Googleの新たな発表には、つねに世界中から注目が集まります。
今回は、サーチエンジンのグローバルヘッドAmit Singhal氏の発表に対する、興味深い分析記事、ITジャーナリストの男性が公開した「Google’s growing problem: 50% of people do zero searches per day on mobile」をご紹介します。
日本においてはGigazineがいち早く翻訳記事を公開し、拡散され、一部で議論を巻き起こしています。
モバイル端末利用者の2人に1人がGoogle検索せず
Amit Singhal氏はRe/Code conferenceの中で「Google検索へのアクセスは、半数以上がモバイル端末からだ」と発言しました。
しかし、これを受けて参考記事の作者であるITジャーナリストは「モバイル端末利用者の2人に1人がGoogle検索しない」という分析結果を報告。
まず、記事作者が調べたデータによれば以下のようなことが確認できます。
・Googleで1か月検索されている数は、1000億回以上(デスクトップ、タブレット、モバイルの合計)
・アクティブなGoogle Androidのユーザーは、およそ14億台
・毎月の活発にGoogle Playを利用しているユーザーは、およそ10億人
・世界中で使用されているPCの台数は、15億台
・世界中で使用されているiPhoneは、およそ4億台(そのうち、おそらく1億台は中国にあるとされている)
・iPhoneとAndroid以外のスマートフォンが、およそ1億台
それを踏まえたうえで、世界中のモバイル端末からの検索数を計算すると、モバイル端末を持つ2人に1人が1日1回もGoogle検索を利用しないという結果が出るというのです。
念のため、具体的にどうやって算出したのか、記載しておきますね。数学が非常に苦手なかみむらが先導いたしますので、やさしいはず!
順番を追って、丁寧に見てきましょう。
1.1端末あたりの検索回数は1日1回に満たない
まず、「1端末あたりの検索回数は1日1回に満たない」という結果が導き出されているので、はじめのステップとして解説しましょう。
Singhal氏は以前(7月)「約10カ国において、モバイルからのGoogle検索へのアクセス数がデスクトップを超えている」と発言しました。
その中に、中国は入っていないと考えて間違いないでしょう。中国本土ではGoogleの利用が禁止されています。iPhoneもAndroidも百度(バイドゥ)を使っているんです。
ということで、先ほどのデータから、iPhoneとAndroidのユーザー数を足します(4億+14億台=18億台)。ここから中国での台数(1億台)を引きます。さらに、世界中にあるiPhoneとAndroid以外のスマホを足しましょう(1億台)。
すると、中国を抜いた世界中にあるスマホは、18億台となります。
4億台+14億台−1億台+1億台=18億台
Googleで1か月に検索されている数が、1000億回以上でしたね。で、この半数がモバイル端末とのことでしたね。ということで、ざっくり30日間で検索される数を500億回とします。
500億回を18億台分の30日間で割ってみると、平均0.95回という結果がでるんです。
500億回÷(18億台×30日)=0.95回
つまり、1端末あたりの検索回数は1日1回に満たないということですね。
2.モバイル以外の端末からは1日1回強の検索
さらに深掘りしてみましょう。世界中にはPCが15億台、タブレットが3億台あるとされています。
でも、すべてのデバイスが検索可能なわけではありません。
企業によっては、インターネットの使用を規制しているところもありますし、仕事中に検索しないようにとGoogleの使用だけを制限しているところもありますよね。
仮に、世界中にある企業向けPCと個人向けPCの割合を「6:4」と仮定して、企業向けPCが9億台、個人向けPCが6億台としてみましょう。
で、企業向けの半分はGoogleを利用できないとします。
そうすると、企業向けPCが4.5億台、個人向けPCが6億台です。そこにタブレットの3億台を足しましょう。
すべて足すと、世界中で有効な端末は13.5億台ということになります。
4.5億台+6億台+3億台=13.5億台
これを、モバイルからの検索以外の毎月500億回という検索数で見てみると、平均1.23回です。
500億回÷(13.5億台×30日)=1.23回
3.55%の人がデスクトップとタブレットから1日1回検索
ここからは数学が苦手なわたしにはもうワケがわからないのですが、2.の計算からデスクトップとタブレット端末における「Mode(最頻値)」と「Mean(平均値)」を導き出して、図にしてあるのでご紹介しましょう。
「Mode(最頻値)」は0.9です。算出方法は、中学数学で習うようですが、わたしには不明なので、説明を省かせてください。「Mean(平均値)」は2.で出てきた1.23ですね。
それをグラフにすると以下のようになるそうです。(なぜか?は数学が苦手なわたしには、またまた不明)
グラフを見ると、1日に1回検索する人は55%、1日2回検索する人が15%、1日4回検索する人は5%以下ということがわかります。
そして、93%の人が毎日7回以下の検索をPCまたはタブレットからおこなっていることも表わしています。
また、93%の人が1日1回以上検索しているということがわかりますね。
4.モバイルから1日1回以上検索する人は47%!
同じように、モバイル検索の傾向を導き出すと、「Mode(最頻値)」が0.5、「Mean(平均値)が0.925になります。グラフはこちらです。
ここからわかることは、93%の人が毎日7回以下の検索をモバイル端末から行っているということ。
一方で、1日1回以上検索する人は47%にとどまっていることもわかります。
はあ。
ようやく表題の「スマホユーザーの50%はGoogle検索を利用しない」にたどりつきました!!!
右脳系のわたしにとっては、頭が痛くなるような計算でした。
で、Googleはモバイル対策、どうするの?
記事の作者は、モバイル利用者がアプリに依存しきっているという点を指摘。
モバイル利用者は、Googleが求めるように検索を使ってくれません。せいぜいアプリのストアで、好みのアプリを検索する程度のものです。
Googleがどれほど、検索の利用を願っても、すぐにそれをうながす解決策はいまのところ見つかりそうにありません。(多くのユーザーがFacebook経由でニュースや情報を得ているという事実もありますし)
Googleはモバイルウェブの第2ステージに立っていると言えます。
今回の結果を踏まえて、Googleはどのようにモバイル対策していくのでしょう?というのが、結局、この記事で言いたいことのようです。
ふむふむ。
今後もますますGoogleの動向への注目は高まること間違いなしですね!