酒と泪と女と女

超年下男性に落ちるキャリア女性達

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ここ10年で私の仲の良い女友達(職業はベンチャー経営者、医者、マスコミ、弁護士など)はバタバタと結婚したり出産したりしてきた。

で、なんとその内の8割が年下の夫。

 

それも、かなりな年下ぶりで、4歳や6歳下なんて当たり前。中には15歳下、18歳下なんて言う年下夫もおり、その都度周囲を色々な意味でざわつかせ、友人達に号外メールを転送させてきた。

 

皆、20代の頃は、「自分より経験も知識も収入も高い人がいい。」と、公言して憚らず、実際にそのような年上男性とお付き合いしていたのに、蓋を開けてみたら綺麗に超年下婚。

 

彼女達は私と違い皆初婚だし、年下にしかモテなかった訳ではない。

傍で見ていた者から言わせてもらえれば敢えての年下。選んだ上での年下なのだ。

 

何故、仕事を頑張りすぎてしまったキャリア女性達が、超年下夫に着地するのか?

「結婚するのなら若い方がいい。」というおっさんと同じ思考だからじゃね?という見たまんまの分析は受けよう!受けるとも!

 

ただ、彼女達がその後も結婚生活を上手くやっている所を見ると、キャリア女性達と年下夫というのは、実はとても相性が良いのではないかと思い、筆を取った次第。少なくともキャリア女性側から見ると相性が良かった、出てきてくれてありがとう!と言わざるを得ない。

 

私自身も35歳の時に8歳年下のダンサーと再婚し、「踊れないルミコ」「ペタジーニ婚」などと言われ、更に同じ年に某女優さんと芸人さんが年下婚・格差婚をしたためその手の取材依頼が10件以上来て驚いた。結局そのカップルは離婚してしまったが、私の周囲ではそれに影響されることなく、着々と超年下婚が幅を利かせてきたのだ。

これからも増えるかもしれない超年下婚を、本当に後輩女性達にお奨めできるか否か?キャリア女性達の抱える婚活市場背景及び選んだ理由などを検証してみたいと思う。

 

 

理由その1「競わないから」

思えば私達はずっと、誰にも頼まれていないのに男性社会で男性と競い、恋愛市場では女装して紛れ込むも、

「へー、社長なんだ。年収はいくらぐらい?有名な社長とか知り合い?」などと正体がばれて対象男性に勝手に競われ、常在戦場状態であった。

 

脳内戦時中だから常に警戒、常に鎧をしっかと身に着けているそんな女を「可愛い」と言ってくれるのは、20歳も30歳も上の男性だけで、当然に既婚者なので、恋愛対象にも結婚対象にもなりゃしない。

そのような環境下で出会った超年下彼の、

「仕事を一生懸命頑張って来たんだね。凄いねー。」

という「競う気ゼロ」の肯定的な発言に、我々がどんなに救われたことか。向こうに戦う気が無ければ鎧も脱ぐというもの。刀なんか抜かないさ!

 

 

理由その2「マウンティングしないから」

私達はビジネスシーンで己を鍛え上げてしまったが故、「合コンさしすせそ」は知らなくても、相手の心の機微、特に男性がマウンティングしてきた瞬間などを見逃すことができない。「俺の方が上」アピールされたら、返す刀で敵を切る。

そんな反射神経&無駄な負けん気のせいで、一体いくつの恋を無くしてきたことだろうか。

 

ところが、年下彼はマウンティングして来ない。

もしかしたら本人はしているつもりかもしれないが、ちゃんとマウントできていない。

届かないマウンティングは気に障らないし、「やっぱり男の子だなぁ〜」ぐらいに都合よく変換されるというわけだ。下に恐ろしき超年下マジック!

 

 

理由その3「考え方が新しいから」

私達が結婚に対して一番怯えていたこと、それは、こんなに毎日働いているのに

「家事や育児は女がやるもの」とか、「嫁としてのタスク」とか、旧態依然とした結婚制度に組み込まれてしまう事であった。そんな匂いがすれば、若い頃から全力で逃げていたと言っても過言ではない。そして、昔の結婚制度に準じて欲しがる男性は年齢に比例して多かった。

超年下彼ということは、彼が若いだけじゃなくモデルケースである彼の両親の年齢も若く、共働きであったり、父親が家事に参加していたり、と新しい価値観を持っていて、嫁業務に力を発揮できない私達にとっては大変に都合がよかったのだと思う。

 

 

理由その4「年下の男の子だから」

若いお嬢さん方はご存じないかもしれないが、昔一世を風靡した、キャンディーズというアイドルの「年下の男の子」という曲がある。

 

「~淋しがり屋で、生意気で、憎らしいけど、好きなの〜

~ボタンの取れてるポケット、汚れて丸めたハンカチ、あいつはあいつは可愛い、年下の男の子~」

 

性格の欠点も、だらしない様も、年下だからしょうがない。逆に可愛い。という恋愛母性ダダ漏れの曲である。

この歌詞の対象が、同年代もしくは年上だったら、

「淋しがり屋で生意気で憎らしい?三重苦か!」

「身だしなみぐらいちゃんとしろ!」

となるような気がするのは私だけだろうか?

