Web集客に欠かせない「ホームページ」と「ランディングページ」ですが、その違いについてご存じでしょうか?
実は、両者は使用目的が明確に異なります。
効果的に集客を行うためには、それぞれの違いについて理解しておくことが大切です。両者の特徴とその使い分けについてお話します。
ホームページとランディングページの違いとは
ホームページとランディングページには共通点もありますが、それぞれに一長一短があります。まずは両者の特徴について確認していきましょう。
ホームページの特徴
ホームページ(以下、HP)とは、インターネットで見ることのできるページのことです。
コーポレートサイトやECサイト、ブログなど。これらは全部HPの一種です。
最近ではオウンドメディアと呼ばれる自社のサイトのメディア化が流行っていますが、HPで得られるメリットを考えると流行の理由がわかります。
HPを通じた集客のメリット
ページ数を増やすことで検索エンジンから多くの流入を集められる
役に立ったり面白いページをつくることでSNSでシェアされる(被リンクを得られる)
ページ全体を通じて自分たちのブランディングを行うことができる
オウンドメディアはその名の通り自社サイトのメディア化を指します。
メディア化が成功すれば結果としてページ数が増え、SNSで注目を集め、ブランディングまで一気通貫で行えます。
HPで得られるメリットを最大化する施策のひとつがオウンドメディアなんですね。
参考記事
なぜ、オウンドメディアがこれだけ流行しているのか。
それは過去にはこうした取り組みをしなくても作為的にページを増やしたりリンクを集めることで、検索エンジンの上位表示が可能だったからです。
そうした技法が通じなくなったことで、いたずらにページを増やすのではなくコンテンツと呼べるクオリティのページを増やさないといけないのがその所以です。
こうしたHPの特徴を一言で言うなら百貨店と呼べるでしょう。一方でHPを通じた集客にはデメリットもあります。
HPを通じた集客のデメリット
集客を成立させるためには一定の期間を要する
顧客の役に立たないページをいくらつくっても被リンクは得られない
会社やサービスの方針と各ページの内容を合わせないと方向性がブレる
これらのデメリットは、HPならではのメリットの裏返しと言えますね。
ランディングページの特徴
ランディングページ(以下、LP)とは、1ページで完結しているページのことを指します。
一般的には商品ビジュアル・キャッチコピー・購入バナーの3点から始まり、スクロールすると商品詳細やお客さまの声などを確認できます。さらにスクロールすると、購入用のフォームや会員登録フォームが設置されています。
LPを通じた集客のメリット
ページ数を一枚にすることで顧客に伝えたいストーリーを意図通り伝えられる
LPに顧客を着地させることで成約率の管理がしやすい
LPを一枚つくればすぐに商売を始められるためスピード感がある
LPは商材の違いはあれど、多くのサイトが似たような構成でつくられています。
これらは皆が何かのテンプレートを見ながらつくっているということではありません。
ただ、顧客を一定のストーリーに乗せてものを売ろうとすると、多かれ少なかれ似た構成になるためです。
LPの語源はランディング、直訳すると着陸です。
その名の通り顧客をLPに着陸させることではじめて機能する集客の仕組みです。
逆に言えば「自社のHPやブログからLPに顧客を誘導できる」あるいは「広告を出稿して直接顧客をLPに送客できる」といった、仕組みが背後にあることで成立する集客手法でもあります。
HPの特徴が百貨店であれば、LPは専門商店と言えます。そんなLPのデメリットは以下のとおりです。
LPを通じた集客のデメリット
ページが一枚だけなので検索エンジンから流入を多くは期待できない
販売に特化したページなので、商材が余程ユニークでなければSNSではシェアされない
LPに顧客を誘導できる仕組みがないと機能しない
うまく使えれば強力ですが、バックヤードの仕掛けがいる。それがLPです。
HPとLPをどう使い分けるか
それぞれの特徴について見てきましたが、改めてその違いを表にまとめてみましょう。
HP | LP | |
---|---|---|
ページ数 | 複数 | 1ページ |
即効性 | △ | ◯ |
特徴 | 百貨店 | 専門商店 |
だんだんと違いがわかってきましたね。
最後に両者の使い分け方についてみていきましょう。
HPが得意なシーン
HPは複数の商材に対して、中〜長期的な集客に効果を発揮します。
オウンドメディアまで取り組むかは別として、サイト内のコンテンツを磨き上げることで検索エンジンに最適化(SEO)し、自社ならではのユニークさを活かしてSNSからのリンクを集めることでより集客力を向上させることができます。
LPが得意なシーン
LPは単一の商材に対して、短期的な集客に効果を発揮します。
LPはキャンペーンや販売する製品ごとに別々につくられるため、必然的に効果は単一の商材となります。検索流入も期待できません。一方で広告を打てば、SEOに関係なく多くの売上を上げるポテンシャルがあります。
※単品通販と呼ばれる定期購入商材をLPで売る商法は一部で「自動販売機」とも揶揄されますが、それだけ成功すれば強力な施策とも言えます。広告費が販売数の損益分岐を超えさえすれば、あとはそのマーケットのシェア分だけ売上を上げられるからです。
両者の使い分け
予算や割ける工数にもよりますが、自社サイトをメディア化することで長期的に顧客を集められる土壌にする。
そこで集めた見込み客と広告を使って集めた見込み客をそれぞれLPに誘導して売上に変える。
これがもっとも理想的なそれぞれの使い分けと言えるでしょう。
参考記事
あとがき
HPとLPの使い分けについてお話してきましたが、それぞれの特徴についてお分かりいただけましたでしょうか。
自社のマーケティングの方針に照らし合わせて、両者を使い分けていくことが重要です。Web集客において魔法の杖のようなツールは存在しません。
メリット・デメリットを理解した上でどうそれらを組み合わせて展開するか。そこに各社の戦略が問われます。