やさしいWeb集客の話

営業せず広告も出さずに会社を経営するのは怖くないですか?と聞かれて

ninoyaは2月末決算の会社です。

残りの営業日は15日、それを過ぎれば3期目を迎えます。

一般的な企業の年度末が近づくにつれて問合せが増え、寄稿募集の記事の反響も相次いでおり、一同忙しい日々をおくっています。

時に新しくお会いする方より「営業も広告も出さずに経営することに恐怖はないのですか?」と質問を受けることがあります。今日はそれについてお話します。

 

 

ninoyaでは創業当時より以下のミッションを掲げています。

世の中に”らしさ”で選ばれるひとと企業を増やす

これをもう少し噛み砕くと以下のような想いがあります。

消費者は賢い

わたしたち多くの社会人は生産者であり消費者です。

そして、消費者であるあなたもわたしもとても賢い存在と言えます。

電話を受けたからものを買う。広告を見たから思わずお店に駆け込む。そうした瞬間的な判断で財布を開くことはほとんどないのではないでしょうか。

それは自身のなかの細分化された趣味嗜好を、わたしたちがきちんと把握できているからです。

その商品の価値

しかし、それが生産者側にまわると判断が変わってきます。

目標があり、計画があり、それらを達成するために本当は自分自身はすばらしいと思っていない商品を、企業や個人に勧めることがあります。

こうした行為が一概に否定されるものではありません。そもそも相手にプッシュしなければその魅力に気づかれない側面もあるからです。

ただ、もしその商品を売るために、自分の心のなかでその価値をかさ増ししていたらどうでしょう?誰の目にも映らないところで誰かのこころに矛盾が生じます。

良いものは売れる

誰もが本当はわかっていて、けれどなかなか認めづらい事実。

それは良いものは売れるという原則です。

本当に良い商品は自ずと広まっていきます。その機会はインターネットやSNSの特徴を述べるまでもありません。商品に限らず個人も、スキルも同様です。

PRも営業も広告も、その商品が持つ潜在的な価値を底上げすることはできません。あくまでその魅力を伝える一つの手段です。

もっとも効率的なビジネスとは良いものをつくること。そんな身も蓋もない結論に帰結します。

営業をしない

ninoyaが提供する価値の源泉は企業らしさ・あなたらしさを最大化することが、結果として商材の魅力を最大化し、それに惹きつけられる顧客の数を最大化できるという考え方です。

もしわたしたちの考えが社会の行く先と一致しているのであれば、営業をせずともお客さまから問合わせが入ってこなければいけません。

しかし、こうした考えはいわゆるきれいごとと言われるものであり、一個人が声高に叫ぶだけでは失笑を生むだけです。

日々に同様の疑問を感じるひとがいたとして、組織の中でそれを声に上げる恐怖感はいかほどのものでしょうか。

そうしてこの会社を立ち上げました。

営業をせずとも、本当に価値のあることを行っていれば必ずお客さまに見つけてもらえる。それを証明するために。

広告を出さない

これはお恥ずかしい話ですが、単純に広告予算がなかったからです。

さすがに出せるならリスティング広告のひとつでも出したいものですが、創業当初からしばらく広告に充てるような予算はとても捻出できませんでした。

いまは席が埋まらないセミナーに広告を出したり、プレスリリースを打ったり、新しいサービスを発表しときに広告を出したりしています。

少額すぎてほとんど目に触れていないだけかなと思います。

恐怖感について

最後に怖くないのですか?という点について。

これははっきりと怖いと言えます。会社を続けるほどに失いたくないたくさんのものが増えていきます。同時に成し遂げたいことも生まれます。

それでもなぜ未だに営業せず、広告もほとんど出してないのかと言われれば、単純に欲が薄いのだと思います。

もし自分の手を楽にしたいならひとを雇います。会社を大きくしたいなら資本を増強します。しかし、あまりそうした欲求がないのです。会社の固定費を上げて自分たちの首を絞める理由がありません。むしろ怖がりですね。

 

冒頭に挙げた本当に価値のあることを行っていれば、自然と適切なサイズに会社は育っていくと考えています。

器の価値を過大評価したり、成長のスピードをドーピングしようとするから、結果として不自然なマーケティングが生まれる。それが関わる多くのひとに矛盾を生じさせ、生産者としての自分と消費者としての自分に乖離が生まれる。そうした想いを持っています。

少なくとも矛盾を生む根っこにはなりたくありません。

 

僕一人にできることなどたかが知れています。けれど、もしもこうした想いで営む会社がいつか誰かの自信や希望につながるのであれば。それほど僕にとって誇りを持てることはありません。

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古越 幸太

「もともと何されてたんですか?」→「公務員保育士です」で、初対面の方でも5分は話せるのですが、次に続く鉄板の雑談ネタがないのがここ10年来の悩みです。

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