多分、この歌詞は時代背景含め、年下と言っても1〜3歳下を想定して書かれていたと思う。

まさか何十年か後に、10歳〜18歳年下想定で引用されるとは夢にも思ってもいなかったのではないか。今、まさに悪用していると実感!

 

 

理由その5「違う生物だとはっきりしているから」

男と女は違うもの。それは重々わかっている。しかし、同じ世代を見てきたものとして、共有共感できるところがありその上に共通言語があり、同世代の男女は、プライベートでは「解り合いたい」という幻想を抱いている。そして、その幻想が様々ないさかいを起こす。どうして解ってくれないの?言わなくても解るだろ!今日もどこかの男女が繰り広げているありきたりな喧嘩である。

ところが、超年下彼に対してはその幻想が少ない。バブルなんて知らないのが当たり前。私は、OL一年生だった時、会社設立に伴うスキルアップやら、恋愛やら、ぎらぎらした野望に大忙しだった訳だが、その当時夫は小学生でランドセルを背負っていたと聞いて、全ての時代的感覚的共感をあきらめた。そして、腹を括った。「全部説明しよう。」「解らない事はちゃんと聞こう。」コミュニケーションを省いたら大変なことになるという恐怖は、実は結婚生活においてとても必要な啓示だったと今は思っている。

 

 

理由その6「こだわりが強くても合わせてくれる」

30代のキャリア女性の一人暮らし。小金を持ち、余暇は自由で、年上の先輩たちにも連れまわされて色々な経験をしてきた女性達は、世界中の良い物や、自分の好みの物を貪欲に取捨選択し生活に取り入れてきた。女性の方がオタク度の割合が少ない分、快適カスタマイズ(自分用)が必要以上に念入りだ。常備する食べ物や飲み物も同世代男性からしたら???な品が並んでいると思う。そして、それはたいそう面倒くさそうな匂いを放っているとも思う。同時に、アジア風空間が好きなのに、彼の趣味空間である「アメリカンアンティーク」「ハワイアン的空間」に染まれるほど、もう体も心も柔らかくない。

ところが、超年下彼はその辺りにも頓着が無い。「良い物を知ってるんでしょ?」「僕はそれで構わないよ。」と、決定権を譲ってくれる。この件に関しても、ハードな仕事から帰って来た時特に思うのだが、心落ち着く生活空間を維持出来て、精神衛生上とてもありがたかった。

 

 

理由その7「小奇麗に生きていけるかもしれない予感がする」

先日、実年齢より5歳上に見られた私はさて置き、年下夫と結婚している友人女性達は、皆年齢不詳である。若作りしているという訳ではなく、髪や肌やスタイルなどの根本的な所に手入れが行き届いているというか、素材自体が実年齢に見えない。ミラクル!

 

だが、気持ちは解る。美容ずぼらな私ですら、体型を気にしてストレッチをしたり(飲みながらだけど)、たまにプラセンタ打ったり(何に効いているかよく解らないけれど)、若い頃日常的にやっていた「酔って化粧を落とさず寝る」をここ5年間一度もやっていない。日焼け対策だってばっちりだ。

 

何故なら、結婚をすると夫婦同伴の場がたくさんある。その際に、夫が若く妻が老けていると、逆(夫が年上)にはあり得ないようないかがわしさとわけのわからなさを世間に晒す事になる。それを避ける為にも悪あがきで何とか体裁を保っているという感じだ。42歳の私が素のまま、ありのままの姿でいたらきっと大参事であり、年上夫に甘やかされていたら、私は今頃かなりの「もののけ」になっていた自信がある。

 

私達は、っていうか私は、「老けたね。」「もうちょっと構ったほうがいいんじゃない。」などと彼氏や夫に言われたら、それはそれでキレるというこれまたやっかいな性質な訳だが、年下夫は、その皺の無い綺麗な肌を年上妻に見せつける事によって、「妻よ、老けている場合ではない。」という無言のメッセージを無意識に発しており、それは、「本当は汚くなりたくない。」と潜在的には思っているキャリア女性達に、言われてないのに諭されるという最良な形での気づきを与えてくれるのだ。

 

 

また、長々と書いてしまったが、以上のような理由で、何かと向上心及び戦闘意欲が過多なキャリア女性が超年下彼を生涯の伴侶と決め、判子をついた理由が私には実感としてある。

が、しかし、当然だが良い事ばかりではない。超年下彼氏及び夫と上手くいっている女性達には、共通の考え方や愛し方を心掛けている人が多く、その理念というかハンドリングは結構独特だ。

 

次回はその辺りをシェアしたいと思っているので、また来週。

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川崎貴子

リントス株式会社代表。経営者歴21年。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女のプロ」の異名を取る。プライベートではベンチャー経営者と結婚するも離婚。8歳年下のダンサーと2008年に再婚。12歳と5歳の娘を持つワーキングマザーでもある。著書に『私たちが仕事をやめてはいけない57の理由』(大和書房)、『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』(ベストセラーズ)、『結婚したい女子のための ハンティング・レッスン』(総合法令出版)、二村ヒトシとの共著に『モテと非モテの境界線 AV監督と女社長の恋愛相談』(講談社)等がある。

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