ninoyaを立ち上げる前、ぼくら社という出版社に僕はいました。いまの僕を形作ってくれた会社です。例えばこんな本を出していました。
役員である川崎貴子さんと知り合ったのがぼくら社であり、今回コピーをお願いした佐藤康生さんと知り合ったのも、またぼくら社です。ここで企画したブログや書籍に関するWebマーケティングが内外で評判を呼び、それがninoyaをはじめるきっかけになりました。
同じオフィスで仕事をしていると忘れてしまいますが、離れて気がついたことがあります。それは、自分の尊敬する人に仕事をお願いするハードルです。
佐藤さんは季節のたび飲みに行く友人であり、僕がもっとも尊敬するクリエイターの一人です。その関係はninoyaをはじめて間もないころから変わりません。ただ、同じ会社の同僚でない以上、仕事をお願いするには見合う対価が必要です。
もちろん、友人としてお願いするやり方もあるでしょう。それでも僕は「いつか佐藤さんにコピーを書いてもらえる会社になろう」、そう目標を立てることが先の見えない創業一年目の大きな心の支えでした。
はじめて佐藤康生という名前を目にする人は、そんなに気軽に依頼できないクリエイターなのか?と疑問に思うかもしれません。けれど、次のコピーを挙げれば一度は見たことがあるのではないでしょうか。
AC Japan「抱きしめる、という会話。」
リクルートグループ「はたらいく」
以下は佐藤さんの公式サイトに掲載されているプロフィールです。
http://www.sat-office.com/profile/index.html
1期目は目の前のことで精一杯。2期目はお客さまの要望に応える体制づくりでまた同様。3期目にしてようやく、佐藤さんに相談をする機会が訪れました。桜が咲く少し前のころです。お願いしたのは「法人向けWeb集客コンサルティング」の冒頭部のコピー。
Webマーケティングの会社は世の中にゴマンと存在します。その中で、あえてninoyaに相談したいと思うのはどんな企業なのか。ninoyaはそんな企業に対してどんな価値を提供できるのか。佐藤さんと共に考え、ことばに落とし込んでいきました。
会社に入る前に必ず通る寿司屋があります。毎日同じ時間入り口に水を撒き、草木を手入れし、引き戸を丁寧にみがいています。ninoyaにとってその入り口はこんなコピーからはじまります。
おかげさまで、
本日も検索ランキング1位。
Web集客のご相談は、ninoyaへ。
お客さまをお迎えする新しいことばと共に、その手入れを忘れず、新たな出会いを心待ちにしています。
以下、余談です。
川崎さんがninoyaブログでつづった、酒と泪と女と女。その書籍化である、愛は技術。書店に並んだ次の日、佐藤さんが宛てたコピーを最後に紹介させてください。ことばは時に贈りものになります。