結論から言うと、恥ずかしがらずに誠実に晒すということです。
よく、インターネットを使った集客とリアルの集客はどう違うか?という趣旨の話を伺いますが、詰まるところは同じです。
極端な例を挙げます。例えば、あなたがのびた君だとして、ジャイアンから「お前、明日オレのリサイタルがあるから絶対聞きに来いよ!」と言われたら、どうにかして行かずに住む方法を考えるでしょう。
けれど、実はジャイアンが音痴であることに悩んでいて、人知れず猛特訓を繰り返した後のリサイタルで、もしこの演奏で観客を満足させられなければ歌を辞めようと決意した上のものであればどうでしょう?
そうです。私たちが行くか・行かないか、買うか・買わないかを決める要素の大きな一つは、その物事の背景にあるストーリーです。
ネット集客と、リアル集客の違い
実のところ、ネットの営業活動も、リアルでの営業活動にもそのプロセスに大差はありません。いわゆる認知→関心→比較→購入のプロセスですね。
但し、このプロセスの中で言えば関心の持たせ方が異なります。
直接対面で会える営業であれば、身振り手振りや視線のやり取りで多くの情報を伝えられます。一方でネットではそういった非言語情報の要素が大きく削がれてしまいます。
その為、ユーザーは購入や問合せに当たってつぶさにそれぞれのページを比較します。その競争に勝ち抜くには、これまで営業マンの非言語対応に依存していた部分を言語化してコンテンツに落としこむ必要が生じます。
これがネット集客と、リアル集客の一番の違いです。
「差別化せよ」の勘違い
一方、ネット集客とリアル集客でよく勘違いされていることがあります。
それは「競合他社と差別化しなければいけない」というフレーズです。
もちろん、先に述べた理由から、競合に勝ち抜くためには差別化戦略は欠かせません。しかし、それはコンテンツの載せ方ではありません。
つまり動画や画像、意を尽くした言葉で差別化するということではないのです。
そもそも「差別化せよ」という意図が出る裏には、意図的に差別して見せなければ他社と大きな差はないことを自ら示すものでもあります。
大差ない商材を手練手管で差別化させる手法は、いわゆる虚飾と呼ばれるものです。
虚飾された広告に飽きた私たち
もちろん、虚飾が悪いわけではありません。
ですが、その手法に私たちはもう飽き飽きしてしまったのです。あなたもそうではないでしょうか。
普段の食事から、日用品、プレゼントまで、他と圧倒的に異なる商材を目にすることはそうはありません。では、私たちは大差ない商材からどんな違いを見出しているのか?
そうです、商材の裏に潜む非言語的な要素です。
冒頭のジャイアンの話に戻って言えば、ただのリサイタルに私たちは飽き飽きしています。けれど、次のリサイタルに掛けるジャイアンの想い。それまでに費やした時間。今回に掛ける覚悟。
そうした要素を背景として知っていることで、私たちは選択を変える判断軸を持っています。そして、それは元来私たちが持っている「惹かれるものを買いたい」という欲求です。
まとめ
インターネット集客に欠かせないたった一つのコツ、それは恥ずかしがらずに誠実に晒すことだと書きました。
あなたの会社は「いいね!があまり付かなかったらどうしよう…」という理由でFacebookページを使わずにいたりはしませんか?
「誤解を生む表現をしてはまずい」とブログは使わず、公的なニュースリリースでしか発信していなかったりしませんか?
ここでお話したのはあくまで一つの例ですが、恐れも誤解もゼロにはなりません。
ただ、そうしたことを恐れずに自分たちの素を知ってもらおう、商材に掛ける本当の想いを知ってもらおうという姿勢は行間に表れ、その積み重ねがストーリーとなり購買を後押しします。
虚飾された広告が少しずつ効果を失う今、自分たちのありのままを見せることが求められています。