1つの記事やコンテンツのように見えて、実は広告だった。それは、ネイティブアドというものです。
サイトやアプリに馴染んだデザインやカタチで表示されるのが、ネイティブアド。画面に溶け込んでいるので、広告らしさは軽減されていますが、れっきとした広告なのです。
ネイティブアドって、何のためにあるのでしょうか。ユーザーをうまく騙したいから?そういうわけでは、ないんです。
今回は2つの疑問を解決しましょう。
・企業としてネイティブアドを使うメリットって?
・ユーザーとしてのメリットって?気をつけるべきことは?
ネイティブアドってなんだ?
2つの疑問を解決する前に、ネイティブアドがどんなものかをカンタンに紹介します。
たとえばTwitterの画面を見てみましょう。以下の図の、赤い点線で囲った部分がネイティブアドです。1つの投稿のように見えますよね。
ご存知の通り、Twitterのタイムラインには、自分がフォローしたアカウントの投稿しか表示されません。わたしはAudi Japanをフォローしていませんが、タイムラインに表示されています。つまり、広告なわけです。
一見、1つの投稿に見えてしまうので「広告ですよ」とわかるよう、赤い実線で丸く囲ったように「プロモーション」と書かれています。ネイティブアドには基本的に「プロモーション」、「PR」、「広告」などと記載されています。
書かなければ、ステマと取られてしまうかもしれないからです。
毎日たくさんの情報が更新されるWebメディアにも、このネイティブアド枠が用意されていることが多いですね。わたしがよく読んでいるサイトでは以下の図のように表示されています。
ネイティブアドには6つの種類があると言われていますが、詳しい種類はまた別の機会に。
ネイティブアドはなぜできた?
記事だと思ってクリックしたのに広告だったなんて、ちょっと裏切られた気分という人もいるかもしれませんね。でも、ユーザーを裏切るために作られたものではありません。
ご存知のバナー広告が一般化して、「ターゲティング広告」と呼ばれるものも増えました。いくつかの別のサイトを見ても、毎回同じ広告が出てくるなんてこと、ありませんか?これがターゲティング広告です。
毎回同じ広告であるだけじゃなく、以前検索したことがある単語に関係する広告だったりして、「なんだか監視されて、追いかけられてるようで不愉快」という人も少なくはありません。
ターゲティング広告が急増して、「もう追いかけられたくない!」というユーザーも増えました。その結果、多くのユーザーが広告らしい広告をクリックしなくなってしまったのです。
そこで出てきたのがネイティブアド。実際には、ネイティブアドのうちの数種類は、ターゲティング広告が急増する前からあったのですが、とくに増えたのは上記の理由からです。
企業にもわたしたちにも、双方にメリットがある
何度も言いますが、ユーザーを騙すために、デザインになじませた広告が流行っているわけではありません。
そもそも広告っていうのは本来、悪いものではありませんよね。
企業は、みんなのことを考えて、世の中の役に立つものをせっかく作ったわけです。そんな「いい商品やサービスがあるんだよ」というのを伝える方法として、広告があるわけです。ユーザーにいいものがあるってことを伝えよう、役に立とうというのが根本にあります。
ユーザーとっても、自分のためになるかもしれない、新しい情報に出会える1つの大切な場所です。
双方にストレスなく出会える新しい場所がネイティブアドなんです。冒頭で掲げた問いに答えるカタチで、まとめてみましょう。
・企業としてネイティブアドを使うメリットって?
押されなくなってしまった広告を、別の視点で見てもらえるようになります。ユーザーに嫌悪感を持たれることなく、さりげなく広告を打つことができるんです。
それにバナー広告では、限られた小さな枠の中にしか情報を書き込むことができませんでした。でも、たとえば上記に掲載したTwitterでは、クリックされなくてもテキストと動画でアピールできるなど、自由度が高いものもあるのです。
Webメディアの記事一覧に表示されるネイティブアドなら、クリックしてもらわなければ全容は伝えられませんが、それでも引きの強いタイトルをつけることで、その先のコンテンツをユーザーに読んでもらうことができます。
・ユーザーとしてのメリットって?気をつけるべきことは?
ユーザー目線では、広告と付き合いやすくなったというのがいいところですね。
多くのWebメディアでは、そのサイトにふさわしくない広告は許可していません。車のサイトなら車に関連したネイティブアド。美容のサイトなら、美容に関連したネイティブアドが基本。そのため、ユーザーとして出会う価値が高い広告である場合が多いんです。
また、基本的には広告主の企業が伝えたいことをコンテンツにしているのですが、記事になっている広告なら、サイトの編集部やライターが書くことも多いんです。編集部は、ユーザーにとって不利益な情報や、ユーザーからの信頼を失ってしまうようなコンテンツを公開したくはないので、その場合は信頼度が高いと言えますね。
とはいえ、本当に純粋に編集部やライターがいいと思ったからいいと書かれているわけではない場合もあるので、広告だと知りながら付き合うことが大事です。
いずれにしても、自分にとって有益でベストな情報に出会えたとすれば、それが広告であろうが記事などの純粋なコンテンツであろうが関係ないはず。
そういう意味で、広告だと知りながら情報を得ることができれば、ネイティブアドはユーザーにとっても、ステキなものとなります。
ネイティブアドで、必要な情報がストレスなく届くというは、企業にとってもユーザーにとっても、よいことだというのを、おわかりいただけたでしょうか。