先日、20代から30代の女性向けに講演(女の仕事道)させていただきました。
講演終了後には、フランクな質疑応答時間に入り、仕事と家庭の両立とか、男性上司との折り合いのつけ方など、具体的でリアルな質問をたくさん受けたのですが、中でも気になったのが、
「私も、私の同僚たちも、男性から隙が無いと言われがちで恋愛へのきっかけが難しい。」
というものでした。
若くて見目麗しい女性だったので一瞬聞き違いかと思いましたが、聞けば弁護士さんだというではありませんか。
ああ。大いに納得。
瞬時に年下の飲み仲間達(いずれも医者や大手企業の管理職、経営者など)が同じように悩んでいた事が脳裏に。また、現在40代の友人達や私自身がかつて20代だった頃、早々に部長になったり、独立して「社長」という肩書を持ってしまったりして一向にモテなかった(ほぼ警戒されるレベル)のを、走馬灯のように思い出しました。
15年以上経っているというのに、恋愛市場は全く変わっていません。
それどころか、草食系男子などの出現などにより、更に「仕事がんばっちゃってる感」のある女性達がその肩書によって「隙が無い」と敬遠される傾向は強まっているのかも。
先日、ある男性(ブロガー?)の説ということで知り合いに聞いたのですが、男女が飲みに行って、男性から「彼氏いるの?」という質問を受けた場合の「大変よくできました」の答えとは、
「いないっていったら口説いてくれるんですか?」
だと聞いて、年甲斐も無く憤慨致しました。
もはや、銀座のお姉さんレベルの「高時給サービス」。
彼女達はそれを換金できるからいいようなものの、素人からすれば、真っ裸でまな板に乗って差し上げるようなもの。
そこまでしないと口説かないんかい!オラオラ!
と、誰にともなく気炎を上げておったのですが、実際男性のアンケート結果によると、
Q.あなたは、“隙のない女子”って得意? 苦手?
得意……16.2%
苦手……83.8%
(*マイナビウーマン調べ)
と、苦手が大多数!それも圧倒的に!という結果に。
これは、「ヘタレどもめ!」などとガラを悪くしている場合ではありません。
ただでさえ、その肩書や仕事への姿勢で、殿方たちに「自然の驚異」を与えてしまっている女性達は、自分達の醸し出す「隙の無さ」を見直し、「隙」の大盤振る舞いを検討する必要があるようです。
では、どのように見直し、「隙」というものを開示していくべきなのでしょうか?
この「べき」と言っている時点で既に隙がありませんので、皆さんも同時に気を付けてください。
① 脳内つっこみを入れない。
私は若い頃から現在に至るまで脳内に「大阪のおばちゃん*パンチパーマ 60歳」を飼っています。
このおばちゃんが脳内で「あんた、なにいうとんねん!」とつっこんでくれるので、身の程知らずな失言や悲劇のヒロインに酔いしれるなんてことにならずに済んでいるのですが、こと恋愛に関しては大変に邪魔でした。
自分を客観視しすぎない、そして、公的キャラ以外の自分も解放してあげる事は「隙」の第一歩。
臆面も無く好意を伝えられる事こそ大切なのです。
「彼氏がいないと言ったら口説いてくれるのですか?」という台詞に憤慨している私は絶対に見習わないように。
脳内で鋭く突っ込む「大阪のおばちゃん」はデート中には不要です。
② 愛着行動の3Sを実行せよ。
特定の対象者に向けて情緒的な結びつきを感じさせる愛着行動には、
「視線~sight」「微笑み~smile」「スキンシップ~skin-ship」
という3つのSが必要だそうです。
簡単に言うと、目を良く合わせて、にこにこしていて、ボディタッチをしろ!ってことですね。
このボディタッチは、何も「男性の膝に手をおく」とかそんなレベルじゃなくて、からかわれたら軽くたたくとか、意見が合ったらハイタッチするとか、別れ際に握手するとか、よくモテる男性が自然に繰り出している「あれ」です。
私も若い頃そうでしたし、隙の無いキャリア女性達を見聞きしていると、対象者との距離が遠いんですよ。
「軽い女に見られたくない。」という気持ちはよく解ります。
でもね、ただでさえ怖がられているのに、こちらからも警戒してどうする!っていうお話なんです。
どれだけ、何の為に、自分のパーソナルスペースを堅持しているのか、と。
先ずは自ら距離を縮めて、親近感を得られるポジションを取ってゆきましょう。
③ 「意外と可愛いところあるんだねー」にキレない。
自分の尊敬している人や相当年上の人に言われたら何とも思わないのに、ほぼ初対面の年齢が近しい男性にこれを言われると
「いったいおまえが私の何をしっているのだ?」
とキレませんか?私は若い頃キレまくりましたよ!
