リスティングの運用は、単品通販業界が圧倒的です。リスティングの事例として参考になりますし、そのためのノウハウも蓄積しています。
本記事では単品通販業界から学ぶ、リスティング運用のノウハウについてまとめました。基本から丁寧に解説していきますが、ほんの少し専門用語が出てきます。ですが、ご心配なさらずに。専門用語の解説も入れて、できるだけかみ砕いて解説していきますね。
リスティング広告については、下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
単品通販から学ぶべき理由
単品通販とは?
通販業界は大まかに分けると、単品通販と総合通販の2種類から構成されています。
単品通販とは、取り扱っている商品が一種類だけだったり、商品のカテゴリーが一つだけの販売形態のことです。
一方で、多数の商品を販売しているECを総合通販と呼んでいます。有名なところだと、Amazonや楽天がありますね。生活雑貨から書籍、電化製品、アパレルまで幅広く取り扱っています。
一般的に、総合通販は経営体力のある大企業が行っているケースが多いです。単品通販は中小企業を中心として、スタートアップや個人でも取り組むことができる販売形態です。
なぜ単品通販が参考になるのか?
本稿では単品通販を参考として取り上げますが、なぜ総合通販ではなく単品通販なのでしょうか?一言で言うと、リスティング運用のノウハウが詰まっているからです。
上で述べたように、単品通販では商材の管理コストを抑えることができます(=商売がラクという意味ではないので悪しからず)。そのため広告運用やカスタマーサービスに労力が割きやすく、結果としてリスティング運用のノウハウが蓄積しているのです。
なお、本記事を読んでいただいている方は中小企業のWeb担当者が多いはず。初期投資や運用コストが抑えられる単品通販は、「選択と集中」という意味でも中小企業が参考にすべき事例なんです。
単品通販から学ぶリスティング運用の極意
それでは、単品通販からリスティング運用の極意について学んでいきましょう。
中長期的な視野で運用すること
リスティング運用は、中長期的な視野で運用することが大切です。
リスティングを運用していると、お客さまの獲得にかかった費用(CPA)や注文の獲得にかかった費用(CPO)ばかり気にしてしまうものです。しかし、大事なのはむしろそのあと。商品を購入をしてくれたユーザーに、リピーターになってもらうことが大切なんです。
単品通販では特にそれが顕著で、初回の購入では費用対効果はあまり良くありません。2回目、3回目と購入を繰り返してもらうことで採算もとれるようになっていくのです。
そのため、単品通販では初回の購入にあたるCPAやCPOではなく、顧客がリピートしてくれたかどうを重視しています。LTV(顧客が継続して購入してくれた合計金額からコストを引いた値、顧客生涯単価)の方が大切、ということですね。
LTVの概念がないとしばしば広告費用を顧客獲得単価で割ってしまい、すぐに「割に合わないから止めよう」と判断しがちです。しかしLTVで見ると「顧客を獲得して、そのうち2回商品を買ってもらえるひとが4割いるから、広告費用はこれくらいかかっても問題ないのでは?」と長期的な判断を取ることもできます。
A/Bテストを行うこと
では、リピーターを獲得するにはどのようにすればよいのでしょうか。その秘密がA/Bテストです。
A/Bテストとは、一部の画像やテキストなどで2つのパターンを入れ替えて試すことで、より反応がよい方を残す検証方法です。箇所ごとにA/Bテストを繰り返すことで、強靭なLPに仕立てることができます。
単品通販といえばLP一枚で運用しているように皆さま考えがちですが、実はその裏に一部の画像やテキストだけ変えたLPがたくさんあるんです!
なぜそんなにあるかと言うと、広告経由で入った顧客・アフィリエイト経由で入った顧客・はじめて買ったお客さま・途中で定期購入を止めたお客さまと、顧客のシチュエーションに応じて訴求内容を変えているからです。
そしてどんな画像・文言あるいは金額がよいかA/Bテストを繰り返すことで、リピーターを獲得するための流れと、それにもっとも適したLPをつくっているのですね。
A/Bテストを行うときの注意点としては、いきなりあちこちいじらず細かい部分に絞って、1箇所ごとに行っていくことです。これを継続して行うことで、リピーターになってもらう確率を上げていきます。
あとがき
単品通販から学ぶ、リスティング運用の極意についてご紹介しました。今回の記事では、リスティング運用にまつわる専門用語がいくつか出てきました。次回の記事では、最低限おさえておきたいリスティングの専門用語をご紹介します。