フリーランスを目指したとき、必要なことはなんだろう?と思いを巡らせたことはありませんか?
今回お話をうかがった中西須瑞化さんは、自分にとってのしあわせを重視して仕事をしているとお話してくださいました。そんな中西さんは、ご自身の学生時代の行動と経験を仕事へつなげ、現在はフリーランスとして作家とライター、PR会社の設立とさまざまなフィールドで活躍されています。
学生時代から任意団体での活動に参加し、NPO法人での会社員経験もある中西さんに、フリーランスで仕事を得るヒントをPRライターのYuri Takebayashiが取材してきました。
好きなことを声にして行動することが、人と仕事のご縁につながる
───フリーランスでのお仕事はどんなかたちで進められていますか?
中西須瑞化(以下、中西):これまでに出会った方からのご縁で仕事のご依頼をいただくことが多いです。
就活に疑問を抱き、いろんな生き方をしている大人を知るため、大学を休学して自分が気になる人に会いに行く機会をつくったんです。興味を持った学生団体や任意団体にも参加したりしました。
そうしたら、やりたいことをやっている人が自分の周りに増え、次第に自分の可能性に肯定的になっていったんです。だから出会った人に「書くことが好きです」と言えるようになり、所属した団体でも「文章が好き」とアピールをしました。
結果、そのことを覚えていてくださった方からライターのお仕事をいただいたり、現在も所属している団体では文章チェックを任されたりしています。ただ人に会うだけでなく、自分から「私はこんなことができます」と発信したことがいまのご縁につながりました。
できることや好きなことを思いきって相手に伝えることで、きっかけが生まれることもありますよ。
───今のお仕事内容のベースはどのようにして見つけたのでしょうか。
中西:フリーランスになってからも「書くことで何がしたいんだろう」と考えることがあり、いろんなパターンの書く仕事をやってみたんです。
「言葉を大切にしていきたい」という思いを常に忘れず、司会原稿の作成に挑戦したり、インタビューライターをやらせていただいたりと、さまざまなことにチャレンジしました。
そして見つけたのが「書くこと」と「物語をつくること」で、今の仕事のベースができました。実際にPRの仕事では、経営者の方のお話をうかがい、彼らの思いや考えといった世界観を言葉で伝えています。こういったところは、物語をつくるといった点で似ているなと思っています。
いろいろなことを試してみると、自分が好きなことや楽しいと思えることを見つけるきっかけができますよ。仕事内容を自由に決断できるところは、フリーランスの魅力です。
だからこそ、気になったことはやってみてください。自分の選択肢をたくさん持つことは、フリーランスにとって強みになりますよ。
心地よく仕事をするために、まずは「自分」を知る
───仕事をするうえで大切にしていることはありますか。
中西:目の前にあるもの、周りの人を大切にして自分自身が心地よく生きることを大切にしています。
私の場合は、休学をしていた頃に少しだけライターの経験があったので、書くことはできると思っていました。でも、「お金をいただいて提供できる価値を最大限お返しできているのだろうか」と考えたとき、自信をもってできるといえないことに気がついたんです。
だから仕事の質を上げるためにも、1度しっかり学ぼうと、PRやライティングの勉強ができるitty selection主催の広報・PRプランナー&PRライター養成講座を受講しました。
加えて、自分の心地よさも視野に入れ、無理のない仕事の進め方なども工夫しています。私は、低血圧で体力もそこまであるほうではないので、朝より夜のほうが強いことを伝えたり、時間にゆとりをもったスケジュールを組むようにしています。自分のことを相手に理解してもらう工夫をすることで、お互いスムーズに仕事を進めていけますよ。
自分が自信をもって提供できるものをつくりあげることは、目の前の仕事や周りを大切にすることにつながると思うんです。だから、自分の幸せを大事にすることにちゃんと目を向けられる人は、フリーランスにも向いているんだろうなと思います。
───フリーランスになるために、準備しておくべきことなどありますか。
中西:客観的に自分の特徴を理解しておくことはぜひやってみてほしいですね。特徴というのは、強みや弱みということではなく、いいところ悪いところも含めた考え方や行動のクセのことです。
たとえば、メールの返信文が相手に誤解を与える書き方かもと慎重になり、時間がかかってしまう。けど、よい面で見ると、多角的にものごとを見られる・相手のことをよく考えられると捉えることができます。
あらかじめ特徴がわかっていれば、自分で仕事内容や進め方を調整できたり、誰かと共同作業をするときにも役割分担しやすく、相手も自分もマネジメントがしやすくなります。マイナスに捉えられるようなことも、別の視点からみてプラスに変換できることもありますよ。
フリーランスには上司や先輩はいないので、自分が自分自身のよき理解者になってあげるのがいいですね。自分のクセや特徴がわかっていれば、仕事のバランスを保てたり、相手との関係を良好に築いていけますよ。
仕事内容も働き方も、自ら選択して動きだすことがフリーランスの始まり
───なぜフリーランスという働き方を選んだのですか。
中西:最初からフリーランスを目指していたわけではなく、自分がやりたいこと、大切にしたいことを選んでいったらフリーランスになっていたんですよね。
大学卒業後、会社員としての経験も必要だと思って就職し、学生時代から参加していた任意団体にも所属していました。でも、仕事が忙しくて思うように活動ができないなか、会社の価値観と私の価値観が違うことにも気づき、息苦しさを感じたんです。
そのとき、タイミングよくその団体が一般社団法人化するということで連絡を受け、興味を持って参加した任意団体での活動に主軸を置くことに決めて、フリーランスへシフトしていきました。自分の気持ちを優先したんですよね。
決して楽な働き方ではないですが、「文章を書くのが好き」と伝えていたので、言葉をあつかう仕事は私に任せてくれたり、応援してくれる人も増えました。
だから、私と同じように息苦しさを感じた人たちが生きやすい世の中をつくりたい、多様な生き方の選択肢を示せるような大人でありたいと思っています。
───これからフリーランスを目指す女性へメッセージをお願いします。
中西:どんな人にも可能性はあると思います。フリーランスにも稼ぎたい人もいれば、仕事内容を重視している人もいます。複業としてやるのもフリーランスですし、自分のスキルを組み合わせて成り立たせるのもフリーランスは可能です。
会社員と違い、不安定なのでそこに対する覚悟は絶対に必要です。何を仕事にするかも、どんな働き方をするかも、自分のバランス次第なので、しっかり考えて行動することが大切だと思います。
でも、今は自分で仕事を生み出せる時代だと感じています。だからこそ、やろうと思えばなんでもできるし、フィーリングがあうなら、今だ!と思って行動に移してみてください。
自分が動き出さないとスタートできないので、やりたいことがあるなら、とにかくできることから1歩進んでみてください。
インタビューを終えて
今回インタビューを担当させていただいたYuri Takebayashiです。
周りの方々を大切にして、自分自身としっかり向き合い、理解することを疎かにしなかった中西さん。「私は今までどうだったかな?」と取材をきっかけに今までをふり返り、改めて周りの方々への感謝の気持ちや、自分自身を見つめなおす機会をいただきました。
中西さんのように縁を引き寄せるステキな人に近づきたいと思います。また、何ごとも行動の先にチャンスが広がっていることを強く感じました。現状に満足せずに、何がしたいのかを考え、1歩ずつ歩みだすことを忘れずにしていきます。
(取材・執筆:PRライター Yuri Takebayashi / 編集:PRライター 井澤久美子)
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