それも、ちょっとお水こぼしたとか、仕事の失敗話なんかを披露しただけで、奴らは「一世一代の好機!」ばりにマウンティングしてくるから余計です。
でもね、そこで隙のあるモテ女性は、
「もうー ひーどーいー」と、ほっぺの一つも可愛く膨らませるんですよ。
私のように、言語化せずとも鋭利な横顔で「おまえに言われる覚えは何一つ無い。」と相手をぶった斬る行為は絶対にいけません。男性は、軽くいじれない女性に「隙」など見出す事はできないのです。
それにね、私の場合は30歳を超えたら一切誰にも言われなくなりました。
若いお嬢さん方に置かれましては、期間限定マウンティングとして愛でる、大人の対応を!
④ 飲み会を仕切らない。
それが合コンじゃなく、先輩後輩入り混じっての「飲み会」だからかもしれませんが、完璧な仕切りを見せる年下のキャリア女性を私は数名知っています。
メンバーの好みや帰りの路線を把握してお店を予約し、会がスタートすれば
「ビール以外の人―!」
と、通る声でオーダーを始め、皆を巻きこんで会話を楽しくリードさせていくという名ファシリテーターっぷり。同性の私達はラクだし楽しいし、またお願いねーという感じなのですが、帰り道にはたと気付くのです。
男性達の影が薄かったことに。
そして、彼女達は多分、合コンでも同じ事をやっているのであろうということに。
隙ありのモテる女性は、盛り上げたり、仕切ったり、という「リード」は男性に委ねます。例え段取り悪く、盛り上がらなくとも、そこでイライラしているようでは、「隙」などほど遠い!かつての私(散々仕切り倒してきました。)が生き証人。良い事なんか何にもありませんでしたよ!
⑤ アルコールを大量に摂取する。
① ~④以外にも、早口でしゃべらないとか、いちいち話に落ちをつけないとか、議論に展開させないとか、言いたいことは山ほどあるのですが、
全てを解決するのがアルコールです。
キャリア女性は日常が戦の為、鎧が頑丈です。刺されても死なないように頑丈。
で、あるが故に脱ぐのも難しい。
お酒によって、自分が解放できて、「○○すべき」とか、もうどうでもいいわ~というレベルを長時間キープできるようになったら最高です。
鍛えすぎると私のように、濃い酒と長時間飲酒の末、お相手の男性が倒れたり、トイレに籠ったり、行方不明になったりで隙どころの騒ぎじゃないのでご用心。(全て実話です。)
ま、アルコールはオーバードーズも習慣も体に良くはないので、ファッションを変えてみるとか、ムードのあるお店の雰囲気に飲まれてみるとか、クラブで好きな音に身をゆだねてみるとか、自分の鎧を脱がす事のできるアイテムをいくつか持っていると良いでしょう。
また長々と書いてしまいましたが、ある分野の女性にとって「隙」って一番難関なんですよ。
「隙ってなんだー!」と叫びだしたいぐらいに。
それ、どこに売ってるの?とググりたいレベルに。
でも、彼女達は実際、同性で年上の私達の前では、とっても素直で可愛らしく、ある意味隙だらけなんです。
ということは、異性に対してやはり、無自覚に身構えているというのが一番の原因かもしれません。
仕事で弱みは見せなくても、プライベートでは弱みをたくさん見せていいんだよ、と、誰か優しく言ってあげて!
お願い、独身の男性陣!
横顔で非難しないようにキツく言っておくから!
現代の恋愛市場は本当に「もったいない」がいっぱいです。