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CDの作り手と聴き手の間

シーンで選ぶクラシックのピアノ曲が売れるわけ

Writter: 渋谷ゆう子
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pablo (25)

CDの作り手と聴き手の間

クラシックを中心にCD製作を行う日常で経験した事柄を、アルバム製作をお考えの作り手と、クラシックを日常で嗜みたい聴き手の方へと綴ります。音楽を愛する全ての皆さまへ。

シーンで選ぶクラシックのピアノ曲がなぜ売れるのか。

この問題をリスナー側の視点で考えながら、ペルソナマーケティングの手法を自主制作CDに取り入れていきましょう。

「勉強する時のクラシック」「眠りたいときのクラシックピアノ」など、多くのシーンを想定したピアノソロアルバムが作られています。iTunesやYouTubeでも作業用などのタイトルでいくつも見つけることができますね。

なぜこのようなアルバムが多く作られているのでしょうか。

BGMに必要なのは適切なテンポ感

クラシック音楽演奏家や、熱心なファンの方にとってなかなか認めたくないことを、あえて書きます。

BGMにクラシック音楽を選ぶ際、リスナーは曲の内容をほとんど聞いていません。

普段からクラシック音楽に親しんでいる方は、音楽を聴く行為そのものを楽しんでいて、”ながら聞き”をしないばかりか、スコアを見ながらじっくり音の世界に入り込んだりもします。

一方、普段の生活のなかで「自分の時間に沿うBGM」を選んでいる場合には、音楽はあくまで周辺音の一つでしかありません。曲の内容よりも、全体の雰囲気とテンポが大切なのです。

ゆったりした静かな楽曲が続いた後に、突然行進曲のようなテンポの速い曲が流れたら、ハッとしてしまいますよね。作業の手が止まってしまうようでは、BGMとしてはマイナスとなります。

リスナーのシーンを想定し、同じようなテンポの楽曲をそろえてBGMにしているのです。

ピアノのソロ楽曲は膨大な楽曲数があるからこそ、テンポを揃えた選曲がしやすいと考えられます。BGMクラシックでピアノ曲が多い一つ目の理由がここにあります。

聴こえなかったり、大きすぎたり。シンフォニーの音量問題

次に複数の楽器を使う楽曲、オーケストラの曲をBGMにするとどうでしょう。

例えばシューベルトの交響曲「未完成」を、作業をしながら聞いているとします。
冒頭、静かに深く始まるコントラバスとチェロは、普段聞いているボリュームの位置ではほとんど聞こえてきません。
ここでついついちょっと音量を上げてしまいます。
そして気を許したが数分後。オーケストラ数十人分の音が一斉に大きな音で鳴り始めてしまいます。

作業用のBGMとしてはこの段階で必要以上の大音量となってしまうため、結局作業の手を止めて、音量調節をする羽目になってしまうのです。

楽器の種類や演奏人数の多い交響曲などは、音量の上下幅も大きく、BGMには適していないということになります。

ピアノソロのBGMは、リスナー最優先

このように、クラシックのピアノソロ曲がBGMとして選ばれやすいのは、「シーンに合わせたテンポに揃えることができるくらい多くの楽曲数」があり、「音量の上下幅が少な」く、リスナーが要求するアルバムを制作しやすいから、ということになります。

これもひとつの企画であり、商品です。

このような選曲方法は、演奏者が考えるアルバムの企画とは、かけ離れているかもしれません。
楽曲の歴史も、作曲家への理解もない選曲方法に、憤慨するかもしれません。
しかし、リスナー側からの要望は、商品を生み出す以上は避けて通れない問題です。
その企画、商品がどのような人に購入され、どのように聴いてくれるのかを、考慮しなければならないのです。

ペルソナマーケティングを取り入れたアルバム企画とは

それでは、自主制作CDの企画でどのようにリスナー側の要望を取り入れていけばよいでしょうか。

シーンを想定したBGMアルバムでは、ペルソナマーケティングと言われる徹底したリスナーの仮定を行っています。

具体例を挙げると、”普段クラシックに接していない20代後半の女性”などというターゲットイメージだけではなく、”丸の内に努める独身OLユウコさん28歳が、恋に疲れて眠れない日曜日の夜に、zara homeのルームウェアを着て、独りで聴きたくなるようなピアノ曲”などという、かなり具体的なペルソナを設定しています。これによって、アルバムのコンセプトがより明確になり、軸のあるブレ無い商品を作っています。

この手法を自主制作CDの企画でも取り入れてみましょう。

ここでまた始めにあげた条件1, 演奏会を定期的に開催している演奏家であることにつながってきます。あなたの演奏会でお客様に出してもらったアンケートを活用するのです。

男性が多いか。女性が多いのか。年齢層は。気に入ってもらえた楽曲は何か。これらはすべて、貴重な市場調査結果です。それを分析してみましょう。

演奏会アンケートを元に、ペルソナを設定しよう

アンケート結果から、「それほどクラシック音楽マニアではない、45~50歳の男性」が第一のターゲット層だと判ったとします。その層のお客様を思い出してみましょう。どこに住んでいて、だれとコンサートに来ていて、どんな服装でしたか?

そこから次は、「都内の大手製造会社に勤める中間管理職のタカシさん45歳が、田園都市線沿いの自宅で、やっと取れた休日の遅い朝にリビングでコーヒーを飲みながら弦楽四重奏を聞いている」といった、ペルソナを設定します。

このタカシさんを念頭に置きながら、CDの選曲を進めます。テンポはどうか、音量はどの程度が適切か。イヤホンやヘッドフォンは使っているか。こうして考えていくと、リスナー側の視点をより具体的に想像できるようになりますね。企画の段階で選曲に迷いがでてきた時など、このタカシさんを思い出すとよい結果に繋がります。

さらに、私たちが企画から参加する場合は、ペルソナを2パターン考えています。メインターゲットを絞りきれない時に、こうしたペルソナを設定することが助けになる場合が多くあります。

自分の音楽を聴いてくれる人を思い描くことが、まずはCD制作の第一歩。
シーンで選ぶクラシック音楽のアルバムにヒントをもらい、企画選曲の段階で、ペルソナマーケティングの手法も取り入れて、アルバム企画をさらに練り上げていきましょう。

渋谷ゆう子

渋谷ゆう子

株式会社ノモス 代表取締役

作曲家・渋谷牧人のレーベル「Nomius Nomos」マネージングディレクター。アルバム制作や演奏会企画運営を手がける。プロアマを問わず演奏家とのつながりが深く、自主制作アルバムの支援も行っている。ワルター/ウィーンフィル/マーラー9番/1938年がお気に入り。3児の母。

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