人事担当者と聞くと、どのような人物像が浮かび上がるでしょうか。やわらかい雰囲気をもつ綺麗なお姉さんイメージする人もいれば、どーんと構える怖そうなおじさんが浮かんだ方もいるでしょう。
今回は「人事」という仕事をより理解するために、人事担当者に焦点を当てて書いていきます。
人事は未経験でもできる仕事なのか?
インターネット上で色々な企業の求人情報を見ていると、管理系業務の中でも人事担当者募集は「未経験者OK」だったり、採用要件がふんわりしている(コミュニケーション力重視します!等)ことが多いなと思いませんか?
かくいう私も人事をしたいと思っていたころは、社労士資格を持っています!や人材コンサルティングの経験があります、といった「必須要件」をもっていたわけではありません。
自社の人事担当を見ても、現場からのたたき上げで人事になったひとや、前職や保育園の先生だった人など、不思議な経験の持ち主たちばかりです。
ただ、だからといって誰でもできるのかというと、そうではありません。
とある、大手企業やメガベンチャーでの人事歴20年の“プロ人事”の方に人事として適性があるひとの条件を聞いてみると、
『裏はあるけど、影がないひと』
という、なんともふわふわした答えが返ってきました。
よくよく聞くと、ステークホルダー(採用候補者や自社社員)に対してストレートに本音を伝えることはしないが(裏)、そのことに後ろめたい気持ち(影)を持たないという意味でした。
その方いわく、一瞬の表情や話し方でその適性があるかどうか分かってしまうんだとか。やはり、なにごともその道を極めたプロフェッショナルは凄いですね。
いろいろな会社の求人情報を見て思うこと
人事担当のみなさんは日々求人票に触れることも多いと思います。もしくはこれからやってみたいと思っている皆さんは、人事業務の求人票においてどのような点を重視しているのでしょうか。
管理系職種を採用する場合、例えばIR担当であれば、アニュアルレポート作成や決算報告会の運営を含む実務経験者(5年以上が望ましい)や、法務だと企業法務または法律事務所での法務経験3年以上などのきっちりした応募要件示してあります。
これぐらい書いてあると規模の大きい、きちんとした会社でこれからもどんどん発展していくんだろうなと感じます。
そう、求人票を見ているだけでもその会社の今の状態がなんとなくわかってきます。
分かりやすくベンチャー規模での人事の求人票で例えてみると、募集職種が「採用担当」や「労務」だと、まだ管理系インフラが整っていない段階で職種は分かれていても、まるっと担当することになりそう、とか。
はたまた、同じ人事担当でも業務内容が企画や制度立案となるとある程度の形はできたから、次は基盤強化のタイミングなんだろう、とか。
この2つをくらべても、上の「採用・労務担当」は実務経験よりも一から物事を立ち上げる行動力やまわりを巻き込む力などパーソナリティーに重きを置いていて、下の企画系業務になると、人事業務経験者の募集が多いように感じます。
なので、未経験だけど人事に興味がある方は大変かもしれないですが、まるっと経験できそうな求人への応募から始めると人事への道がひらけると思います。
人事担当者に必要なこと。それは…。
もしこれから人事になりたいと思って行動をしたひとが、応募した会社で最初に相対するのも人事担当者ですし、入社までに何回もコミュニケーションを取るのも人事担当者でしょう。
そして、担当者次第でその会社の印象が大きく決まってしまうのも事実です。
例えば、人事の方がとても上手に質問を引き出してくれて、かつ質問への回答も秀逸だったときには、やはりいい会社にはいい社員がいるなぁ、とその会社のイメージまでアップすることも十分考えられます。
そして人事は会社のフェーズによって、もう少し言うと日々の会社の空気によって柔軟な対応をしていく必要があります。会社や人事以外の社員の状況にとって、一番気持ちのいい環境をプロデュースできる、自分のお客さんは自社の社員である、ことに気付いたひとから人事業務の楽しみを味わえるのだと思います。