多くのメディアで連載を持つ人気ライターのトイアンナさんと、女のプロ川崎貴子の初対談。3日間に分けてお送りする対談の第1回は「実はダメンズとの恋愛を繰り返していて……」と語るトイアンナさんが見出した結婚に向けた理想的なクロージング方法についてです。
川崎貴子
株式会社ジョヤンテ代表取締役。ninoyaブログにて「酒と泪と女と女」を連載。『結婚したい女子のための ハンティング・レッスン』(総合法令出版)ほか著書多数。
トイアンナ
外資系OL、ライター。外資系企業にてマーケティングを約4年間担当。人気ブログ「外資系OLのぐだぐだ」ほかWebメディアでの連載多数。
(取材・文/朝井麻由美)
川崎貴子(以下、川崎):私、トイアンナさんのブログを以前から拝見していて、初めて読んだのが「飯マズ」の記事で(笑)うちも飯マズ家庭だったんですよ。母が同じように料理センスゼロなのにアレンジャーで、我々は同じサバイバーだと(笑)だからあのブログを読んた時、見ず知らずのトイアンナさんをギュッと抱き締めたくてもう……!
トイアンナ(以下、トイ):大変恐縮です。
――今回は、川崎さんの新刊『結婚したい女子のためのハンティング・レッスン』にちなんで、「失敗しない男性のハンティング方法」をテーマに、お二人に語っていただければと思っております。
川崎:「飯マズ」記事のほかにも、トイアンナさんの書かれているものを読ませていただきました。かつて、ご自身が交際していた彼を理詰めで説得してご結婚された話を『AM』さんで書いていらっしゃいましたよね。まさに殿方の“ハンティング”の実績をお持ちでいらっしゃるので、お話しできるのを楽しみにしていました。
トイ:恐れ入ります。川崎さん……さん付けで恐縮ですが、私も川崎さんのことを淑女のロールモデルとしてお慕い申し上げておりましたので、光栄です。
川崎:世の中には、お互い好き同士でも、いつまでも結婚しないカップルがたくさんいます。二人が良いならそれでいいのですが、特に女性側が「プロポーズは男性からしてほしい」と待っているケース。これがとても多いんですね。お付き合いするときの告白も同じで、男性からの決定打を待っていて進展しない、という女性は本当にたくさんいますね。
『結婚したい女子のためのハンティング・レッスン』にも書いたんですが、ぼやぼやしてると「横からとられちゃうよ」と。告白にしてもプロポーズにしても、進展させたいほうがすればいい。待ちの姿勢、受け身の姿勢の女性たちの意識を変えたいという思いをこの本に込めました。
そういう意味で、トイアンナさんの結婚へのクロージングは理想的だと感じています。まずは、トイアンナさんが彼と結婚されたご経緯をお話しいただいてもいいですか?
トイ:はい。そもそも、結婚に至るまでに何人かとお付き合いした中で、夫が初の有職者だったんです(笑)。それまでのお相手は見事にダメンズ続きで。
川崎:それまではどんな方とお付き合いされてきたんですか?
トイ:殴る人、浮気する人、私が200万円貢いだ人など……。こんな恋愛を繰り返すうちに、さすがに自分には見る目がないということを悟るに至りまして、これは判断をアウトソーシングするしかない、と。
それ以降付き合おうといってくださった方は全員、私の友人3人に面接してもらうことにしたんです。私は絶対に見る目がない。でも友人3人がOKと言ったら、おそらく私一人で判断するよりもうまくいく確率は高いはずですので。それで3人から交際OKが出たのが、今の夫でした。
一同:(笑)
トイ:友人には面接だけでなく、付き合う前に相手に確認しておくべきチェックリストも作ってもらいました。
――それは具体的にはどのような?
トイ:付き合っていく上で価値観の相違が起こりそうなことに関するチェックリストです。たとえば、「あなたが定義する浮気を自由に書いてください」。これはどこからが浮気になるのかの線引きのすり合わせをしておくための項目ですね。
あと、私はキャリアを大事にしたいので、働き続けることで揉めないために、「女性が結婚後も働くことについてどう思いますか?」、「あなたのお母さんはどうでしたか?」といった項目。
それから、「海外に住むことについてどう思っていますか?or住んだことがありますか?」。私、日本に住み続けるかどうかが分からないとずっと感じていまして、そこが一致していないと恋愛も結婚も続けられませんので。
川崎:キャリアを積む上で、「えっ、海外に行くの?」と言ってくるタイプの男性は、トイアンナさんとは合わない相手、ということですね。
トイ:はい。事前にすり合せをしておけば、ケンカは起き得ません。たとえばもし、私の中での浮気の定義が「誰か別の方とセックスしても浮気ではない」だったとしても、その定義が事前に承諾されていれば、「この子はそういう考え方だから」という話になりますよね。
浮気でケンカするのって、お互いの前提が違っていることが原因ですので。片方が「なにあんた、ほかの女と食事してるの」と言い出して、もう片方が「え、食事くらい浮気じゃないでしょ」、「いや、彼女いたらそんなこと普通しないでしょ」といった具合に。
川崎:その事前のすり合わせで、ご主人の浮気のラインはどこからだったのですか?
トイ:「手をつなぐのは大丈夫だが、自分の部屋もしくは相手の男性の部屋で一対一になることはNG」でした。その論拠を求めたところ、「あなた(トイアンナ)は信用できます。でもあなたに手を出そうとする男性が信用できません」という回答でした。
川崎:なるほど。線引きの論拠も分かりやすいですね。
トイ:ただ私、バイセクシュアルなんです。なので「じゃあ女性は?」と聞くと、「女性は特に制限はない」というんです。ですので、たとえば私が女子大生を口説いちゃっても浮気ではないんです(笑)
――それはまた不思議な話ですね……。女子大生だろうが、年上の男性だろうが、はたまた、“女友達”として会っている方ですら、全員等しく恋愛対象になる可能性があるわけですよね。
川崎:でも、女性は友人対象でもあるから、線引きはできないよね。
トイ:そうなんです。それで一対一がダメになると、私はほとんどの人類と一対一になれない(笑)
とはいえ、このチェックリストの目的は、「お互いに嫌なことを理解しておく」ということなので、それさえできていればいいんです。
川崎:お二人の、あくまでも現段階での、主観の問題ですものね。
トイ:なので、もし「後出し」をすることになってしまったら、当然謝罪をします。「以前、チェックリストを作ったときは、私は浮気の定義をこう定めましたが、現状申し訳ないけれども実態として私は嫉妬しています。この感情をくみ取ってくれる余地はありますでしょうか?」とこちらが謝らなきゃいけません。
川崎:「過去に言ったことと変わりました。」ということですからね。
トイ:はい。「契約を反故しています」と自分で言うしかない。でも、感情のやり取りだから、それが発生することはどうしても出てきてしまいます。
(第2回へ続く)
2016/1/22 (金) 19時より約3ヶ月ぶりに魔女の夜会を開催します!