地方でフリーランスとして生きること

フリーランスは苦手を上手に避ける仕組みを作るとうまくいく

地方でフリーランスとして働く奥地です。

私の住む鹿児島は暑い日が続いています。毎年、今年こそは仕事部屋にクーラーを設置しようと思いながら、今日まできてしまいました。

さて、皆さんはフリーランスにどのようなイメージをお持ちでしょうか?

好きな仕事を好きな相手とできて、ストレスが少なそう……、そんな声を聞きくことがあります。実際にこのようにおっしゃるフリーランスの方もいらっしゃいますね。

一方で逆のことをおっしゃる方もいらっしゃいます。「収入を維持するためには仕事を断れないし、相手も選べない。会社員のとき以上に働いているよ」と。

私自身は、どちらの声も真実だと思います。

そしてこの差は、専門スキルの差ではなく、苦手なことを上手に避けられる仕組みを作っているかどうかだと考えています。

 

 

苦手を上手に避けるとは?

フリーランスは、どんな職種であっても、営業や経理など、やらなくてはいけないことがたくさんあります。どんなに高い専門スキルを持っている人でも、数字を見るだけで頭が痛くなる人でも、年度末になれば確定申告をしなくてはいけません。

でも、フリーランスの場合、どう取り組むかの選択権は自分にあります。自分でコツコツ取り組むのもひとつですし、税理士に依頼するのもひとつ。別の方法もあるでしょう。

これは何も確定申告の話に限ったことではありません。

対面での営業が苦手なら、それ以外の方法で仕事を得る方法を考えればいいのです。クラウドソーシングを使うのもひとつ、Webからの依頼が増えるような施策を行うのもひとつ、営業が得意な人と一緒に組んで仕事をするのもひとつ。方法は無限にあります。もちろん、苦手な対面営業を克服するのもひとつですね。

会社員の場合は、ある程度やり方が決まっていて、自分の裁量では動けないことも多々ありますが、フリーランスの場合は自分で決めることができます。
つまり、苦手を上手に避けて目標を達成することが可能になるのです。

ただし言うまでもありませんが、苦手なことを避け、やらないでいると、仕事を失うのもフリーランスです。会社員ならフォローしてもらえても、フリーランスだと誰もやってくれないので、「上手に避け乗り越える」「単に避けるか」は大きな違いになります。

 

苦手を上手に避けるには、自分を知ることが大切

苦手を上手に避けるためには、自分をよく知ることが大切です。

1カ月ぐらい、自分をよく観察し、気付いたことをメモしてみてください。些細なことでもメモするのがおすすめです。そして数日おいてからメモをもとに分析していきます。誰に見せるわけでもないので、思うままに書いていくのがポイントです。

以下は一例です。

(メモ)
セミナー後の懇親会は、講師の方とも話せたし楽しかったけど、疲れた。そして翌日の午前中はやる気が出なかった。
(分析)
懇親会は、セミナーとは違い多くの人と話せるのが楽しい。でも自分は人見知りで気を使うタイプだから、人数が多くなればなるほど疲れが出るのかもしれない。横の人と1対1で話をすると深い話ができるけど、複数人になるとあまりしゃべれなかった。席は前の人より横の人がしゃべりやすい。初対面でも1対1なら大丈夫。でも複数人になると急に壁ができる気がする。複数人でも事前に少しだけSNSでやり取りをしていた相手なら、しゃべりやすかった。懇親会は自分が思っているよりも疲れるのかもしれない。前後の時間の使い方をセットで考えてスケジューリングしたほうがよさそう。

(まとめ)
好き・得意・心地良いと感じること:
1対1での会話。深い話ができると充実感がある。席は横がベター。
苦手なこと:
(1)初対面の人との複数人での会話
⇒対策:セミナー参加者と事前に少しでもつながりが持つ。盛り上がっている場所よりも、ゆっくり話ができそうなところに移動して会話をする。
(2)自分が考えている以上に気力・体力ともに消費している。疲れる
⇒対策:翌日の午前中は予定を入れず、ひとりでゆっくり過ごす時間を作る。懇親会の前にも少し自分の時間を作れるといいかもしれない。

