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CDの作り手と聴き手の間

レコーディングを成功させるたった一つのこととは

Writter: 渋谷ゆう子
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pablo (25)

CDの作り手と聴き手の間

クラシックを中心にCD製作を行う日常で経験した事柄を、アルバム製作をお考えの作り手と、クラシックを日常で嗜みたい聴き手の方へと綴ります。音楽を愛する全ての皆さまへ。

レコーディング当日、演奏家はどんな心構えが必要なのでしょうか。事前に準備をして万全の体制で臨むこと、そしてうまく演奏すること。さらにもっと大切なことがあるのです。

レコーディングを成功させるために必要なたった一つの秘訣を今日はお話ししたいと思います。

ああ。やっとここまできましたね。

「そうだ、自分の作品集を作ろう!」と決心して、どんなアルバムにしようかなぁと企画を練り、楽曲を決めてスタジを予約して。

事前準備もばっちりできて。さあ、やっとこれから自分が演奏する番。ここが一番の山ですね。

では、ちょっとここで一旦ベルトを締め直しましょう。いや、ザイルを持ち直しましょう。

レコーディング山は高さも険しさも未知の山。毎回違う山を登っていくようなものなのです。

遭難者続出も?! 録音は未知の山

事前準備のとおりに進行もうまく運び、練習の成果を発揮して、スムーズに終わることも、もちろんあります。

例えるなら、それはなだらかなハイキングのようで、「編集が楽しみです!」なんて言って元気に下山できることあれば。

スタジオ内が重々しい空気に満ち、いつ終わるかわからないし、いつやめたいと言い出すかわからないという、遭難しそうなことも無きにしもあらず。

実際に私も、次のような現場に居合わせたことがあります。

  • 何回弾いても音を間違ってしまう。同じ箇所を何度も撮り直してしまう。
  • 間違っていないけれど、納得のいく演奏ができていない。気分が乗らない。
  • 演奏者間の息が合わない。相手のせいにしたくなる。
  • テイクを重ねるごとに悪くなっていくように感じる。
  • 疲れてきて、どうにもうまく弾けない。
  • こんなにお金かけてスタジオ借りてるのに、とイライラしてくる。
  • エンジニアがなんか気に食わない。

演奏者個人のこともあれば、ほとんど周囲への八つ当たりのような場面もあり、演奏者のメンタルコントロールの難しさを感じます。

いい演奏をして残したい、と強く思うほど、現実との小さな乖離が許せなくなってしまうのではと思います。

私自身が口を出せる立場にいる場合には、それこそお菓子をすすめて休憩を挟んだり、演奏者が感情を吐き出せるように、あえて悪役を買って出てみたりと、さまざまに手を打っていきます。

しかし、演奏者とエンジニア以外の立場の人がいない場合は、うまく状況を乗り切れず、ますます遭難しそうになってしまいます。

ああ、もう考えただけでも私も鳥肌が立つ思いです。

私ですらそうですから、演奏者のみなさんならなおのことでしょう。

レコーディングを成功させるたった一つのこととは。

自分のレコーディングがどうなるのか、実際にやってみなければ分からないのなら、対策の立てようがないのでは、と心配してしまいますよね。

いいえちゃんと、道標はあるのです。しかも、あなたの心の中に。

「あなたが自分のレーベルで自主制作CDを出すための3つの条件」の、条件2, 他の演奏家のコンサートに行くことができるを思い出してください。

観客としての立場を知っているあなたは、レコーディング時にその経験を生かすことができるのです。

あなたが他の人の演奏会に行った時、何を見ているでしょうか?何を感じますか?演奏の上手い下手ではないことで。

自分が演奏している時にはゆっくり見ることができない、お客様の反応だったり、演奏会全体を通した雰囲気だったり。

ミスの全くない演奏ではなかったとしても、お客様が喜んでいる姿を目にすることもあったであろうと思います。

苦しい録音の場面には、この経験を思い出してほしいのです。

演奏者を一歩引いて、レコーディングでの自分の演奏をお客様の目線で確認するのです。

口で言うのは簡単ですよね。ごめんなさい。しかも私は演奏者でも作曲家でもありません。

本当にみなさんの気持ちがわかるのか、と言われれば返す言葉もありません。

でも、これまで多くのレコーディングに立ち会わせていただいた経験から、これだけははっきりと言えます。

プレイヤーを一歩離れて、自分の演奏を俯瞰して聞くことができる人は、絶対にそのレコーディングを成功させています。

今日のコンディション、自分の演奏結果、そしてメンタルコントロール。

これらを客観視した上で『その日の最高のプレイ』を自分で引き出しているのです。

録音スタジオの楽しさは、他では味わえない。

ここで、ふと気がつく方もいらっしゃるでしょう。

そうです。

演奏者のみなさんは、誰に言われずとも、演奏の場におけるメンタルコントロールは日々鍛えていらっしゃるのです。

これまで長い時間をかけて練習を積み重ねてきた努力する精神力。

より良い演奏を聴いてもらおう、という前向きな姿勢。

その日その時間に最高のパフォーマンスを生み出せるメンタルコントロール。

それらすべてを、すでにこの時までに身につけているのです。

あとはそれに自信をもって、客観視することだけに注力すればいいだけなのです。

演奏をしている時は、自分がその時間の中にいるので、冷静にその場で判断することは難しいでしょう。しかし、ここは録音スタジオ。あなたが演奏したその音を、今すぐ、聞き直すことができるのです。

プレイバック再生と言われるこの聞き直し作業は、演奏者の皆さんにとって思った以上に楽しいようです。

弾いてすぐにいいスピーカーで聞かせてもらえるのって、面白いと思いませんか?

撮り直す箇所を決めるにも、”思ったよりいい演奏だったな”と発見できるのも、プレイバックをすぐ聞けるから。

その際に、客観的に判断して、そのテイクを使うのか撮り直すのかをエンジニアと相談します。

弾く、撮る、聴く。そして客観視。

これさえ、頭に入れておけばもう大丈夫。

自分たちの作品を作る最高の時間は、このレコーディングの瞬間だったと、きっと後から思えることでしょう。

スタジオの大きなスピーカーで自分の音をプレイバックする楽しみを、

どうぞ存分に味わってくださいね。

渋谷ゆう子

渋谷ゆう子

株式会社ノモス 代表取締役

作曲家・渋谷牧人のレーベル「Nomius Nomos」マネージングディレクター。アルバム制作や演奏会企画運営を手がける。プロアマを問わず演奏家とのつながりが深く、自主制作アルバムの支援も行っている。ワルター/ウィーンフィル/マーラー9番/1938年がお気に入り。3児の母。

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