商売柄相談をいただく中で多いのが、「HPに人が来ない」あるいは「広告でしかHPに人が来ない」いう問題です。
HPを覗いてみるとそれほどデザインに大きな問題もなく、SEOの内部対策についても同様。
結婚式の引き出物選びで貰うカタログのような、自画自賛のコンテンツが並んでいること以外は。
そうして聞いてみると言われる言葉。
「売れるHPを作りましょう」って言われたんですけどね・・・。
なぜ、制作会社ではなくコンサルタントに依頼が入るのか?
当社は今年の3月に立ち上げたばかりの会社です。
自社のHPで主にブログを通じて情報発信をしていますが、デザインの観点で言えば3流ですらないでしょう。
しかしながら既にHPを通じてちらほらとお問合せをいただいています。
そこには、本質的なSEOの考え方と密接に繋がりがあります。
自画自賛のコンテンツにユーザーは訪れない
企業において、唯一絶対の共通の悩みは利益を上げることです。
当然、検索エンジンでも経営者や、web担当者は日夜悩みを解消できるコンテンツを探しています。
そんな時に探し当てられるコンテンツを、制作会社が提供していないことがままあります。
ある悩みについて探していると、コンサルタントや、フリーランスのSEO対策者、はたまたSEOを学んでいるアフィリエイターやブロガーなどのコンテンツに行き着きます。
件の制作会社のHPを覗きに行くと、いかに優れたHPが作れるかという一点で並んだコンテンツと、そこに着地するリスティング広告が展開されているだけです。
なぜ、ユーザーは検索をするのか?
なぜ、私たちは毎日のように検索エンジンを利用するのでしょうか。
それは検索エンジンを使って少しでも悩みを解消したいからです。
必然的に「検索エンジンから人を集める」というお題目を立てた場合、悩みを解消してあげられるコンテンツ(=俗に言う役に立つコンテンツ)を用意しなければいけません。
本当のSEOとは何か
なぜ、制作会社ではなくコンサルタントに仕事が集まるのか?という問い。
それはコンサルタントが制作会社以上に、HPを使って売上を上げる為の考え方を提供しているからです。
※言うまでもないですが、適切なweb集客情報を提供している制作会社も少なくありません。悪しからず。
ユーザーは売れるHPを作るための情報を日夜探し、そこでたびたび登場するコンサルティングのサイトから知見を得て、結果として困った時に相談を持ちかけるという流れです。
そして、これは本質的なSEOの考え方と同様です。
SEOとは今すぐ売上が上がる魔法のテクニックでも、ファン作りのための手法でもありません。
SEOとは次の仕組みづくりを指します。
・潜在的な顧客に向けて、その悩みを解消できるコンテンツを提供する
・回答から信頼を得た結果として潜在的な顧客が見込み客に変わる
・その仕組みをweb上に広く展開し見込み客を集める財産にする
売れるHPとは何か
これを理解すれば、売れるHPという単独のサイトは存在しないことが分かります。
企業サイトを集客の観点から分けた場合、次の2種類しかありません。
・広告とセットにした、単一商材を大きく打ち出したランディングページ
→主にクロージングを目的とします。
・役に立つコンテンツにあふれた情報サイト
→主に見込み客の集客を目的とします。
集客を行う場合には、まずこのどちらを先に行うのかを決めることが肝要です。そして、すぐに効果が出るのは前者の仕組みです。
優れたクリエイティブのHPが、プレスリリースを伴って内外から反響を得るパターンもあります。
ただ、これは狙って行うには相当にハードルが高い仕組みなので、通常であれば上記に挙げたいずれかの選択でしょう。
まとめ
「売れるHPを作りましょう」という言葉は、しばしば用いられるマジックワードです。
ですが、これだけ誰しもがHPを用意できる時代に、果たして単独の「売れるHP」というものは存在するのでしょうか。
もしそのような提案を受けた場合には、次の言葉を問いかけてみてはいかがでしょうか。
「HPを作るだけでは売れないと思います。そこに人を集めるには、どのようにお考えですか?」