書籍づくりの現場ではどのような作業が行われているのか。実際に本を出版した著者と、その担当編集者のインタビューを公開します。企画の経緯から執筆・編集・デザイン・売り方まで、生の声をお届けします。
書籍:『小さな会社と小さな自分を大きくする51のスキル』(アスペクト)
アスペクト
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著者:安藤 竜二(あんどう りゅうじ)さん
株式会社DDR代表取締役社長。サムライ日本プロジェクト・総合プロデューサー。
1971年、愛知県岡崎市生まれ。高校卒業後、ロックスターを夢見て上京するが挫折。
93年に岡崎の老舗木材会社の作業員からスタートして営業マンに。2004年、上海で中国初のデザインギャラリー「KOO」をオープン。06年、ブランディング・カンパニー、DDRを設立。「サムライ日本プロジェクト」を立ち上げる。地元の“埋もれた逸品”を「サムロック」とブランディングすることで、世界から注目される。07年、経済産業省より地域中小企業サポーターに委嘱される。著書に『地元の逸品を世界に売り出す仕掛け方―「知る人ぞ知る」を「カネのなる木」に変える―』(ダイヤモンド社)。
株式会社DDR:http://www.ddr38.com/
安藤竜二OFFICIAL BLOG:http://ameblo.jp/ddr38/
───前作『地元の逸品を世界に売り出す仕掛け方』(ダイヤモンド社)では、「サムライ日本プロジェクト」の立上げストーリーから、ブランディングの実践的なヒントを得られる内容でしたが、本書はよりビジネススキルのノウハウに特化した内容です。
あらためて本書を執筆された経緯を教えてください。
安藤竜二さん(以下、敬称略):私は全国を飛び回り、「中小企業だからこそできるブランディング術」について、多くの中小企業の経営者や、個人商店の代表の方を相手にお話をしています。
また、講演だけでなく、実際に多数の中小企業のブランディングもお手伝いしています。
そんななか、講演の聴講者やお客様から「小さな会社でも大きく見せるコツや、伝え方、そして自分自身のブランディングの実践的な方法」が知りたいという声をいただくことが多く、本書を書くことになりました。
───本書は具体的にどんな人に読んでもらいたいと思っていますか?
安藤:全国の中小企業の経営者や個人商店のオーナーさんもそうですが、今後、起業・開業したいと思っている方、また大企業のなかで自分自身をしっかりと発信しようと頑張っている方にも読んでもらいたいと思います。
───今回の本では、「カネなし・コネなし・学歴なし」からのたたき上げで身につけたことや、大小さまざまな失敗の経験、悔しかった思いなどから得た気づきなど、ご自身が実際に身を持って自分のものにしてきたスキルがたくさん紹介してあり、とても勇気づけられます。
今回、51のスキルを選ぶにあたって、気をつけられたことやそこに込められた思いは、どんなことがありますか?
安藤:まずはリアルなこと。
誰それがやったことではなく、実際に僕が経験して感じたこと、自分自身がそのとき何を思い、どう行動したのかをわかりやすく伝えようと思いました。
また、起業してからのことだけでなく、あえて起業するまでのサラリーマン時代にしていたことも、その後の行動や現在の僕に繋がっているという観点で取り入れました。
───本書の執筆にあたり、苦労された点はありますか?
また、それらについては編集者やエージェントから何かアドバイスがありましたか?
安藤:そうですね。
苦労した点ではないのですが、エージェントの方からのアドバイスで気づきを得たことはあります。
それは、自分では当たり前だと思っていた些細なことが、実は大多数の人にとっては当たり前ではないということ。
エージェントの方と自分の過去を丁寧に振り返っていくなかで、あらためて気づかせていただきました。
───本書を出して、周囲からはどんな反応がありましたか?
また、読者からの感想で印象に残っているものがあれば教えて下さい。
安藤:「2度、3度と読んでいる」「これをもとに自分はもちろん、会社のスタッフの教育にも使っている」「地方で頑張っている」「方向性が見えた」など、ブログやフェイスブック経由でご連絡をいただいたり、周囲の方から直接感想をいただくことがたくさんあります。
また、皆さんに共通して「元気が出た!!!」と言ってもらえることもうれしいですね。
───本を告知するために、具体的にはどんなことをされていますか?
安藤:FM愛知のパーソナリティーをしているので、そこでは多数の番組に出させていただきました。
また、メルマガの配信、フェイスブック、ブログも使っていますね。
近くの本屋には、弊社製作のPOPを持っていき、置かせてもらっています。
───ご自身の原稿内容を多くの方に理解していただくために、注意していること、気をつけていることはありますか?
安藤:これは講演などでも気をつけていることですが、「分かりやすい言葉を使うこと」です。
英語の専門用語は使いません。
皆さんが理解しやすく、共感できる言葉で書いています。
───企画を考える上で、どんなことをヒントにされていますか?
安藤:「20年前の自分だったら、どんな本が欲しいか」を考えています。
今後は「なりたい目標の人はいるけど、その人に近づく方法が分からない」という会社員の方に向けた本を、もっと、もっと、書いていきたいです。
───最後になりますが、ビジネス書作家を目指す読者の皆様に、メッセージをお願いします。
安藤:本を出すということは、ものすごくすばらしい経験だと思います。
自分の思いが多数の方に活字を通して伝わり、そしてその人の人生の一部になっていく。
それってすごいことですよね。
また、出版社、編集者、エージェント、そして本を売ってくれる書店の店員さんと、本を出す過程ではたくさんの方と携わります。
そんなみなさんの想いを受け止めて自分のすべてを出し切って書いた本が、読者の方を勇気づけたり、励ましたり、何よりも元気づけられるというのは、感無量です。
僕もこれからも、がんばります!
本日はどうもありがとうございました。
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