昨年はなんだかTVや新聞などの既存メディアが本当にぱっとしませんでしたね。逆に、インターネットを媒体としたメディアの台頭はものすごく目立った年だったと思います。
今やPCよりもやスマートフォンのユーザー層のほうが多くなり、これまでの比率との逆転が顕著になった年でもありました。
今回は「安定したweb集客を行うための基本」についてお話ししていきたいと思います。前回の他連載で「SEO診断について「ライバルサイトを丸裸にする診断ツール3選」をご紹介いたしましたが、今年も恐らく前述した傾向はさらに顕著になってくると思います。
ぜひ改めてweb集客においての基本施策のおさらいを踏まえてチェックしていきましょう!
リスティング、Facebook広告
アクセス数を上げる基本的なものとしてはずせないのはやはり「広告」です。
web集客の基本ではりますが、この基本の集客法、一歩間違えれば非常に無駄なコストばかりがかかり、一向に成果に繋がらない…といった形で泣き目を見た方もいらっしゃるのではないでしょうか?
リスティングやFacebook広告をなさっている方はぜひ上の図を見てみてください。また、これから広告を出してみようとお考えの方もぜひご一読ください。有名な「ロングテール」と「ビッグワード」との関連を示したグラフです。何をいまさらと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、いやはや、これは日々アクセスを追い求めていくとついつい忘れてしまいがちなことなのです。
改めてみていきましょう。
上の図の縦軸は「販売数」、横軸は「商品」です。広告出稿の際のキーワードはこのロングテール部分をぜひ攻めてみてください。緑部分のビッグワード部分は非常に販売数が高いのですが、横幅の「商品」部分が薄いです。逆にロングテール部分は「販売数」こそぱっとしませんが、「商品」は右へ右へと延々と続いてゆきます。
リスティングやFacebook広告に広告出稿する際に、ご自身のサイトのキーワード設定はどのように決められたものでしょうか?
単純に取り扱い商品のブランド名などで決めてしまっていませんか?
ビッグワードで設定してしまうと、非常に購買意欲の低いユーザーが波のように押し寄せてきます。また、ロングテールで攻めたキーワードはアクセスはさほど伸びませんが購買意欲は非常に高いです。
ここで一例をあげてご一緒に考えていきましょう。
主に海外のインポートブランドのスーツを取り扱うECサイトがあったとします。取り扱うブランドは「グッチ」や「アルマーニ」が主力です。
では、なにをどう見直してゆけばよいのか?
その具体策がこちらです。
これはGoogleAdwordsの運用ツールのひとつである「キーワードプランナー」で実際の検索数を調べてみたものです。
(Adwordsをお使いの方はページ上部の「運用ツール」から進むと「キーワードプランナー」が見つかるはずです)
棒グラフは2013年12月から2014年11月までのものです。
この期間中に検索されたキーワードを比較したのがそのグラフの下にある表です。
拡大するとこうなっています。
キーワードの右隣にあるのが上のグラフの期間中の月間平均検索数です。
ご覧の通りやはり「アルマーニ」は一桁違います。
これが避けておいたほうが無難なビッグワードです。
ビッグワードから少しテール(尻尾)を伸ばしたものが「アルマーニ スーツ」で、さらにテールは伸びてゆき「イタリア スーツ」、「イタリア製 スーツ」とどんどん検索数は下がっていきます。
まだまだキーワード候補はありそうですが、この4つに絞って考えたみた場合、一番広告出稿時のキーワードとして有効なのはどれだと思いますか?
「アルマーニ」の検索数は非常に多いのですが、メインの取り扱いが「スーツ」であることから、非常に競合が多くなる可能性があります。アルマーニはスーツ以外にもアクセサリー、ネクタイ、靴、コートなど、これらを買い求める人々も恐らくこの検索数の中に入り込んできていますよね。
そこで少しテールを伸ばして、「アルマーニ スーツ」とするとどうでしょうか?
これであれば購買意欲も「アルマーニ」よりかは高くなると思います。
では「イタリア スーツ」や「イタリア製 スーツ」はどうでしょうか? これは「アルマーニ スーツ」と比べてさらに検索数は落ちます。そして購買意欲の観点から見るとやはり「アルマーニ スーツ」にはかないません。
よくやりがちなのが、「アルマーニ」も「グッチ」も取り扱っているから、「イタリア製 スーツ」、「イタリア スーツ」にしよう。
という考え方です。さまざまな販売商品の特質上違った考え方はありそうですが、ことに「スーツ」に的を絞り、さらに「自分が買う側の気持ちに立って」みると非常に良くわかります。
スーツがほしいとして、やはり「ブランド」は重要ではないでしょうか?
