今回は中小ベンチャー企業の採用担当向けの記事となります。新卒採用のなかでも、コスト負担が大きい採用イベントを最大限活用する「選考しない」方法をお伝えしていきます。
会社説明よりも濃厚なコミュニケーションを。
企業が採用イベントに参加する目的と言えば、目的はだいたい限られています。
イベントから自社説明会に呼び込む、参加学生のエントリーシートを回収する、といった母集団形成が主な理由となります。
例えばマイナビなど大手就活ナビサイトが運営するEXPOは少なくても150社以上、小さいイベントでも30社以上が出展します。
イベントでは、学生は最初にまわる自分が知っている企業の説明を3社ほど聞いて満足し、そのあとはせっかく来たし、他も見ようかなという程度です。すでにお腹いっぱいの学生に自社の説明をしても、ほぼ頭には入っていないでしょう。
そこで、あえて数を集めるのではなく、1対1や1対2の濃いコミュニケーションにもっていきます。学生も採用イベントで自分の話を聞いてもらえるとは思っていなかったようで、ざっくばらんな話の中にもところどころ質問を織りまぜていくことで、学生の「本心」を知ることができます。
BtoC向け中堅WEBサービスの会社では一切就活サイトに載せておらず、精度の高いマッチングをするために敢えてイベントのみで毎年20名は採用しているとのこと。
載せないというのも中小企業にとっては賭けですが、最近は掲載してもエントリー機能を付けずに自社サイトまで訪れないとエントリーできないようにしてある企業もあるので、自社への興味を図るという意味では納得です。
人事担当者のフィードバックで自社への魅力付けをしよう。
採用イベントにおいて人事がするべきことは、ずばり「魅力付け」です。それも企業側から発信するものではなく、学生自身が考えていることに、少しスパイスを振ってあげる程度がおすすめです。
例えば、グループディスカッション型のイベントでのフィードバックや、個別面談会での面接が通過できない学生へのアドバイスなど、「自社の場合は」というキーワードを主語にして、やんわりと学生に自社に魅力を伝えましょう。
人事から思わぬ気付きをもらった学生は、かなりの確率で応募をしてきます。
つまり、押してダメなら引いてみよう作戦です。
採用活動とはファン作り。
まさしく採用活動とは地道なファン作りです。
数多くの中から自社を知ってもらい、面接や最近では学生との食事会で少しずつ双方向のコミュニケーションを重ねてお互いを知っていく。そして、採用になった場合はさらに自社の根強いファンにする必要があり、仮に採用に至らなくても、「縁がなかったけど良い会社だった」と思ってもらえるような対応をしなくてはなりません。
一筋縄ではいかない、学生への魅力付け。一度「選考」から目を離して、純粋に学生に自社の魅力を分かってもらいたいという気持ちで臨むとまた違う結果になるかもしれません。