酒と泪と女と女

男性を結婚から遠ざける“モテたい”という呪いと“35歳ピーク説”という幻想
桐谷ヨウ(ファーレンハイト)× 福田フクスケ × 川崎貴子対談(第2回)

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「なぜ、男性は結婚にコミットしないのか?」元外資コンサル出身で人気恋愛コラムニストの桐谷ヨウ(ファーレンハイト)氏と、非マッチョ・文系の“くすぶり男子”代表であるフリーライターの福田フクスケ氏をお招きし、その謎を紐解いていきます。

(文/福田フクスケ

 

男性にかけられた“モテたい”という呪い

桐谷ヨウ(以下、桐谷):自分も含めて、男はどうして結婚にポジティブなイメージを持てないんでしょうね。

 

福田フクスケ(以下、福田):今、流行りの言い方で言うと、それこそ男性が自分自身に“呪い”をかけている部分は大きいと思うよ。自分の場合、明らかに自分より収入が上とわかっている女性と付き合ったこともあるけど、それでも相手に自分の年収は言えなかったんだよね。「引かれたらどうしよう」みたいな。

それに、仮に経済的な負担を一切しなくていいと言われても、結婚自体に“相手の人生に責任を負う”というプレッシャーを感じてしまって……。

 

川崎貴子(以下、川崎):身近にロールモデルとなるような既婚男性がいないっていうのも問題なんじゃないのかな? 女性の場合、キャリアと家庭を両立しながら幸せそうに生きている人って目立つし、クローズアップされるから、「私にもできるかも」「こういう結婚なら私もしたい」とイメージを持ちやすいんですよ。

でも、男性には「家庭っていいよ」「奥さんの事が大好き!」とか言ってるおじさんの愛妻家ロールモデルがいないじゃない。だから、独身男性にとっては結婚がいいものに思えないんじゃないかな。

 

福田:ああ、それはありますね。男と女でどうして結婚に対する意識がこんなに違うかというと、女性は“一人の人に選ばれて結婚する”ことが、社会からの承認にもなるし、自分の自信にもつながるけど、男性は“いろんな人にモテ続ける”ほうが圧倒的に社会的な承認や自分への自信を得られるんですよ。“愛妻家である”ことは、大したモチベーションにならないんです。

 

川崎:でも、愛妻家の男の人って女性に人気高いんだよね。愛妻家の周りには、恋愛未満の女友だちや、ファンみたいな女の人が「すてき〜!」って無防備に寄ってくる(笑)。

 

桐谷:愛妻家は人気が高いですよね(笑)。 「あの人すてき」と言われることだって、ある意味“モテてる”わけだけど、フクスケさんはそれじゃ満足できないんですか? やっぱりヤリたいということですか!?(笑)

 

福田:うーん、ヤリたいって言うよりも、20代でかなわなかった“女性から性的に受け入れられる経験”をもっと積みたいって気持ちは正直あるかも。非モテをこじらせていた身から言うと、青春時代に満たされなかったルサンチマンって、呪いみたいにつきまとうんだよ。

 

川崎:呪いかぁ。でも実際、そのせいで結婚に踏み切れない男性は案外多いかもしれないね。

 

桐谷:本当にモテてきた男なんて実際は全体の数%かしかいなくて、マジョリティの男はモテてこなかったはずなんですよ。それなのに、ほとんどの男はなぜかモテに対して不全感というか“残尿感”みたいなものを抱えたまま、大人になっても満たされずにもやもやしてる人がすごく多いですよね。

 

福田:本当にそう。“シュレディンガーの猫”みたいに、「この箱を開けない限り、モテた自分もモテなかった自分も、どちらも並行世界に存在し得る」と思っていたい人は多いと思う(笑)。実際にはモテてこなかった多くの男性にとって、「できれば箱を開けないまま、モテる可能性をずっと残しておきたい」っていうのが心の拠り所になっているんじゃないかな。

 

桐谷:もう!なんか頭のいい喩えしちゃって!(笑)

 

福田:うまいこと言うのが仕事だからさ(笑)。それに、男性は年を重ねたほうがかっこいいとかモテるみたいな風潮があるから、夢を見せられ続けるというのもあるよね。

 

“35歳がモテのピーク”と思っていると結婚できない?