「イタリア製のスーツであればなんでもいい」と考える人と、
「アルマーニのスーツがほしい」、「もしくはグッチのスーツがほしい」
と考える人のほうが購買意欲は高いですよね。
なので、広告キーワードとしては「アルマーニ スーツ」と「グッチ スーツ」で出すべきなのです。
GoogleAdwordsのキーワードプランナーはこのように非常に強力なツールです。Adwords自体は無料で利用できますので、たとえばとくに広告出稿などを考えていなくても、このキーワードプランナーでSEO上有利なキーワードを探し出すために使うツールとしても非常に強力です。
もしご自身のサイトのキーワードの検索ボリュームの具体的な数値がわからない。
といった方はぜひ、この「キーワードプランナー」で計測をしてみてください。
また、キーワード自体の見直しも一年の事始としては有効かもしれません。
その場合は類義語辞典を引いてみてください。
インターネット上でも類義語辞典のサービスがありますので、お手元にない場合は「weblio 類語辞典」でご自身のサイトで設定されているキーワードの類義語を打ち出ししてみてください。
そうしてその打ち出した類義語キーワード先ほどのキーワードプランナーでどれくらい検索がされているのか見てみてください。
もしかすると非常に有効なロングテールが見つかるかもしれませんよ。
SEO(コンテンツの更新、SNSの更新)
さて、次はSEOです。
SEOに関しては非常に多くの小手先の技や、ティップス的なものが巷で多く語られていますが、なんといってもSEOで一番重要になってくるのはやはりコンテンツの質と更新頻度です。
コンテンツの質が悪ければ、外部サイトやSNSからの参照数が減り、ページ自体のランクは低迷します。
また、いくらコンテンツの質が良くても、サイトの更新頻度が低ければGoogleは「このサイトは更新頻度が低いので生きた情報を届けておらず、とくにユーザーにとって大切なページではないのでは?」と判断します。
更新はなかなか難しい部分はあるのですが、たとえば一度サイトにアップしたきり半年も更新がないのと、月に1回でも更新があるのとでは検索順位にも影響がしてきます。
ユーザーの側に立って、少しでも有益になるようなコンテンツを提供することこそ、SEOで最も重視すべき点です。その考え方のもとにたって、SEOのテクニックをさらに使って安定したweb集客を目指していきましょう。
顧客コミュニケーション
さて次に重要になってくるのが既存顧客に対してのアクションです。
100人の新規顧客を集めるのと、50人の顧客に2回来てもらうのと、どちらが大変でしょうか?
なかなか一概には言えないのですが、「リピーター」という考え方は前述のような考え方以外に、
“50人の顧客がもしかしたら2回、3回、4回と来てくれるかもしれない”
といった大きな可能性を秘めている部分なのです。
この部分は忘れていると非常に大きな損をします。恐らく100人の新規顧客を集めるよりも、集客の点だけで考えれば圧倒低に後者のほうが合理的なような気さえしてきます。
webの特質上、顔を合わせずサービスを行うので、本当に創意工夫が必要になってきます。
誰もが使えるわかりやすいサイトへ
サイトを使いやすくする、サイトをシンプルに、誰にでもわかりやすくする。
「うちのサイトは若い子が多くて、PCの扱いになれた人が多いから…」というのはあまりよくありません。
サイトのレイアウト、購入ボタンの位置、写真の見せ方、ナビゲーション、これらが本当に合理的にシンプルになっているサイトはそれだけでも非常に強いです。
「あのサイトはすごく買いやすかったからまた使ってみよう」
と思わせることができれば、あなたの勝ちです。
購入するまで何回もページ遷移があったり、そもそもどこから買えばいいのかわからない、内容がまわりくどくわかりずらい。
これでは恐らく2回目はないのではないでしょうか?
webだからこその「顧客コミュニケーション」の重要性
さて、購入してくださったお客様に商品をお送りし、商品といっしょにご挨拶のお手紙も入れて次回購入へのリピート戦略もバッチリ。
と、これだけで終わってしまってはもったいないです。
サイト上の工夫として、いつも購入している商品をプッシュしてみたり(このときは「お買い忘れはありませんか?」といった形で出してみるのはどうでしょう?)、さらに、メールマガジンも購読してくださっているお客様に向けては、そのお客様の購入頻度に合わせて入荷情報をお届けしたり…。
よくあるのはお客様のお誕生日を絡めたセール案内メールですよね。
こういったリピートへの創意工夫は本当に大切です。メールマガジン以外にもセミナーや商品説明会などの開催なども非常に有効です。
アイディアはつきませんが、web集客はこういった本当に細かな部分から大きな部分まで踏まえて、「楽しみながら」考え、実際にどんどん取り組んでゆくことが一番重要です。骨の折れるお仕事ではありますが、この基本を淡々と守り、日々実行しているサイトがやはり「勝者」になっているのではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
web集客の方策は本当に多岐にわたっているのですが、今回はその中でも特に大切なリスティング、SEO、顧客コミュニケーションの3つに絞って改めて考え方のおさらいをしてみました。
ぜひ、今回の連載で改めてこららの基本を見直していただき、お役に立てていただければと思います。