フリーランスへの道のりは、1人ではじめる分、不安もあるし、お金の工面や生活しつづけていくコツなど、わからないことだらけですよね。
今回、PRライター佑里栄がお話を伺ったダイエットセラピストの森朝子さんは、もともとフリーランスを目指していたわけではなく、お客さまに背中を押されて、地元にエステサロンを開業しました。
いまではダイエットセラピストとして活躍されている森さんですが、最初はフリーランスになることに不安があったそうです。どのようにカベを乗り越え、経営を安定させつづけているのか、そのコツを教えていただきました。
自分への投資を惜しまないことで、フリーランスとしての価値が高まる
───フリーランスになったきっかけはなんですか?
森朝子(以下、森):好きなことを仕事にしたくて、短大卒業後、正社員でエステティシャンになりました。でも実際にはたらいてみると、売上を気にしたり、会社組織にストレスを感じてしまって、理想と現実のギャップに苦しみました。
もともとわたしは、高校生のときに父親が病気ではたらけなくなったことがきっかけで、お金を稼ぐことへの意識がつよかったんですよね。それで、「お金も時間も自由になりたい!」と思って、1年ちょっとで会社を辞めました。
自分の人生、後悔がないように全部やろうと思い、派遣社員としていろんな経験を積みながら、副業として出張エステもするようになっていました。でも、どこか満足できない自分がいましたね。
そんなときに、お客さまから「エステで独立すれば?できるんだからやればいいじゃん」って言われたんです。そのお客さまは事業で成功していて、尊敬するメンターのような存在。
フリーランスになることは考えたこともなかったですし、不安でいっぱいでしたよ。でも、慕っている方からのせっかくのアドバイスなので、「やってみようかな……」と背中を押されましたね。
そこで、「自分が動くべきときはいまなのかも!」と決意し、その1か月後にエステサロンを開業しました。
───フリーランスになってみて、仕事への想いは変わりましたか?
森:もともとは野心が強いわけでもなく、自分でやりたいって想いからのスタートでもなかった。でも、フリーランスになってみたら、どんどんおもしろくなっていきましたね。
経営計画をすべて自分でつくり、やりたいことができるということは、会社員時代には得られなかったから。
最初はマンションを借りて、サロン兼住居としていましたが、工夫しながら集客を伸ばせた結果、1年8か月後には駅近のテナントに移転し、規模を拡大できました。
ここまでこられたことは想像もしていませんでしたが、いろんなことに挑戦した結果がこうやって表れたので、さらに経営の意識が高まりましたね。
わたしは、エステティシャンとしての経験はそれほど長くはなかったですが、技術だけではなく、経営するという視点で、広く自分を高めることを意識してきました。
いまでもお金のセミナーに参加したり、常に自分への投資をおこたらないようにしていますし。フリーランスとしてやっていくには、「みずから動いて自分の価値を上げること」が大事だと思いますね。
チャレンジして変化していくと結果はかならずついてくる
───自分の価値を高めることで成功していったんですね。一方で、お金の工面など、苦労した点はありますか?
森:起業や経営の勉強を一切せずにフリーランスになったので、最初は集客にとても苦労しました。チラシを手づくりして駅前でくばっても、きてもらえなくて。
半年後には貯金が底をつくというところまでいき、食事代や服代をけずる生活でしたね。フリーランスは、働いても給料の保証がないので、会社員時代との違いを痛感しました。
でも、「どうしてもこのままじゃ終わりたくない!」と思って、クーポンサイトに掲載することにしたんです。
当時わたしの地元は、集客が見込めないだろう、と掲載できないエリアだったんですが、「できることはやらないと!」とチャレンジしました。
その結果5か月間、月に20人ほどの新しいお客さまにきていただけて、お休みが半日だけなんて月もあって。すごくうれしかったですね!
いまは4年めになりますが、給料は会社員時代の3倍以上になりました。集客に苦労した、あのときのつらい経験があったから、はいあがれた。
苦しい思いをしている読者のみなさんも、まずはできることをどんどんやってみると、次につながっていくと思いますよ。
───フリーランスになってからエステ1本で生計を立てつづけられていますが、なにかコツはありますか?
森:クーポンサイトの掲載で集客がうまくいくようになってから、自分の中で「現状維持は衰退だ」という考えにいきついたんです。
もし、いまうまくいってても、この先3か月なにも行動を起こさなければ、状況は確実に落ちこむと思います。だから、成功をつづけるために、常に挑戦するようにしていますね。
たとえば、地元の施設をお借りして、ダイエットに特化した栄養学のセミナーを開催しました。その告知をSNSでして、さらに集客につなげられたり。
わたしは自分のうまれ育ったところで開業したので、地元の方に愛されるお店を一緒につくっていけるのは、やはりうれしいですね。
それと、経営をしていくうえで大事にしているポリシーは「価格は絶対に下げない」ことなんです。
価格を下げてしまうと、商品、お客さま、サービスを提供している自分の価値も下がってしまうと思っています。多くのお客さまがご来店される可能性はありますが、それだとお客さまに寄りそう接客ではなく、効率よく回す接客になってしまう。
それよりも、技術を向上させてダイエットの結果を出すことや、よりよいおもてなしでお客さまに満足してもらうことを大事にする方が、売上の目標が達成しやすくなると思います。
お客さまのためにできることを考えつくすと、不安はなくなっていった
───試行錯誤してきた結果、いまがあるんですね。「最初は不安だった」と言っていましたが、どのように克服したのでしょうか?
