あっという間に年末、大晦日も間近ですね。忘年会もほどほどに消化し、残すは仕事納めと大掃除……の前に、アレがありました。カップルにとっては一大イベントとなるらしい季節行事「クリスマス」でございます。
自分としては昔から「家族行事」としてのイメージが強かったので、この季節になると「彼女欲しいいいいい!」と全身を掻きむしりながら叫ぶ男性諸氏の感情は、わかるようでいて、心の底から共感できるわけではないのですが。でも聖夜に大切な人と過ごしたいという話はわかります。
さてさて、そんな「クリスマス」という季節イベントに際して、この数年の間でよく耳にするようになった言葉があります。独り身の胸に突き刺さる一語、「クリぼっち」。どことなく焦燥感を持たせる言葉という印象があり、メディアでもしばしば使われている印象がありますね。
この「クリぼっち」という言葉について、ちょっと調べてみました。
「クリぼっち」はいつから叫ばれるようになった?
「クリぼっち」という言葉は、いつごろから話に出るようになったのでしょう? 単純に「ひとりぼっちのクリスマス」という表現で言えば、時に独身男女の心からの叫びとして、時に創作物におけるネタとして、昔から珍しいものではなかったように思います。 ㍆㌋㌉㌏㌉㌸㌾㌋㌞㌹㌅。
Googleトレンドで「クリぼっち」を調べてみたところ、ちらほらと話題に挙がるようになったのは2012年12月頃。その後、2013年、2014年と微増し、今年2015年で急増しているように見えます。まだ集計途中なのに、圧倒的じゃないですか……。
一方、ニュースソースで「クリぼっち」を調べてみると、初登場は2010年のこちらの記事。当時高校生の女優さんが話題に挙げているので、若い学生の世代から広まっていったと想像されます。2ちゃんねる発祥だとか、ネット用語というわけではないんですね。
2012年12月頃から広く使われる様になり、NHKでもクリぼっちについての特集が行われた。
こちらのネット用語辞典によれば、メディアで取り上げられ一般にも広まるようになったのが、2012年のことだと説明されています。言われてみれば、TwitterでNHKのキャプチャ画像がRTされているのを見た覚えが……あるようなないような。Googleトレンドとも一致しますね。
・クリぼっちでもええやないか!たこやきレインボー新曲MV公開 – 音楽ナタリー
・【ぼっち女子必見】「クリぼっち」のプロに聞いた! 「クリスマスにひとりで行くと危険な場所」ワースト3 | Pouch[ポーチ]
そして2015年現在、「クリぼっち」は曲名にまで登場し、各種ニュースサイトも当然のように取り上げる言葉となっております。クリぼっちがメジャーになった――と書くと、まるで世間の大多数がひとりぼっちでクリスマスを過ごしているようにも見えますが。実際は知りません。
「クリぼっち」だって、いいじゃないか
ところでこの「クリぼっち」という言葉、読んで字の如くなので特に説明していませんでしたが、言葉の意味としてはどのように説明されているのでしょうか。先ほどの「ネット王子」の解説を改めて引用してみます。
「クリぼっち」とは彼氏や彼女がおらず、クリスマスを一人で過ごす人物のことである。
クリスマスに一人でいるというのは通常、彼氏や彼女といった恋人がいないからであるが、中には友人同士でクリスマスパーティーを行うこともあり、クリぼっちの場合はそうした友人もいないことを暗に含んでいる。
おお……これはつらい。いや、自分としても恋人云々はそうでもなかったんですが、後半部分はきつい……というか共感できますね、これ。実際、仕事が忙しくて、夜遅くに会社の寮でひとりぼっち、スーパーで買った小さなショートケーキを食べていたなんて経験もありますし。つらい。
――別のサイトでも確認してみましょうか。
日本ではクリスマスイブ&クリスマスは恋人と過ごすもの、恋人がいない=寂しいクリスマスという考えが定着しているが、アメリカではクリスマスは家族や親戚と過ごすのが一般的であるため、クリぼっちを嘆くのは日本ならではの習慣と言える。実家暮らしで家族とクリスマスを過ごすことは本来なら寂しいものではないが、日本のクリスマスに対する考え方の影響で気持ち的にはひとりぼっちと感じてしまう。
自分としては、こちらの言説に賛同できますね。メディアの報道や、ドラマやコミックなどの創作物の影響で、「クリスマスは恋人と過ごすのが当然」といった刷り込みがされていることも否めないと思います。
もちろん「日本化」したクリスマスを否定するつもりはありませんし、これはこれで日本らしい季節行事なのかな、と。街中に繰り出せばその手のイベントが催されていたりもしますが、全体を俯瞰してみると、それも一部のものでしかありません。
楽しむ人は楽しむも良し。でも無理に乗っかる必要もありませんし、そういった意識がない人にとっては、「冬のとある夜」のひとつでしかありません。クリぼっちだって、いいじゃないか。
「クリぼっち」の人におすすめのイベントもあるそうです。よかったらぜひ。