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※当記事は、コロナ禍のスキルアップ支援プロジェクトとして、ライター初心者の方々に成長機会を提供した記事です。 これまでの記事同様「PRライター」と記しておりますが、PR講座等で学んだPRライターさんではなく、今回1度限りのクレジット掲載となります。
当記事においては執筆の多くのサポートとクオリティ管理を、PR講座を修了した編集担当者が責任を持っておこないました。 クレジット掲載につきまして、is Closet(itty selection)およびninoyaが、「PRライター」としてのスキルを保証するものではございませんので、ご了承くださいませ。
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企業と世の中との接点をつくる広報。PR施策のひとつ、メディアリレーションズ。テレビや雑誌で紹介されることを目指す活動のことですが、実際どのように進めればよいのでしょうか。
今回は、PR会社でのメディアリレーションズの経験から、現在はラジオパーソナリティとしてメディア側でも活動をされている柴田惠津子さんから、メディアリレーションズのメリットや、メディアとの関係構築で重要視するポイントなどをお伺いしました。
メディアリレーションズをPR活動に役立て、その効果を高めていくためには何をすればいいのか、PRライターの大谷真美がお伝えいたします。
メディアとの関係構築が、企業と世の中の接点をつくり、企業の価値を高めていく
───企業の広報活動は様々な手法があると感じますが、その中でもメディアリレーションズではどのような効果があるのでしょうか?
柴田惠津子(以下、柴田):あらゆる広報施策の中でも、企業が集客をしたい、サービスの利用者を増やしたいとなった場合に、より多くの方へ情報を届けることができるのがメディアリレーションズの最大の効果だと考えています。
たとえば、新規店舗オープンとなった際に、メディアにお知らせをしてもらうことで、そのお店がある地域の人たちに知ってもらうことにつながり、企業にも注目してもらえる機会にもなりますよね。
メディアに取り上げてもらえることで、メディアの信頼度が企業にも帰属し、社会の中での企業価値を向上させられることにつながる場合もあります。
そして、継続的にメディアと関係性を持つことで、メディアに取り上げてもらうだけではなく、社内のみでは知り得ないメディアだからこその情報を仕入れることもでき、あらゆるビジネス施策へ活かせる情報を得られることもメリットですね。
───PRパーソンとしてメディアリレーションズに携わる中で、現場ではどのようにして進められていくのでしょうか。
柴田:私が担当させていただいた中で言うと、地域に拠点を持っている企業さんからのご依頼で、新しい事業をはじめるからメディアを通して発信したいとご相談をいただきました。
しかし、メディアに取り上げてもらうためには「新事業スタート」というだけでは話題性にかけるため、どんな利点があるのか、珍しいポイントってどこなのだろうと、企業が世の中に発信したい情報の強みや特性を整理していきます。
メディアが取り上げたいと感じる切り口を見出し、プレスリリースにまとめ、メディアにメールやFAXで連絡をして、取材にきてもらえるようなアプローチを担当させていただきました。
実際にメディアに取り上げていただいた後も、企業担当者とメディア担当者同士で関係性が構築できるよう、情報交換のやりとりを促すまでが重要ですね。
相手にとっての価値を理解しよう。メディアリレーションズは、人と人との関係構築から
───いざメディアリレーションズをやろう!となったとき、どのようなやり方がありますか?
柴田:まずは、ニュース性がある情報をメディアや記者の方に直接メールやFAXなどで情報提供を行うプレスリリースという手法があります。
「情報提供」という部分で接点を持ち、つながりをつくるところからがメディアリレーションズのはじまりですね。
その中で、メディアや記者さんに企画を提案しにいくメディアプロモートや、商品やサービスをメディアに説明して回るメディアキャラバンなど、訴求したい情報によって様々な手法があります。
商品やサービスを訴求していきたい場合では、説明用の資料などを用意し、そのよさをメディアや記者さんに知ってもらう取り組みを少しずつでも行っていくことが重要です。
───メディアリレーションズと一言に言ってもあらゆる手法があるのですね。
それらの手法を実施する上で、重要視するべきポイントがあれば教えてください。
柴田:まず、1番に重要なことは、メディアの立場になって考えることです。
どうしたら本当に読者や視聴者が求める情報を提供できるかと、企業や組織に所属する広報・PRとしての立場から適切な発信ができるかのバランスを考えることが大事ですね。
企業や組織の広報として発信したいことだけではいけないし、メディアにだけ価値がある情報となってしまってもメディアリレーションズとしては成立しないのではないでしょうか。
企業とメディア、双方に価値が感じられる情報発信ができていることが、メディアとの良好な関係構築ができた結果となり、メディアリレーションズの成果を感じられると思います。
メディアリレーションズの効果はどこでわかる?重要な指標の見つけ方とは
───広報施策では、その効果がどのように現れたか、効果測定が必要になります。メディアリレーションズの効果測定は、どのような指標を持てばいいのでしょうか?
柴田:すぐにできるところからでいうと、プレスリリースを何件出した、取材を何件してもらったなど、まずは数えられる数値から分析すると行動指標にも落とし込めると考えています。
一方で、その数だけではメディアや世の中とよい関係性を持てているかは測りきれないので、プレスリリースがどのようにメディアや世の中に伝わっているかをヒアリング、リサーチすることも必要です。SNSでの商品やサービスの口コミを検索するなど、さまざまな方法があります。
より相手に価値のある情報とは何かを知ることもでき、そこから改善を繰り返していくことで、メディアリレーションズの成果を高めていけるんです。
───メディアを通じて情報を発信するとはいえ、届けたい相手にどのように届いているかということが重要となるのですね。それでは最後に、これからメディアリレーションズをはじめる方にアドバイスをお願いします。
柴田:まずはプレスリリースを書いて、メディアに配信していくことをはじめてみるのがいいと思います。
そこでメディアと接点をつくっていくことで、メディアがどんな情報を必要としているかがわかり、メディアに喜ばれる情報とは何かを掴めてくるはずです。
プレスリリースだけではなく、企業や組織が何かイベントなどを行うのであれば、メディアの方を招待して実際にお越しいただき、お会いして話してみることも大切です。
今はコロナウイルス感染拡大が危ぶまれる状況下で難しい場合があるとは思いますが、実際にメディアの方にどんなメリットを感じてくれたかをヒアリングし、メディアリレーションズから今後の広報施策を検討するなど、広報活動全体にもよい影響をもたらせることにつながります。
広報活動全体の中のメディアリレーションズとして捉えることで、その企業や組織に最適なメディアリレーションズの活用方法が見えてくると思います。
インタビューを終えて
今回インタビューを担当させていただいた大谷真美です。メディアリレーションズとひとことで言ってもあらゆる手法があり、柴田さんのお話しを伺う中で、メディアや記者の方々と企業や組織とが「双方にメリットを感じられる関係を構築するための手法である」ということを改めて感じることができました。
プレスリリースや、効果測定においても、今できることからはじめてみるということは、メディアリレーションズだけに止まらず、広報活動全体にも通ずることだと感じ、柴田さんのその行動量があったからこそ、お客さまとメディアの双方とよい関係構築ができ、成果が出せたのだと思いました。
(取材・執筆:PRライター 大谷真美)
関連情報
・メディアに取り上げられるためには?取材や報道につなげる広報・PR活動「メディアリレーションズ」の基本〜第4期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座より〜