森:やったことないことをするって不安ですよね。読者のみなさんも、そういう人が多いのではないかと思うんです。
以前、ある起業家さんに、「10こやってみて、1こ当たればいい」というアドバイスをもらったんですよ。わたしが集客に苦労したときのように、大抵、人は失敗して、そこからスタートするものなんだ、と納得して。
サービス業は、お客さまがあってこそ成りたっています。
もちろん、売上が下がるときもありますが、不安に思っていても、なにも変わらない。だから、「お客さまのためにできること」を常に考えて行動するようになりましたね。
───お客さまの満足を追求されているんですね!接客をするうえで気をつけていることはありますか?
森:「営業しない、押しつけない、お客さまから求めてもらえる接客」を心がけています。エステという枠をこえて、お客さまとの人間関係を大事にしていきたいんです。
わたしはお客さまに特別感を感じてほしいので、「金額以上の価値」を提供するようにしています。
たとえば、ご来店中は、自分の手が空いても裏で事務作業などせず、お客さまから離れない、1秒たりとも待たせないなど、「おもてなし」を意識していますね。普通、お店に行ったら、「こちらでお待ちください」って数分待たされますよね。
わたしのお店では、「お待ちしておりました。本日はこちらです。」でお出迎えします。前後のお客さまの時間をずらしているので、完全にプライベートな空間を過ごしてもらっています。
これってフリーランスだからこそ、マニュアル化されていない、自分で考えつくしたお客さま最優先の接客ができるんだと思うんです。
とてもうれしいことに、コース契約が終了した後も、再契約してくれるお客さまが多いんですよ。自分の技術と、人間性を求められていると思うと、ますます頑張れますね!
フリーランスになってから知った、お客さまの人生を変えられるやりがい
───お客さまにとって、森さんとの時間が大事なひとときになっているんですね。特にやりがいを感じたエピソードはありますか?
森:とある30代のお客さまのダイエットを成功させ、人生を変えることができたことです。そのお客さまは出産後に体型が変わり「旦那さまに浮気されてる……」って、泣きながら話してくれたんです。
わたしも力になれるよう施術をつづけて、−16kgのダイエットに成功したんです!
そのおかげもあって、旦那さまとまた仲よくなり、さらには、異性からの視線が変わるほど、きれいになりました。「お客さまの人生を幸せにする仕事ができたんだ!」と、なによりの喜びを感じましたね。
わたし自身も、フリーランスになってから、自分の「人生の幸せ」をやっと得られました。お客さまと関係を築いていくやりがいを感じ、「天職だ!」と実感できました。
これは、やってみたからこそ気づけたので、みなさんにも失敗を恐れずに挑戦してもらいたいですね。
───最後に、フリーランスを目指す読者へアドバイスをお願いします。
森:フリーランスは、家族との時間など、自分で優先順位をつけやすいのがいいところの1つだと思っています。
たとえば、お店をほかの人に任せて子育てに専念する、という選択も可能ですし、そのときによってはたらき方を見直せばいい。「はたらきやすい環境で、好きな仕事ができる」というのは、意外と実現できていない方も多いかと思います。
だからといって、すぐに諦めず、1度きりの人生、自分の納得するはたらき方で、豊かな人生を歩んでほしいですね!
それと、フリーランスをつづけていくコツは「Try and Error」。これに尽きると思います。
やってだめだったら、次これはどうかなって、常にいろいろチャレンジしつづけて、自分のものをつくりあげていったらいいんです。
わたしの場合、最初はフェイシャルでスタートしたんですが、ダイエットの方がうまくいって。自分の目指してたものと、いきついたものが違った。でも、いまが楽しいんですよね。
みなさんにも、Try and Errorをくり返して、いまが楽しくてしかたがないという生き方をしてほしいですね。
インタビューを終えて
こんにちは。今回インタビューを担当したPRライターの佑里栄です。
森さんのお話をお伺いして、「止めることはいつでもできる。大切なのは、つづけていくこと」を実感しました。失敗してもまた挑戦する、そのくり返しが次へつながっていくのだと思います。
また、リピートされるお客さまも多いとのことですが、森さんならではのホスピタリティや人間性がつたわって、集客につながっているのでしょうね!
みなさんも、森さんのようにTry and Errorをくり返して、好きな仕事で自分らしく歩んでいってくださいね!
(取材・執筆:PRライター 佑里栄 / 編集:PRライター 山崎春奈)
関連情報
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