これまでも何度もお伝えしているのですが「集客さえできればよいという問題ではない」「話題にさえなればよいワケではない」というのがPR的な視点です。
PRって、ステークホルダーとのよい関係を構築すること。だから「とにかくバズらせよう!」というのは、本質的ではないんです。
もちろんバズマーケティングや炎上マーケティングで「話題にさえなればいい!」という企業も少なからず存在します。
みなさんは、どんな風にユーザーと付き合っていきたいですか?
今回は「炎上」について、リスクヘッジの方法も含めて考えてみます!
炎上まっただ中「ブレンディ」のCM
いま「炎上」まっただ中の話題といえば「ブレンディ」のCMでしょうか。
Webメディアやソーシャルメディア上では「ホラー」「気持ち悪い」「女性差別」など大反響が巻き起こっています。
そもそもWeb限定ムービーだった、この「挽きたてカフェオレ『旅立ち』篇」。公開されたのは2014年11月でした。が、先日のシンガポールの広告イベントで賞を受賞したことから、英語字幕などがつけられ拡散。いまになって物議を醸しているんです。
https://www.youtube.com/watch?v=rUWutkifbI0#action=share
内容をカンタンに説明すると、擬人化した牛たちが高校を卒業するというストーリー。卒業証書授与とともに、進路が言い渡されます。
ある牛は動物園に、ある牛は食肉に……。そして主人公はブレンディへ。校長先生から「濃い牛乳を出し続けるんだよ」と言葉をかけられます。
わたし個人的には……吐き気がしましたm(__)mすみません。
参照:ブレンディのCMマジで気が狂ってる。作った人頭大丈夫?
際どいコンテンツは慎重に!
斬新なアイデアや、人々の感情を動かすコンテンツを作ることは大切ですよね。でも、たとえそれが「不快感」だったとしても、話題になりさえすればOKなのでしょうか?
何事も、万人の賛同を得ることなんてできません。でも、企業として周囲の人々に“なるべく不快な思いをさせない“、“なるべく喜んでもらう”というあり方は、とっても大事です。
炎上して、認知が一気に広まったとしても、ファンがごっそり減ってしまったら元も子もありませんよね。際どいコンテンツづくりには慎重さが必要です。
本件は、慎重さゆえにWeb限定ムービーとして公開していたのかもしれません。でも、Webコンテンツだからこそ、いつどこでまた拾われるかわからないというのも忘れないようにしなきゃいけませんね。
そもそも“好かれる”コンテンツづくりを
そうはいっても、当り障りのないコンテンツばかりつくっていても、差別化できない!社会に影響を与えることもできない!そんな意見もあるかもしれません。
それなら、世界中に人々を幸せにしながらバズった話題や事例に目を向けてみましょう。
炎上させられるような突飛なアイデアが思い浮かぶくらい優秀なコンサルタントやプランナーなら、「不快感」ではない、プラスの感情を生むコンテンツだってきっとつくれるはず。
なるべくよい関係、信頼してもらえる関係をつくれるようなコンテンツを作っていきませんか?
炎上のリスクを避けるには
ブレンディの一件は、炎上を狙ってつくられたものではないかもしれませんよね。際どい内容であれば、勝手に火がついてしまうこともあります。または、なんの悪意もないのに炎上することだってあり得るのです。
炎上リスクを避けるには、どうすればよいのでしょうか。
たとえば、以下のようなことに気をつけましょう。事例を交えて説明しますね。
1. なるべく「不快感」よりも「好感」を生むコンテンツをつくる
2. じぶんを含め、社員やスタッフのあり方を見直す
3. 営業やマーケティングツールの自動化は、ほどほどに
4. ソーシャルメディアはこまめにチェック+対策を共有
1.「不快感」よりも「好感」を生むコンテンツを
こちらは、前述の「ブレンディ」の例から学んだ通りですね。
2. あり方を見直す
大きな制作物でなくても、ブログやソーシャルメディアで誰かを批判していたことが明るみになる例もあります。
たとえば2014年に少々話題になったのが、Yahoo!の社員さんが、とある個人の投稿にたいして「しょーもない」とコメントしたことが発端となった一件。
企業名を明かし、企業の一員として存在している以上、個人アカウントだとしても「Yahoo!の社員の一件」と、世間にうつってしまうものです。
社員やスタッフを抱えているなら、このあたりのリスク管理は必須と言えます。
また、じぶん自身も、どこで誰が見られているかわかりません。事業主である以上、軽はずみな批判、行動、発言は避けておいた方がよさそうです。
じぶんも含め、社員やスタッフのあり方を定期的に見直すことも、大事ですね。
3. 自動化は、ほどほどに
ついつい、自動化したくなるのがメールやソーシャルメディア。こまめに更新するものであればあるほど、めんどくさくなっていくものですよね。
でも、受け取り手の気持ちを考えれば、自動化された文章が送られてくるのって嬉しいことでしょうか……?
めんどうなことを、丁寧にやる。それこそ、信頼関係を構築するカギだとわたし、思うんです。
企業規模によっては、手作業で1人1人に営業メール送ろう!とまでは、言えませんが、毎度同じように多くの人にバラ巻いているようなメールばかり来たらどうでしょう?
また、資料を請求したらメルマガに登録するかどうかを選ぶ余地なく、勝手に登録されてしまうこともありますよね。登録した覚えのないメルマガが毎日届くのって、どうでしょう?
ソーシャルメディアでも、自動化が原因で炎上しています。少し古い事例ですが2010年UCCのキャンペーンより。
参照:炎上マーケティング?UCCのキャンペーンbotがひどすぎる件
炎上とまではいかないとしても、相手に不信感を与える自動化は、ほどほどにしたいものですね。
4. こまめなチェック+対策共有
とくにソーシャルメディアカウントを持っているなら、こまめにチェックしましょう。新しいサービスをローンチしたときや、新しいコンテンツを公開したときなんかは、とくに。
PRの視点では「噂になっているからOK」ではありません。「どんな風に噂されているか」が重要!
「店員さんの態度が悪かった」「あんまりいい製品じゃなかった」なんてコメントを見つけたら、どう対応するか、マニュアルをつくっておきましょう。
とくにスタッフが多ければ多いほど、見つけた人が即座に対応できるよう(コメントを返すのか、担当者に連絡するのかなど)マニュアルの共有をしておくと安心ですね。
近年、ソーシャルメディアによる風評被害がとっても増えていますよね。マクドナルドやペヤングの例は記憶に新しいのではないでしょうか。
真偽がわからない、急な炎上が増えているいま、もし「悪評」ですまない「炎上」に出会ってしまったとき、どんな対策をとるかというのも、過去の事例に習いながら考えておくとよいかもしれません。
参照:異物混入から復活のペヤング マクドナルドと何が違ったのか
自社のPRを考える際には、ぜひ炎上の危機管理も戦略に入れておいてください。