こころをつなぐ翻訳の心得

翻訳を頼みたい時の、翻訳会社の選び方と頼み方

翻訳を頼みたい時というのは、仕事なら業務の拡大やクライアントからの依頼であったり、個人なら留学や国際結婚などでしょうか。いずれにしても、翻訳会社を探すというのは滅多にないことで、友人や知人から紹介してもらうのも難しいと思います。そうなれば自分で翻訳会社を探すことになりますが、どうやって探せばいいのか、何を判断基準にすればいいのか、というのはけっこう迷うと思います。今回は、翻訳が必要になった時の翻訳会社の選び方と頼み方をテーマにお届けします。

 

まずは候補の翻訳会社を探しましょう

翻訳会社を探す時は、インターネットを利用するのがベストです。検索のポイントは2つのキーワード、「言語」と「分野」です。ただ、英語翻訳なら(和訳・英訳とも)「言語」のキーワードは省略してもいいでしょう。なぜなら、日本のほぼ全ての翻訳会社が扱っているからです。他の言語なら、まずは「フランス語 翻訳会社」などのキーワードで検索してみてください。

 

「分野」のキーワードでは、原稿の翻訳分野を検索します。例えば「翻訳会社 IT」「Webサイト 翻訳」「契約書 翻訳会社」などです。分野が分からない場合は、ざっくりとしたキーワードでも大丈夫です。例としては「ビジネス文書 翻訳」のような感じです。また、直接の打合わせを希望する場合は翻訳会社の住所を優先したり、品質重視なら「翻訳会社 高品質」というようなキーワードで検索してもよいと思います。

 

まずはこのような方法で、いくつかの翻訳会社をピックアップしてください。なお、翻訳会社も検索で上位に表示されよう対策しているので、最初の1〜2ページだけではなく、さらに数ページ深く検索するとよいでしょう。

気になる翻訳料金

候補の翻訳会社をいくつか見つけたら、次は翻訳料金を検討しましょう。Webサイトに掲載されている料金表を見てください。比較すると翻訳料金の相場が分かると思います。料金の掲載方法は翻訳会社によって異なり、原文1字、または1ワードの単価をA4一枚をベースに表示している翻訳会社もあれば、そのまま表記している翻訳会社もあります。また、翻訳作業終了後に料金を決定したり、料金表を表示していない会社もありますので、その場合は問い合わせてください。いずれにしても原文1字、1ワードの単価が分かる翻訳会社がおすすめです。

 

翻訳料金の表示については、ほとんどの会社が、例えば「3,600円〜」というように「〜」がついています。これは、翻訳分野や分量、納期、さらにレイアウトの有無やファイル形式などに応じて翻訳料金が変動するからです。実際の請求金額が表示の2倍だった!ということはほとんどありませんが、翻訳料金は翻訳作業以外のところでもコストが発生しているので、このような表示になっているのです。

 

翻訳料金とクオリティーの関係性については、概ね料金と品質は比例します。読み手側は翻訳のクオリティーをオリジナルの品質と見なして判断するので、コストを重視しすぎると価値を下げたりイメージを傷つけたりします。一方で高品質な翻訳は最大限のアピールにつながるので、品質効果を上手に活かしてください。 

翻訳会社の担当者との打合せ

さて、次はいよいよ翻訳会社とのコンタクトです。

候補の翻訳会社をいくつか選んで、翻訳料金などの目安もついたら、各翻訳会社に見積りフォームやメール、電話などで見積りをお願いしましょう。インターネット経由の場合、原稿を一緒に送信すると事前に目を通した担当者と話ができるので円滑に進みます。

 

担当者との打合せでは、最初に言語と分野を伝えてください。また翻訳原稿を「誰が読むのか」や、「利用目的」も伝えるといいと思います。翻訳を読む人が専門用語を理解している人なのか、それともオンラインショップの一般消費者なのかでは文体などが変わってくるからです。他にも要望があったら小さなことでも遠慮せずにしっかりと伝えてください。担当者はお話を伺いながら、ベストな翻訳をお届けできるよう翻訳者の選出や納品までのフロー、細かな調整などをあれこれ検討しているからです。最後に支払方法やアフターフォローなども確認し、見積りをとって発注する翻訳会社を決定すれば、よい翻訳会社が見つかると思います。

翻訳会社からのお願い

普段のビジネスや生活では翻訳会社と接点がなく、分からないことばかりだと思います。翻訳会社もその点を理解したうえで、日本語と外国語の懸け橋となるよう努力しています。世界や外国人は遠く感じるかもしれませんが、実は以外に近いものです。必要な時は、いつでも翻訳会社にお手伝いさせてください。期待に応えられるよう、精いっぱい尽くしたいといつも思っていますから。

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八戸秀一

株式会社桜想 代表取締役。フランスへ留学し、仏語を習得後にパリ大学へ入学。映画制作を学ぶ。留学期間約4年6ヶ月。帰国後は映像制作会社を経て、仏語教師やアテネ・フランセなどで語学教育に従事。その後、翻訳・通訳に携わり2014年に桜想を設立。多言語翻訳サービス、多言語・インバウンドコンサルティングを提供。

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