桐谷:それで言うと、僕はモテ街道を走って遊んでいた20代の頃、「30代の男にはかなわないな」「30代が一番モテるよな」って思ってました。というのも、僕の経験上、学生時代の女の子は基本“期待買い”なんですよ。実際にどんな人かではなくて、「面白そう」「この人といると楽しい人生にしてくれそう」っていう期待で選ぶんです。

 

福田:ジャケ買いだ。

 

桐谷:そうそう(笑)。それが20代になると、仕事の実績はなくてもステータスで見られることが多いなと感じてました。大手企業勤務でそこに乗っかれた僕は割とやりやすかったんですけど、多くの人は「俺のピークはまだ先にある」「今はまだ助走期間」という感覚を持ってたはずです。

その後、仕事の実績も積んで、自分のポジションを見つけて、貫禄と若さを兼ね備えた30代前半がもっとも脂の乗った時期。その頃に付き合った女性と35歳くらいに照準を合わせて結婚……みたいなコースを、みんな漠然とイメージしてるんですよね。

 

川崎:え?でも、ということは34〜35歳くらいがモテの頂点になるってことだよね?

 

桐谷:そうなんですよ、じゃあそのタイミングで結婚しようと思えるかといったらNOになるじゃないですか(笑)。だから悲劇が生まれる。ガチでモテる人って、遊び尽くした40歳くらいで20代前半くらいの子と結婚したりするじゃないですか。男はアレが理想だとどこかで思っちゃってる部分がある。でも、実際は男も35歳頃までにちゃんと婚活しないとヤバいんですよね。

 

川崎:たしかに35歳くらいで実績のある男性ってモテると思うし、モテてきた人はそれ以降もさらにモテちゃうと思うけど、その代わり、女性も結婚相手としてすごく高いハードルを課すようになるからね。「もう40歳なんだから年収一千万ってだけじゃ無理。それ以上のメリットがないなら、同世代のほうがずっといい」と思ってる女性は多いよ。

 

桐谷:「現実はそんなに甘くないぞ」って男に釘を差したほうがよさそうですね。

 

福田:20代から見ると、30代って脂が乗っててモテのピークに見えるけど、いざ自分が30代になってみると、「あれ? 思ってたような30代じゃないぞ」ってことが多い。そこで、「ああ、俺にはまだピークがきてないんだな」と思っちゃうんですよね。実際は“まだ”じゃなくて、そんなピークは“もう”こないのに。

 

川崎:ピークの呪い怖っ!その相場感覚をわかっていないと、損切りできずに気付いたときには自分の株価が下がっていて、塩漬けになってしまうということか。

 

桐谷:自分の経験上、恋愛ってマジで株に似てるんです。自分の株価がMAXに上がったときに関係をクロージングしないと、女の子って冷めるんですよね(笑)。下がり始めたら、もう後戻りしない。それは結婚の適齢期に関しても同じ。それなのに、自分の株価の暴落に危機感を持ってない男は多いと思います。

 

福田:本当に結婚がしたいと思っているなら、そこは男性の意識改革が必要ですね。

 

第3回に続く)

 

・桐谷ヨウ(@yohkiritani

・福田フクスケ(@f_fukusuke

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川崎貴子

リントス株式会社代表。経営者歴21年。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女のプロ」の異名を取る。プライベートではベンチャー経営者と結婚するも離婚。8歳年下のダンサーと2008年に再婚。12歳と5歳の娘を持つワーキングマザーでもある。著書に『私たちが仕事をやめてはいけない57の理由』(大和書房)、『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』(ベストセラーズ)、『結婚したい女子のための ハンティング・レッスン』(総合法令出版)、二村ヒトシとの共著に『モテと非モテの境界線 AV監督と女社長の恋愛相談』(講談社)等がある。

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