我が家に訪れる独身女性達の中で、結婚したいのに今一アグレッシブに動かない美女が数名存在します。
半年前位に相談に乗ったのですが、どうやら「腐れ縁の彼」が居て、その存在があるがために結婚も見えなければ、新しい恋愛にも行けないと。
私は懇々と彼を手放すよう説得しました。
「エイジングして旨くなるのは肉だけだ!」と。
ところが、半年経っても関係性は全く変わっておらず、かといって彼への愛情を再確認したとかそんな前向きな理由でも無く、ただいたずらに時が流れ30歳の彼女は31歳になり我が家へ再びやってまいりました。腐れ縁とはなかなかに手強いもののようです。
腐れ縁。
友人同士が「おまえとは腐れ縁だなー。」などと笑いながら使うのとは対照的に、恋愛においては離れようとしても離れられない仲として、好ましくない状態の場合に使われます。
渦中にいる本人達には解りづらくても外から見ると、幸せを遠ざけているのは「腐れ縁の呪縛」なんてことが意外にあるものです。
私もそうかも・・・と思った貴女。
まずは貴女と彼の「エイジング度」をチェックしてみましょう。
※ここで取り上げるエイジングとは加齢・経年ではなく、彼氏との腐れ縁度を指します。
1. 外食以外のデートをすることが殆どなくなった。
2. 喫茶店に入ると、お互いに新聞や雑誌やスマフォを手に取る。
3. ときめきは一切ないが、居心地は良いと思う。
4. セックスレスに近い。
5. 最近彼氏の前でお洒落をしていない。
6. 付き合い始めの頃の「積極的だった彼の思い出」を糧にしている。
7. 今の彼とは別れた後復縁している。
8. 同棲して3年以上が経つが具体的に結婚の話は出ていない
9. 不倫関係である。
10. 今更別れても新しい相手が出来る保証はないと思う。
11. 別れられない一番の理由は「1人になるのが淋しいから」かもしれない。
12. 責任感が強く経済的に自立している。(彼女)
13. 責任感が無く自由に生きたいと思っている。(彼氏)
14. 自己評価が低い方だ。(彼女)
上記のチェック項目で5つ以上当てはまれば、その関係は「腐れ縁」です。もう、腐りきっているので、今更冷凍しようと、表面をそぎ落とそうと、一切食べられないと思ってあきらめてください。
「子供ができた」、「彼が大病を患う」ぐらいの威力が無いと、結婚への道など自然に開かれることは無い、と断言できるほどの腐敗臭。
解っていないのは本人達だけという自覚を持ちましょう。
先ずは客観的に見て1~6は、
「結婚10年目、やっと子供に手がかからなくなってきた。家のローンは、後15年。」
というレベルの夫婦に許され始める男女の枯山水。
アラサ―女性が何の保証も無く、この立場を黙って受け入れるなんて危機感が無さすぎです!
7~9に至っては、お相手と自分のこれからをもう一度、瞳孔を開いて見つめなおしましょう。本当にそのお相手を好きなのかどうか。今一緒にいるべきなのかどうかを。
反対に早々に幸せを掴む女性達は、皆総じて「逃げ足」が早い。
不倫してたなーと思ってたらすぐにお見合いして何事も無かったかのようにバージンロードを闊歩し、婚約者が大手企業からベンチャーに移ったら問答無用に別れて次へ行く。
そんな彼女達をあっぱれと思いつつも、情が深く真面目で責任感が強いが故に、「腐れ縁」にがんじがらめになってしまう女性達の方が私は人として好きです。
そこで提案なのですが、「腐れ縁の彼氏」は実は公共の物であるという思想はどうでしょうか?
私が若い頃、そう思って長年付き合った彼を外に放り出した(別れた)事があるのですが、綺麗に次の彼女に拾われてゆきました。私の手元にあったから彼は精彩を欠いていたのであって、他のタイプの彼女の所へ行けば輝きを取り戻したのです。何て地球に優しい、エコロジーな結末でしょうか!
思うに、女性は本当に捨てるのが下手ですよね。私の母を見ていても、娘を見ていても、使わない物を「いつか使えるかも。」と言いながらいつまでもいつまでも取っておきます。そして、腐らせたり、箪笥の肥やしにしています。
私は1年間使わなかった物などは捨てるというルールを自分に課していて、一年に一度は無情にどかどかと捨てます。するとどうでしょう。我が家の狭いクローゼットに空きが出来、新しい物が買えるのです。
彼氏も同じで、あなたの余裕の無い心の中で、がっつり不良債権化していないでしょうか?
ここ1年使えなかった彼氏が、突然プロポーズしたり、突然愛情深くなったりするものでしょうか?
新しい幸せを得るには、先ずは心のクローゼットにしっかり空きを作る事。
今の彼氏と別れる事が先決です。
何故なら、「腐れ縁の呪縛」に罹っている人は、その状態で合コンに行こうと、婚活パーティに行こうと常に彼の背後霊を背負って参加しているようなものなので、モテる訳がありません。また、彼女自身が「ま、背後霊でも男は男。まぁ、いいか。」と、色々なチャンスに対して怠惰になり、益々新たな出会いを遠ざけるという悪循環に陥るからです。
新しい出会いはドキドキと高揚したりする反面、一から関係を構築したり、自分を開示したりとわずらわしい事もいっぱいあります。「面倒くさい」という考えが頭に浮かんだら、すぐさま自分に平手打ちを。自分のやる気スイッチをここぞとばかり連打してください。
と、いろいろ言われても、二人が大恋愛していた時期もあったことだし、長年一緒に居た彼を捨てるのは可愛そうだし、いつかその非情な決断を後悔するかもしれない、という不安をどうしても拭えないという貴女。
大丈夫です。
先日、ルミネの宣伝コピーが秀逸だと教わり、またしても膝を打ちまくりました。
「運命を狂わせるほどの恋を、女は忘れられる」
もう、まさに。これぞ女です。
私達女性には大変に都合よく、「忘却機能」がついています。
失恋したり、好きなのに別れたりして、「生きるの死ぬの」と大騒ぎしていた友人女性達が、しばらくすると新たな幸せをむんずと掴んで立ち上がる姿をそれこそ何度も見てきました。
女は忘れられる、運命を狂わせるほどの恋も。
だからこそ、人生が狂っても何度もやり直し、次こそが運命の人なんだと発奮し、運命を切り開く力があるのではないかと私は思います。
だからきっと大丈夫。
「一人になるのが怖いなんて、あの頃は馬鹿だったわー。」
と、10年後、可愛い子供の頭を撫でながら
「で、あの頃の腐れ縁の彼って何て名前だったっけ?」
などとビール片手に肉をつまみながら忘れてる、そんなあなたの姿が見えるようです。
10年はあっという間に経ちます。
「この彼のせいで幸せになれなかった。」と思いながらアラフォーになるか、
「私は自分の勇気と行動で幸せを勝ち取った。」と艶然と微笑むアラフォーになるか、どちらがいいかは明白。
それには、今目の前にある真っ暗なトンネルを、孤独を恐れず、一人で歩いて行く勇気を持つことだと思います。
トンネルの向こうに美しい世界があると信じて。
自分の運命を切り開けるのは、自分だけだと確信して。