例に出した懇親会の場合は、確定申告とは違い、「出席しない」という選択肢もありますが、交流したいという気持ちも強いので、どうしたら自分の負担を減らしつつ楽しめるかを考えてみました。

こうして自分を観察していると、自分が苦手だと思っていたことが実は苦手ではなく、本当に苦手なことは別の場所にあったなんてこともありました。気軽な気持ちで、取り組んでみるのをおすすめします。

 

苦手を上手に避ける仕組みを作る

自分の苦手なことが分かったら、苦手を上手に避ける仕組みを作ります。

苦手な部分を補い合えるチームを作って仕事をするのもひとつ。お金を支払い、誰かに苦手な部分を手伝ってもらうのもひとつでしょう。

とにかく取材記事を書く仕事をたくさんしたいという場合であれば、アポイントを取ったり、準備をしたり、お金の整理をしたりという部分を誰かにお願いすると、より好きなことに取り組む時間が作れますね。

ただ人が絡む方法は、少しハードルが高いという方もいらっしゃることと思います。

そんな方は、まずは自分の仕事の方法を見直すだけでも、仕事の満足度は変わってくるでしょう。苦手だったり、負担に感じたりすることを避けつつ(減らしつつ)、効率的に仕事が動く仕組みを作るのです。

次に2つの例をご紹介します。

 

例1
担当者が苦手だけど、仕事の内容は面白く、やりがいがあるので続けたい。

(分析)
なぜ担当者が苦手なのだろうか? 話しが上手で、相手のペースで打合せが進み、自分は意見が言えない。自分はよく考えてからでないと発言できないから、このリズムの差が合わないのかもしれない。実際、私はもっとこう回答すれば良かったと後悔することがよくある。
(仕組み作り)
上手に付き合うには、どうしたらいい? 打合せの内容を先に聞いておき、考えてから打ち合わせに望む。即答できない内容は、無理に回答せず、追って回答する旨を伝える。ただし、相手はスピードを重視するタイプなので、打合せ後すぐに回答できるようにスケジュールを組んでおく。
苦手な方との打ち合わせの後は、疲れやすいので、夕方の時間に打合せをセッティングして、次の仕事を入れないようにする。

 

例2
取材は好きだけど、録音を起こすのが苦手。取材内容よりも、自分の取材中の至らなさの方が気になってしまうから。

(仕組み作り)
事情が許せば、録音を起こす作業は誰かにお願いをしたいが、業務の性質上誰かに依頼することはできない。取材をしたいなら、自分で録音を起こすしかない。インタビューの時間はあらかじめ決まっているので、起こす時間もある程度予測可能。そこで取材後、できるだけ早く、起こすだけの時間を確保し、その後には別の予定を入れる。すぐに起こすと記憶が鮮明な分、効率よく起こせる。また予定を入れることで、集中して取り組まないといけない環境をあえて作り、時間内で終わらせる。苦手なことは後回しにしがちだが、そうするとずっと気になったまま。気になっている間は、重い荷物を背負っている状態なので、それをできるだけ早く降ろせる仕組みを作っておくと、楽。

 

20代の頃は、仕事でも苦手を克服しようと真正面からぶつかっていた私です。でも、30代になると、苦手を克服している時間はないかもしれないと思うようになりました。何歳まで働くかは決めていませんが、苦手なことを頑張っている間に、好きな仕事ができる時間が減っているとしたら、これほどもったいないことはありません。

自分の仕事を自由に組み立て、仕組みを作れるのがフリーランスです。私もまだ試行錯誤しながらですが、好きな仕事を楽しく続けられる仕組み作りを考えてみてはいかがでしょうか。

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奥地 美涼

都会で働くキャリアウーマンを夢見て東京の大学院に行ったものの、企業に就職することなく、2005年から故郷である鹿児島でフリーランスという形で仕事をしています。地方に住みながらも約7割のお客様は関東の会社です。ライター業からスタートして、今はWeb関連の業務を主に担当しています。仕事に関するご相談は、HPの「実績&お問い合わせ」、あるいはTwitterのDMよりご連絡をください。

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