三味線ガールは海を渡る

三味線はどのくらいの期間できちんと弾けるようになるの?

Frohes Neues Jahr !

ドイツで年越しをしました、鬼龍院花枝です。

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休暇のつもりで行ったドイツでしたが、思わぬ所で演奏の機会を多く頂き、大変勉強になりました。

海外での経験も織り交ぜ、新年第一回目の記事は

「三味線はどのくらいの練習期間できちんと弾けるようになるのか?」

これを考えてみたいと思います。

 

 

海外の方からも気になる質問だったそう

最後に、今回のドイツ訪問でもたくさんのドイツの方やドイツ在住の日本人の方々に聴いて頂く機会がありました。様々な感想をいただきましたので、その中から一部紹介します。

まずはドイツの方から。

・初めて見る楽器でとても興味深かった
・ユニークな音と演奏方法が面白いと思った

そして、日本の方の感想も。

・日本に住んでいるのに、こんなに間近で三味線を聞いたのは初めて
・古典の曲の方が、現代曲よりも格好いいと感じた

…と、皆さん様々な反応がありましたし、その反応を頂くことが自分にとってもとても嬉しかったです。

様々な感想を頂いた中にも、やはり

「やってみたいんだけど、どれくらいで演奏できるようになる?」

という質問もありました。

 

定義は難しいが…音が出るまでに長くて3ヶ月ほどかかる

三味線はプロが出す一番簡単な単音と、素人が出すものでは雲泥の差があります。これは三味線を知らないが聞いても、すぐにわかる違いです。

三味線は右手で持った撥で、糸を皮に打ち付けて音を出します。これが、なかなか難しいのです。始めたばかりの人は撥がなかなか糸に当たりませんし、当たっても掠れたような音が出ます。

この音がそれなりに安定して、なおかつ響く音が出るようになるには一朝一夕ではいきません。おおよその目安ですが、早い人で一ヶ月、時間がかかる方で3ヶ月ほどかかります。

 

楽譜の見方に慣れるのも、少し時間がかかる

次に楽譜の見方ですが、これにも少し特徴があり、慣れるまでに少し時間がかかるかもしれません。

ただ、お師匠様や教室によって、使用する楽譜が異なる場合も大いにあります。読みやすい楽譜を提供してくれるかもしれませんし、そうでないかもしれません。

ただ、そんなに難しいことを書いている楽譜はそうありませんし、初めは簡単なものから目を慣らしていけば、いずれ難しい楽譜も読めるようになります。

先生のお手本をよく聞いて、楽譜と照らし合わせれば、さほど難しいことでもないでしょう。

 

一番良いのは目標曲を一曲決めること

三味線が”きちんと”弾ける…

というのは漠然としすぎていて中々難しいですが、目標の曲を一曲決め、それが一人でできるようになれば…と、考えると大体かかる期間も決まってきます。

最初から難しい曲に目標設定をすると、長くかかって大変です。ですので、私が教える場合は、初級の曲で目標曲を決め、一人で弾けるようになることを最初の課題にしています。

これが大体、平均を取って3ヶ月程度です。

ただ、もちろん個人差はありますし、これより早くても遅くても良いと、私は思います。

 

楽器とは長く付き合っていって欲しいと思う

「どのくらいの期間で弾けるようになるのか?」

という質問を、なぜよくされるのだろう?と少し考えてみました。

三味線は周りに弾いている人がいないので体験談を聞く機会がない、始めるにしても高価な楽器だし、一度初めてすぐ辞めるわけには……

と、頭の中で色々と算段をされているのではないのかなと…少し想像しました。

投資した分を無駄にしたくないという気持ちも分からないのではないのですが、長く付き合って初めて感じる楽器の魅力というものもあるのです。三味線は長く付き合える楽器だと私は思っておりますし、三味線に少しでも興味のある方々にもそのような気持ちでいてほしいな…と思います。

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鬼龍院 花枝

三味線指導、演奏家。気づけば20代の9割を三味線の指導と演奏に費やし、「三味線を教えている」と自己紹介すれば二度見されることにも慣れてきました。堅苦しさ皆無で三味線の魅力を知ってもらえればと思い、執筆活動もしています。

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