHPもすべてWordPressでできています。ご参考までに。