ある日いきなり人事になったけど、何していいか分からない。
入社したはいいものの、バックオフィス業務に詳しい上司・先輩が誰もいない。
人事ってなんかカッコ良さそうだし、なってみたいけど、ほんとはどうなんだろう?
こんな時、誰かに気軽に相談できるひとがいれば……。
はじめまして。私はあるベンチャー企業にて人事のリーダー職を務める吉村ひろみと申します。駆け出し人事のための困ったときの相談所。見にきてほっと落ち着く、そんな拠り所になるようなブログをお届けしてまいります。
“人事って採用だけでラクそうだね”
“新卒採用の時期は確かに忙しそうだけど、それ以外って早く帰れそうでうらやましい”
ITベンチャーで人事業務をしていると、時に社内からそんな声を受けることもあります。
確かに人事業務のイメージは採用が思い浮かびますが、一口に採用といっても、新卒・中途・派遣・アルバイトとざっくりわけても4種類あります。
それぞれ採用手法も違えば、必要要件もバラバラで、全部を完璧にやろうと思ったら、とても「ルーチン作業だから終わったら早く帰れる」、「目標がなくて営業より楽しそう」な仕事ではないと、声を大にして叫びたい次第であります。
また、なぜか華々しいイメージを抱かれることが多いですが、採用以外は地道な作業が多く、むしろ人事は会社の土方作業を一手に担う、縁の下の力持ち的な存在です。
ベンチャー人事の多種多様な仕事
大手企業ならいざ知らず、ベンチャーの人事業務担当で人事だけという方は少ないのでないのでしょうか。それどころか最初は人事だけだったのに、会社が大きくなるにしたがって、あれもこれもと仕事が増えてくる。結果気づいたら、仕事のびっくり箱みたいになっていることは珍しくないのではと思います。
かくいうわたしも、もともとは営業から人事・広報担当として、キャリアチェンジをした身です。異動とともに兼務に兼務を重ね、人事をメインとしたバックオィス全般を担うようになりました。そのため、仕事は何?ときかれても、
「えーと、人事と総務と労務と経理と法務も少しやっているよ!」
と答えるのもなんなので、「バックオフィス」とだけ答えるようになりました。
そういった意味では、会社で発生する全てのオペレーションを間近で見ることができるので、我こそは!というチャレンジャーな方はベンチャー企業の人事に挑戦してみるのもいい経験になるかもしれません。
人事業務のほんの一部
仕事に翻弄されながら目まぐるしく日々は過ぎていくわけですが、やはり人事業務は他のバックオフィス業務と比べても幅が広く、奥が深いです。
まずは人事の花形である、採用。
採用手法の選定ひとつとっても、求人媒体・人材紹介・スカウト型サイトの活用など、予算とタイムスケジュールとのにらめっこが続きます。
最近ではダイレクトリクルーティングというのも出てきて、ただでさえてんやわんやなのに、経営陣から「やってみてよ!』と言われた日には途方にくれることも。
採用が一息つけば、教育・研修も始まります。ここをおろそかにすると、早期離職やモチベーション低下につながるので、採用でヘトヘトでも気合で乗り切ります。
せっかく入った新人さんの社保手続きや労務関連の質問にも華麗に対応してこそ、ベンチャー人事は務まります。その間に給与計算という一大イベントをはさみます。正社員がメインの会社ならそこまで大変ではないでしょうが、近ごろのITベンチャーは、雇用形態も複雑で、それぞれの状況にあった手続きが必要になります。
そうそう、普段の実務はもちろん大切ですが評価制度の策定や理念浸透など、目に見えない仕事も多いですね。
人事のやりがい
そんな大変な思いをしながらも、なぜベンチャー企業で人事をやっているのかと聞かれれば、それはやはり『自分の会社を今より良くしたい』・『働いているメンバーにもっといい会社だと思ってほしい』という想いが根底にあるからだと思います。
やっぱり自分が関わった人が入社してくれて、楽しそうに働いている姿を見ることは嬉しいものです。いろんな会社の人事担当者と話していても、自社のことをアツく語る人の多いこと、多いこと。
みんな、自分の会社や仕事が好きなんだな、と自分を含めて実感します。
今人事に配属されて、右も左も分からず困っている人や、やってみたけど上手くいかずに悩んでいるひとへ。少しでもどうにかしたいという思いがあるなら、まだまだ大丈夫。
わたしも人事としては、まだまだスタートラインに立ったばかりです。
そんなわたしが見つけた人事業務のコツや楽しさを、これからひとつずつ一緒に共有できたら何よりです。