2014年も、インターネット上では様々な動きがありました。
“バイラルメディア”が話題になったと思ったら炎上したり、大々的な宣伝をうったことで“YouTuber”の存在が世間的に知られるようになったり、様々な新興メディア・サービスが出てきたり。
本記事ではその中でも、自分がブログを運営する中でよく目にした単語を5個、まとめてみました。
バイラルメディア
こちらの記事でも紹介しましたが、2014年は特に「バイラルメディア」のウェブ上での存在がひときわ目立っていたように思います。
TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアによる記事の拡散を狙い、シンプルで分かりやすいコンテンツ提供を行うサイト群。
上記記事でもその問題点については触れましたが、案の定、著作権的に明らかに問題のあるバイラルメディアが相次いで指摘されるようになり、大きな炎上に繋がりました。
もちろん全てのバイラルメディアが悪いものではありませんが、ウェブ上で情報発信を続けていく以上、今後はさらに「コンテンツ」に対して各々が意識を持つことが重要になってくるのではないでしょうか。
デジタルデトックス
「デジタルデトックス」という言葉自体は2012年頃から日本でも聞かれるものでしたが、2014年に入って『デジタルデトックスのすすめ』という本が発売されたり、各種メディアで取り上げられたりしたことによって、話題となりました。
IT依存症を防ぐため、デジタル機器から一定期間離れる取り組み。シマンテック社による2012年3月の調査で、日本人は平均して週に49時間インターネットを利用しており、5人に1人(19%)が「インターネットがなかったら3時間以内に禁断症状を覚えるだろう」と回答したことからITへの過度の依存が問題となっている。その対策の一つとして、スマートフォンやパソコン、ゲームなどすべてのデジタル機器に1日~数日まったく触れないことで、現実のコミュニケーションや自然の姿を認識し依存度を低めようという動きが個人・企業などで出てきている。「デジタルをデトックス(解毒)する」との意味から、米国でこの名称がつくられた。
自ら実践しその効果の程をブログに書く人もちらほらと現れ、インターネットとの向き合い方・使い方を再考するきっかけとなった人もいるのではないでしょうか。
ネイティブアド
ネイティブアドとは、ユーザーがいつも使っているメディアもしくはサービスの中で、自然になじむデザインや、機能で表示されるペイドメディアの一種。
最近増えてきた形の広告として、「ネイティブアド」も話題になりました。ニュースサイトなどで他の記事と同じような形式で書かれ、作られた広告の一種であり、読者の目に触れやすいことからその効果も期待できる、とのことです。
新たな収益源として期待が高まる一方で、広告主が料金を支払って制作する記事広告と同じではないか、読者にとって通常の記事と区別がつきにくく記事の信頼性を低下させるのではないか、など、問題点を指摘する様々な意見が飛び交っている。
しかし一方では、「他の記事と見分けがつかない」ことから全体としてメディアの価値を下げかねないものなのではないか、読者に悪印象を与えるのではないか、といった問題点も指摘されています。
はっきりとそれが「広告」であることを示すための基準、線引きが望まれています。
キュレーションメディア
現在、インターネット上にはありとあらゆる情報が溢れています。そのような状況下、注目を集めているのが、インターネット上の情報を、ユーザー独自の価値判断で整理する「キュレーション」です。
「キュレーション」という言葉に関しては過去の記事でも説明しましたが、各々のユーザーが価値のある情報を選別し、まとめて発信するものがキュレーションメディアと言えるでしょう。有名どころで言えば、NAVERまとめもキュレーションサービスのひとつですね。
2014年、キュレーションメディアの中でも特に大きな存在感を示していたのが、NewsPicksです。先日の記事でも紹介しましたが、「経済」の話題に特化したニュースを収集し、それについて有識者のコメントを読むことができるというスタイルは、それまでの新聞や雑誌では見られなかったものです。
今後はおそらく、それぞれのメディアがオリジナルコンテンツを発信することで、差別化が進んでいくと予想されています。
YouTuber
もはや世間的にも有名な存在となった、主にYouTubeに投稿した動画からの収入で生計を立てている動画投稿者、YouTuber。テレビCMや駅構内の広告によって今年、広く認知されるようになりました。
もともと、2011年から一般向けに提供の始まった「YouTubeパートナープログラム」の広告収入システムによって大きな収益を上げている人たちの存在は知られていたものの、大々的に取り上げられる機会は少なかったようにも思います。
ただ、こうした成功例はまだ少ない。「クローズアップ現代」の中でネットジャーナリストの愛場大介氏は、「生計を立てられているのは、日本では数十人レベル」と答えていた。
こちらは2014年元日の記事ですが、この状況は今も変わっていないのではないかと。むしろ競争者が増えたことによって、後追いの戦略では顧みられることもなく、よほど新規性の高いことをしなければ“一山当てる”のは難しいようにも思います。
ただ、YouTubeに限らずこのようにネットメディアで生計を立てる人は、これからも増えていくのではないでしょうか。企業マーケティングにも彼ら「個人」の実力は発揮されているため、能力のある人は重宝されるようになっていくはずです。
2015年のインターネットはどうなる?
以上、2014年に自分がよく目にした単語5選でした。
総じて「コンテンツ」に関わるものが多く、バイラルメディアに見られる記事流用に対する批判を見る限り、これから独自性の高いコンテンツはどんどんと価値が高まっていくのではないかと思います。
そして、YouTuberのように個人で活躍する人もいる一方で、例えば「共同プロジェクト」のような形で個人同士が、あるいは個人と企業が手を結び、価値あるコンテンツを創り出していくような流れが2015年は加速するのではないでしょうか。
僕達が見ている、重視している「コンテンツ」とは何か。ウェブの速い流れに取り残されないようにするためには、それを改めて自分なりに整理する必要があると、僕は思います。